2017年01月15日

「ハナとヒナは放課後」第3巻(完結)/ 森永みるく

森永みるくさんの「ハナとヒナは放課後」第3巻を読みました。



ハナとヒナは、ファンシーショップでアルバイトをしています。校則ではアルバイト禁止なので、ここで働いていることは2人(とごく親しい友人)だけの秘密。

地味めで背も小さいハナと、美人で長身のヒナは一見全然違うタイプ。でもお互いに少しずつ惹かれあっていきます。しかし同時に、女の子同士で特別な感情を抱いてしまったことに戸惑い、悩むことも増えていきます。

最終回となる今回の第3巻は、2人の迷いが最高潮になったところから始まります。表面的にはこれまで通りの2人ですが、特別な気持ちを抱いていることをお互いに隠し、どことなくぎこちない感じ。そんな中、ヒナが突然バイトをやめてしまいます。

離れ離れになったことで、ハナとヒナはお互いの気持ちが恋だということをついに自覚。2人は告白し、正式にお使いを始めます。そして、やがてついに一線を越えることに。

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その後ヒナはバイトに戻ってきて、またハナと一緒に働けることになりました。読者モデルの仕事も再開。不安なこともたくさんあるけど、2人はこれからもずっと一緒に生きていくことを心に誓います。



今回で完結となった「ハナとヒナは放課後」。

ファンシーショップが舞台、そしてヒロインは読者モデル……というちょっと特殊な設定を活かしながらも、王道的な百合物語が展開されました。地味めな女の子とギャル、という組み合わせも森永みるくさんの得意とするところなのだろうと思います。

王道ゆえに森永さんの過去作品に似た展開もいくらか見られますが、バイト仲間という設定が作品に個性を与えていました。校則ではバイト禁止なので学校で話しかけてはいけない、という縛りがあったのはユニークだったと思います。



【電子書籍版】




ちなみに、3月には英語版の発売が予定されています。英語に興味がある方はぜひこちらも。


 
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2017年01月14日

Bloom into You (英語版「やがて君になる」) 英単語帳

「やがて君になる」の英語版"Bloom into You"。



先日の記事では、第1話・第2話を英語の観点から紹介しました。

Bloom into You (英語版「やがて君になる」)
Bloom into You(英語版「やがて君になる」)Episode2: First Blush


今回の記事では、第1巻に登場する英単語のうち、特に重要度の高いものを解説したいと思います。この作品で英語を勉強しようという人がいたら参考にしてください。

日本語版のPVで使われていた台詞は、面白い英訳になっていることが多いので特に注目です。





Episode1: I cannot reach the stars(わたしは星に届かない)


council:議会、会議

student councilで生徒会。


go out with〜:〜とつきあう、交際する

文字通りに「外出する」という意味もありますが、恋人としてお付き合いするという意味でもよく使われます。


ask 〜 out:〜に告白する、〜をデートに誘う

上記のgo out withと併せ、告白の場面でよく使われます。


Nice to meet you.:よろしく

軽い挨拶としての「よろしくお願いします」は、ぴったりなニュアンスの言葉が英語にはありません。そのため、初対面の挨拶としてのNice to meet you.がよく翻訳として当てられます。

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confess:告白する

confessionは「告白」。


feel:感じる

過去形・過去分詞はfelt。

侑の心情に関する表現を意訳する際によく使われています。「(キラキラした感情は)わたしのものになってはくれない」は "I've never felt them for myself"(自分自身で感じたことはことはない)。「わたしに特別は訪れない」は"I don't feel anything "special.""といった具合。



pound:ドンドンと音が鳴る

「ドキドキ」にぴったりな擬音が英語にはないため、「heart(心臓)がpoundする」という言い換えがよくされています。

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turn down:断る

告白を断る、という意味で使われています。


special:特別な

作品全体のキーワードとなる言葉。侑は「特別」な気持ちがわからず、一方燈子は「特別」であることにこだわります。

「わたしには特別って気持ちがわからないんです」は、I've met anyone who's felt "special" to me.(私にとって特別と感じられる人に出会えたことがない)とやや意訳されています。


There is nothing wrong with〜:〜は何も悪くない、〜に異常はない
the way A B:AがBするやりかた、AのBする様子

「君はそのままでいいんだよ」は、"There's nothing wrong with the way you feel."(君がそう感じるのは、おかしくなんかないよ)。こちらもちょっと意訳が入っている感じ。


same
:同じ

侑が「先輩と私は同じなんだ」と感じる場面で使われます。


different:違う

こちらはsameと逆。侑と燈子はやっぱり違う、という意味で使われます。


fall in love with〜:〜に恋をする、〜が好きになる

片思いの場合も含みます。

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Episode2: First Blush(発熱)


blush:赤面

サブタイトルで使用されている単語。at first blushで「一見して」。


both:両方とも

2つのものが同じ性質を持つことを表します。We are both girls(わたしたちは女の子同士で〜)は、百合ものの定番フレーズ。


blurt:口走る、うっかり言ってしまう

燈子は、侑への告白めいた台詞を突然blurt(思わず口走る)してしまいます。


weird:変な、おかしな

こちらも百合ものでわりとよく見る表現。女の子同士で恋をしてしまった自分に戸惑うシーンでよく使われます。


cheers: 乾杯

おめでたいことがあったときの掛け声。生徒会の打ち上げ(?)の場面で使われています。


election:選挙

第1巻のストーリーには、生徒会長選挙が大きく関わっています。


president: 大統領、社長、会長

大統領に限らず、組織のトップ全般に使われる単語です。「生徒会長」はstudent council president.


run for〜:〜に立候補する

燈子は生徒会長選挙に立候補。


campaign:キャンペーン、運動、選挙活動

作中では「選挙活動」の意味で使われています。


manager:支配人、監督、責任者

日本語版の「推薦責任者」はcampaign manager(選挙活動の責任者)と訳されています。侑は燈子のcampaign managerに就任します。

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officer:役人、役員

ここでは生徒会役員の意味で使われます。


fair:公平な、正当な

作中では否定形で「ずるい」という意味で使われます。

燈子は沙弥香や侑からよくずるいと言われています。"Your're not playing fair(ずるいんだから)"、"It's not fair"(ずるい)、といった感じ。


script:台本

演説用の台本という意味で登場。


say:言う

過去形・過去分詞はsaid。

mean:意味する、意図する

過去形・過去分詞はmeant。

sayは「発言する」という行動そのものを意味します。一方、meanは発言の中に込められた内面の意図や本心を意味します。say(発言)した内容とmean(意図)した内容は、食い違う場合がありえます。

「私の好きって、こういうことしたい好きだったんだ」という台詞の英訳は、上記のsayとmeanの違いがわかりやすく表れています。

"When I said "love", I meant that kind of love."(わたしが「好き」と言った時、私が意味していたのはこういう「好き」だったんだ)

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Episode3: Campaigning for love(初恋申請)


upset: 慌てている、怒っている

侑が燈子にキスされたことを「気にしていない」という台詞で、否定形のnot upsetが使われています。


candidate:候補者

燈子は生徒会長選挙のcandidate。


grab:つかむ、握る

侑が燈子の手を握るシーンで使われます。


what it's like to〜:〜するとはどういうことか、〜するとどんな感じか

「先輩はもう特別を知ってるんだ」は"She already knows what it's like to feel that someone's special."(先輩は誰かを特別に感じるのがどういうことかもう知ってるんだ)となっています。


let:〜させてあげる

相手の望んでいることを、好きにさせてあげる意味。「好きでいさせて」は"Just let me be in love with you."

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Episode4: Atmospheric pressure(まだ大気圏)



Atmospheric pressure:気圧

サブタイトル。やや意訳されています。


break:休憩、休暇

vacation(長期休暇)ほど長くない休日のこと。ここでは5月の連休の意味で使われています。


nervous:緊張している

侑の家を初めて訪れた燈子の心理状態。


seduce:たぶらかす、性的に誘惑する

「娘さんをたぶらかしてすみません」という台詞で登場。


text:(携帯の)メール、メールを送る

英語では「メール」に2つの種類があります。PCから送るとemail、携帯から送るとtextと呼ばれます。また、eを付けずにmailとすると郵便の意味なので注意。ややこしいですね。


already:すでに、さっさと

過去の出来事に関して使うと「すでに」ですが、未来のことに関して使うと「さっさとやれ」というニュアンスになります。


souvenir:おみやげ、記念品

シーンによってはgift(贈り物)とも呼ばれています。


how much
:どのくらい

この作品で一番有名かもしれない台詞「どれだけ私のこと好きなんですか」。英語では"Just how much love me, anyway?"です。

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Episode5: The one who loves me(わたしを好きな人)


Good luck!:頑張れ

「頑張れ」は文字通り訳すとTry hardですが、これだとサボっている人を叱っているように聞こえます。相手を応援する意図で言う場合はこのようにGood luck!(幸運を祈る)が無難です。


have faith in〜:〜を信じる、〜を信頼する

みんなが燈子のことを信じている、という意味で登場。believe inも同じ。


weak:弱い

燈子は侑にだけ自分の弱い面を見せます。


nice:良い、親切な、優しい

良い意味全般を表す単語ですが、作中では「優しい」の意味で使われています。「今日は優しいね」は"You're being nice today, huh?"。現在進行形になっていることから、今だけかもしれないことが暗に表現されています。


That's why 〜:だから〜だ、理由は〜だ

「だからわたしなんだ」は、"That's why she chose me."(だから彼女は私を選んだんだ / これが彼女が私を選んだ理由なんだ)とやや具体化されています。

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Realize:気づく
give up:あきらめる

第1巻本編ラストの意味深なモノローグ「そのためにわたしが諦めなければいけないものに このときはまだ気づかなかったんだ」で登場。英語では"But what I didn't realize at the time, was that being near her meant I'd have to give up something else."。長文でちょっと複雑ですが、主語はwhat I didn't realize at the time(わたしがその時気づかなかったもの)です。that節以下にその具体的な内容が語られています。

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Coming soon(次巻予告)


dirty:汚れている、卑猥な、下品な

「侑、えろい」は"How dirty"(なんていやらしい)と意訳されています。

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eyelashes:まつげ

百合漫画の女の子たちが気にしてやまないパーツ。相手のこれを気にしだしたら恋に落ちる前兆です。「まつげ長いな」は"Her eyelashes are so long".




というわけで、Bloom into You (英語版「やがて君になる」)第1巻の中から特に重要な英単語を紹介してみました。この英語版は全体的にとても良い翻訳がされているので、英語の勉強用にもおすすめの作品となっています。

洋書ですがAmazonなどの通販サイトを利用することで日本からも入手可能です。



日本語と英語を比べながら読むとさらに勉強の効率が上がります。

  
 
posted by trinder at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Kindleで「小林さんちのメイドラゴン」1巻が99円セール

Kindleストアで、「小林さんちのメイドラゴン」1巻が99円(+ポイント20%還元)になるセールが行われています。



加えて、2巻も199円(+ポイント20%還元)のセール。




「小林さんちのメイドラゴン」のアニメ化を記念したセールのようです。

同じく双葉社の作品で「〇〇さん」と付く他の作品の1巻目も99円 or 199円のセールとなっています。テーマとしてはかなりユニークですね。百合要素がありそうなのは、しいていうなら「受付の白雪さん」あたりでしょうか……。


 
posted by trinder at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月13日

「双角カンケイ。」第2巻(完結) / タチ

「双角カンケイ。」第2巻を読みました。「桜Trick」でおなじみのタチさんの作品です。



ひまりとあいりは双子の女の子。両親やごく親しい友人以外には見分けがつかないほど、そっくりな姿をしています。ある日、あいりはひまりのフリをして代わりにバイトに行きます。バイト先の先輩である朝霧ちさきは、あいりをひまりと間違えて告白してきました。最初はうまく話を合わせていただけのあいりでしたが、だんだん本当に朝霧先輩のことが好きになってしまいます。そして、以後もちょくちょく「ひまり」のふりをして朝霧先輩とデートするというかなり危ない橋を渡ることに。そんなところまでが第一巻のお話。

「双角カンケイ。」第1巻(タチ)


続く第2巻では、さまざまな偶然のイタズラによってあいりに正体バレの危機が迫ります。部活動の関係で「あいり」として朝霧先輩のいる高校に行くというかなりキワドイ一幕も。

さらには、朝霧先輩にストーカー気味に片思いしている雛菊ここみの参戦により、事態はさらにややこしくなっていきます。双子の姉になりすます妹VSストーカー女子、という異常な対決。

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持ち前の機転でいくつものピンチを乗り越え、「ひまり」として朝霧先輩との恋人関係を維持するあいり。朝霧先輩は天然なのか、あるいは思い込みが激しいのか、なかなか正体には気が付きません。しかし、ある時ひまりはあいりのしていることに気づいてしまいます。

実はひまりは、あいりと「一緒になりたい」という願望をずっと抱いていました。

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最近あいりと距離を置いているように見えたのは、その気持ちを抑えるため。

あいりの裏切りを知りつつも、朝霧先輩を傷付けたくないひまりは、ある決心をします。そして、物語は意外な結末を迎えることに。



こうして完結となる「双角カンケイ。」。

「桜Trick」のタチさんの作品ということで、一見ふんわりした雰囲気の百合ラブコメ。ですが主人公がわりと冗談で済まない秘密を抱えているため、ストーリーとしてはかなりシリアス。朝霧先輩との関係を維持するためにありとあらゆる嘘とつじつま合わせを行うあいりの姿は、ちょっとしたサスペンスもののよう。シリアスとコメディが交互に、かつ意外なタイミングで入れ替わっていく不思議な作風です。

基本的には朝霧先輩がメインヒロインですが、終盤のひまりの告白によって姉妹百合の要素も出てきます。ただ、ひまりの内面の描写はほぼ終盤の語り(すごく長い)のみに凝縮されています。このあたりはもう少しじっくり読んでみたかったかもしれません。サスペンスとしては主人公以外の思惑を簡単に明かすわけにはいかなかったというのもあるのでしょうが。


タチさんの「桜Trick」とは一味違った百合が読みたい人におすすめです。

 
 
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2017年01月11日

Kindleで芳文社作品の第1巻がポイント47%還元 「うらら迷路帖」「ステラのまほう」「おちこぼれフルーツタルト」など

Kindleストアで、芳文社作品のコミックの第1巻にポイント47%還元が付いています。

対象作品には、「うらら迷路帖」「ステラのまほう」「NEW GAME!」などのアニメ化作品が含まれます。

  

  

 

その他にも、百合っぽい要素のある作品がいくつか。結構最近の作品が多いことに注目です。

  

  
 
タグ:電子書籍
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2017年01月09日

Bloom into You(英語版「やがて君になる」)Episode2: First Blush

1月3日に発売された、「やがて君になる」の英語版"Bloom into You"。



前の記事で第1話を紹介したのに続き、今回は第2話を紹介します。


we're both girls

突然、侑に「君のこと好きになりそう」と告げた燈子。燈子としては無意識に口走ってしまったらしく、やがて我に帰ってあわてて誤魔化しました。

侑のほうでも、きっと深い意味はなかったのだと思うことにします。でもやっぱり気になるようで、燈子の言葉の意味を何度も考えています。

「そりゃあ女同士だし、そんな気にするような意味のわけないんだけど……あんな顔するから」

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I mean, we're both girls. I've got nothing to worry about.
(わたし達女同士だし。何も心配することはないよね)

Still, something about the way she was looking at me...
(でも、あのときの私を見る目は何か……)

意図するところは同じですが、少し表現が変わっています。

we're both girls(わたし達は女の子同士)は百合作品の超頻出表現です。「女の子同士なのにドキドキしてしまう」「女の子同士なのに好きになってしまう」「女の子同士だから手をつないでいても大丈夫」といった感じで、様々な百合台詞に使用されます。


campaign manager

侑のモヤモヤは晴れないまま、生徒会選挙の日が近づきます。燈子は周囲からの強い期待に応え、生徒会長への立候補を決意。さらには、一緒に選挙活動を行う「推薦責任者」として侑を指名します。

「推薦責任者っていって、私と一緒に選挙活動をしてくれる人が必要なの。それを小糸さんに頼めないかな」

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I'm going to need a campaign manager.
(選挙責任者が必要になるの)

Someone to help me with election activities and such.
(選挙活動とかをサポートしてくれる人のことね)

Could you do that for me, koito-san?
(小糸さん、私の選挙責任者になってくれない?)


「推薦責任者」はシンプルにcampaign manager(選挙の責任者)と訳されています。「推薦責任者」はやや独特の表現なので、そのままではどんなポジションなのか海外の人に伝わりづらいという配慮でしょうか。



assumed

燈子がサポート役に侑を選んだことは、侑にとってはもちろん驚き。さらに、燈子の親友である沙弥香にも大きなショックを与えます。すっかり自分が燈子を助けるつもりになっていた沙弥香は、ちょっとスネてしまったようです。

「別に?私が勝手に責任者をやるつもりになってただけだもの」

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I don't know. I guess I just assumed I would be your campaign manager.
(知らない。きっと私が勝手に選挙責任者になると思い込んでただけだもの)

assumeというのは、根拠もなく決めてかかるとか、思い込むという意味。まさに直前までの沙弥香の心情にぴったりな表現です。



that kind of love

燈子のフォローもあって、沙弥香もなんとか機嫌を直してくれました。そして侑も、責任者に就任する決意をします。

その日の帰り道、踏切前。燈子は、電車が横切った隙にとっさに侑にキスをします。このとき、燈子は自分の気持ちをはっきりと自覚しました。


「私の好きって、こういうことしたい好きだったんだ。君といると、どきどきするの。こんな気持ち、誰にもなったことなかったのに」

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When I said "love", I meant that kind of love.
(私が言った『好き』って、こういう『好き』のことだったんだ)

When I'm with you, my heart pounds... though I've never felt that way toward anyone before.
(君といると、どきどきするの。こんな気持ち、誰にもなったことなかったのに)


日本語版に忠実な英訳です。「どきどき」をheart pounds(心臓が高鳴る)と表現するのは、第1話でも見られたパターンですね。

文法的には、現在完了形(have + 過去分詞)が使われていることが重要。現在完了形の使い方には完了・経験・継続の3種類があり、ここでは経験の意味。それをneverで否定することで、「今まで1度も経験がない」という意味になるわけですね。



第1話に続き、とても良い感じの英訳になっていると思います。日本語版に忠実な内容ながら、言語の違いによる細かな調整の跡が随所に見られます。日本語版と少し違う言い回しになっている部分は、理由を考えながら読むと楽しいです。

英語と百合が好きな人にはおすすめの作品となっています。



本格的に英語学習したい人は、日本語版と並行して読むのをおすすめ。

  


ななこ先輩&さなえ先輩

基本的にとてもきちんとした翻訳になっているこの英語版。ただし、実はこのエピソード内にはいくつかミスが見受けられます。具体的には、登場人物の名前。

まず冒頭、燈子に「君のこと好きになりそう」と言われて驚く侑の台詞です。日本語版では「えっと 七海先輩……?」だったのですが……

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Umm... Nanako senpai...?
(えっと ななこ先輩……?)


Nanako(ななこ)??

どうやら七海の七と燈子の子が混ざって七子になってしまったようです。

七海という姓は名前に見えなくもないですし、こんがらがってしまうのもわからないではないかも……?ここ1コマだけの間違いなのが救い。


さらに大きな被害に遭っているのが、沙弥香。どういうわけか何度もSanae(さなえ)と間違えられます。

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七海燈子→七子はまだわからなくもないですが、いったいどこをどう間違えたら「さなえ」になるのでしょう?

そしてさっきから侑ばかりが間違えているのは気のせいでしょうか?侑は「特別」を知る前に人の名前を覚えることから始めたほうが良いかもしれません……。


ただ、沙弥香に関しては侑の台詞以外でも間違われています。それも、よりにもよって学校の掲示物。どうやら学校一丸となって名前を間違えているようです

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しかもよく見るとSanae Sayaka(さなえ さやか)となっています。もうどっちが名字でどっちが名前なのかすらわかりません。一体沙弥香が何をしたというのでしょう……。

一応言っておくと、沙弥香のフルネームは正しくは佐伯沙弥香(さえき さやか)です。上で紹介したコマ以外ではちゃんとSaeki Senpaiと呼ばれているのでご安心を。
 
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Bloom into You (英語版「やがて君になる」)

Bloom into You(英語版「やがて君になる」)が1月3日に発売されました。



アメリカ向けですが、Amazonなどの通販サイトで日本からも購入可能です。というわけで、さっそく手に入れてみました。

表紙はこんな感じ。

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表紙イラストは日本版と同様。でもタイトルが独自のデザインになったことで、少し印象が変わったかも?



裏にはあらすじが。

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I THINK I MIGHT BE FALLING LOVE WITH YOU...
(だって、私、君のこと好きになりそう)

Yuu has always adored shoujo manga and yearns for the day when someone might give her a love confession that would send her heart aflutter.
(侑は少女漫画に憧れ、誰かに告白されてドキドキを感じる日を夢見ていた)

Yet when a junior high school classmate confess his feelings to her──she feels nothing.
(しかし中学の同級生に告白されたとき、侑は何も感じなかった)

Disappointed and confused, Yuu enters high school, where she sees the confident and beautiful student council member Nanami.
(失望と困惑の中、侑は高校に入学。そこで侑は、美しくて自信に溢れた生徒会メンバー、七海と出会う)

When next person to confess to Yuu is Nanami herself, has her romantic dream finally come true?
(七海が侑に告白したとき、侑のロマンティックな夢がついに現実になる?)


日本語版の単行本や公式サイトの紹介文とは別の、独自の文章になっています。第1話冒頭のモノローグで少女漫画や恋愛への憧れが言及されているので、そのあたりをあらすじ紹介に盛り込んだ感じですね。



では、さっそく中身を読んでいきます。


1. I Cannot Reach the Stars(第1話 私は星に届かない)


高校生になった侑は、誰のことも「特別」と感じられないという悩みを抱えていました。作品の第一声は、そんな侑のモノローグ。

「少女漫画やラブソングの言葉は キラキラしてて 眩しくて 意味なら辞書を引かなくてもわかるけど わたしのものになってはくれない」

英語版では、以下のように訳されています。

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The words in shoujo manga and love songs... They're always sparkling brightly.
(少女漫画やラブソングの言葉は キラキラしてて 眩しくて)

I don't need a dictionary to understand the meaning... But I've never felt them for myself
(意味なら辞書を引かなくてもわかるけど 自分自身で感じたことはない)

おおむね日本語版に忠実な英訳ですが、最後の「わたしのものになってはくれない」が"I've never felt them for myself"(自分自身で感じたことはない)となっています。

日本語版のやや抽象的で詩的な言い回しを、わかりやすく具体化した印象です。このような傾向は今回の英語版全般に渡って見られます。このあたりは翻訳者さんの解釈も入ってくるので、読んでいて楽しい部分です。


student council

ある日、先生から生徒会の手伝いを頼まれた侑。生徒会室へ向かう途中、侑は美しい上級生と出会います。誰かから告白されていたようです。彼女は、侑を生徒会室まで連れてきてくれました。

「私は生徒会の七海燈子。よろしくね」

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"I'm Nanami Touko, a student council member. Nice to meet you."

student councilは生徒会。

「よろしくね」はnice to meet you(はじめまして)になっています。英語には「よろしくね」に相当する言葉がないため、翻訳には初対面時の挨拶であるnice to meet youが当てられるのが定番です。

このように汎用の挨拶言葉で代用される似たような例として、他に「お疲れ様」「いただきます」「ごちそうさま」などがあります。



heart pounds

しばらくの間、侑は生徒会に手伝いに通うことになりました。そこで侑は、燈子がこれまでに何人からも告白されているけど全て断っていることを知ります。

「だって今まで好きって言われて どきどきしたことないもの」

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Although they all say they like me... None of their confessions have made my heart pound.
(みんな私を好きって言ってくれたけど どの告白にもどきどきしなかった)

ほぼ日本語版通りですが、やや具体的な言い回しになっている感じがしますね。

英語的に注目なのは、「どきどき」がheart(心臓、心)の動きで表現されていること。今回の場合、heart(心臓)がpound(高鳴る)という表現になっています。

他によく見る「どきどき」の言い換えとしては、my heart throbs(心臓が鼓動する)、my heart beats fast(心臓の鼓動が速くなる)などがあります。この本のあらすじではheart aflutter(心臓が動悸する)という表現が使われていましたね。

英語では日本語ほど擬音が多くない(というか日本語が多すぎる)ため、英訳の際にはこのようにさまざまな言い換えがされます。英語版を楽しむ際に注目したいポイントの1つです。



special

ひょっとして燈子も、自分と同じ悩みを抱えているのかもしれない──。そう考えた侑は、思い切って燈子に相談をします。中学の同級生に告白されたけど、どう答えるべきか迷っていること。そして、そもそも誰のことも「特別」と思えないこと。

「でも私には 特別って気持ちがわからないんです」

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But I... I don't understand. I've met anyone who's felt "special" to me.
(でも私… わからないんです。『特別』と感じられる人と出会えたことがないんです)

ここも日本語版よりちょっと具体化されている感じです。「特別」は作品全体を通してキーワードになっているので、最初のうちに具体的なイメージを読者に持たせようという意図があるのかもしれません。



falling in love with you

燈子は、侑のそんな葛藤を否定しませんでした。燈子自身にも覚えがある感情のようです。燈子は、ありのままの侑を肯定します。

「君はそのままでいいんだよ」

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There's nothing wrong with the way how you feel.
(君がそう感じるのは、おかしいことなんかじゃないよ)

nothing wrong with〜は、「〜には問題がない」という意味。the way how you feel(君の感じ方)は何の問題もない、だからそのままで良いということですね。意図することは日本語版と同じですが、視点がちょっと変わって新鮮な印象になっています。「君」全体の中から「感じ方」に絞って言及しているという点では、これも具体化の一種でしょうか。




侑の言葉で勇気づけられた侑は、少し自信が持てました。例の同級生からの告白もはっきりと断ります。

安心した侑でしたが、その手を燈子が突然握りしめます。驚く侑に、燈子は思わぬ言葉を告げます。


「だって私 君のこと好きになりそう」

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I think I might be falling in love with you.

fall in love with〜は、「〜に恋をする」という意味。

英文法的には現在進行形になっているのがポイントです。現在進行形を使うことで、今まさにその過程の途中だということ、あるいはごく近い将来にそうなるだろうという予想が表現できます。



「この人が何を言っているのか わからない」
I don't understand... What is she saying?

そんな侑の困惑とともに、第1話は終わっています。



というわけで、とりあえず第1話を英語的な視点から紹介しました。

基本的に日本語版に忠実な翻訳です。元々の意味を大切にしつつ、英語として不自然にならないような配慮がされています。「やがて君になる」の魅力を十分に表現できている翻訳だと面ます。

意味は同じだけど言い回しが少し変わっている部分もときどきあって、新鮮な印象を与えてくれます。日本語版でやや抽象的・象徴的だった表現が、英語化にあたって具体的なイメージを与えられているあたりに注目です。特に日本語版のPVで使われていた台詞たちは、英語版と比べてみると楽しいポイントだと思います。



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洋書扱いですがAmazonで日本からも買えるので、英語に興味がある人であれば是非おすすめです。



なお、英語の学習目的であれば日本語版と並行して読むのをおすすめします。「英語→日本語」あるいは「日本語→英語」と交互に比べることで、2つの言語を瞬時に変換する能力が身に付くためです。英語だけ読むと正しい意味がわからなくても放置されがちだというのもあります。

英語版と並行して読む場合は、閲覧しやすい電子書籍版がおすすめです。

  
  
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2017年01月07日

「ひだまりスケッチ」第9巻(蒼樹うめ)

昨年末に紹介しきれなかった作品をいまさら取り上げるシリーズ。

今回は、蒼樹うめさんの「ひだまりスケッチ」9巻です。11月26日発売でした。



思えば息の長い作品です。1巻目が出たのが2005年なので、ゆの達はもう12年くらい高校生をしていることになるのでしょうか……。でも作中なりのペースでしっかり時間は流れています。

この前の第8巻では、沙英とヒロの卒業が描かれました。原作開始当初からのレギュラーだった2人の卒業は、かなり大きな変化です。そして作中時系列は3年目に入り、ゆの達は3年生に。新1年生として、茉里(まつり)という女の子がひだまり荘に入ったりもしました。

参考記事:「ひだまりスケッチ」第8巻(蒼樹うめ)


今回の第9巻では、ゆの達が進路を真剣に考えるシーンが増え始めます。このへんはさすが3年生。でもまだまだ緊迫感は薄めで、修学旅行のような楽しいイベントも描かれています。


修学旅行

修学旅行編は準備含めてかなりのボリュームがあり、この巻のだいたい3割くらいを締めています。関西の有名観光地を多数巡るので、旅行好きな人は楽しめるはず。

ちなみにゆの班のメンバーは、宮子、真実、中山。ひだまり荘メンバー以外はこれまであまり目立った活躍がなかったので新鮮かも。

特に中山は修学旅行以後のエピソードでもちょくちょく存在感を発揮するようになっています。ちょっと恥ずかしがり屋な性格で、見ようによってはちょっと百合っぽい……?

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夏目、沙英、ヒロ

沙英に片思い(?)しており、作中屈指の百合担当キャラだった夏目。現在はヒロと同じ美大に通っているようです。意外にも2人は仲良くなっており、「ヒロちゃん」と呼ぶ間柄。

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どうやら、沙英のためにヒロをさりげなく守ってくれているようです。大学見学に来たゆの達を案内してくれたり、実は良い人らしいことが描かれています。


茉里

新1年生、茉里。前巻では先輩達にたびたび過剰なスキンシップを迫り、百合的な期待を持たせてくれました。

今回は肉体面だけでなく、精神的に先輩たちにグイグイ行く描写が増えています。特に乃莉に対してやけに馴れ馴れしい感じ。乃莉も1年生の頃けっこう図太かった気がしますが、乃莉はもっとです。

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乃莉となずなにとっては初めての後輩ということで、2人の新たな側面も引き出してくれそうです。



ゆるやかな時間の中でも、人間関係や環境がちょっとずつ変化しています。ゆの達の高校生活最後の1年でどんなことが起きるのか、これからも見守っていきたい感じです。



【電子書籍版】


 
posted by trinder at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする