2017年03月21日

Kase-San and Morning Glories (英語版「あさがおと加瀬さん。」)

前回の「きんいろモザイク」に続いて、日本の漫画の英語版を紹介します。今回は、Kase-San and Morning Glories (英語版「あさがおと加瀬さん。」)です。



「あさがおと加瀬さん。」は、現在も続く「加瀬さん」シリーズ第1作。日本語版は2013年発売でした。待望の英語版は、今年の2月28日発売です。


各エピソードは「第〇話」という数え方にはなっておらず、毎回"Kase-san and ..."(〇〇と加瀬さん)という形式の異なったタイトルになっています。これは、掲載誌であった「ひらり、」が読み切りオンリーの百合アンソロジーという体裁を取っていたことに由来するようです。


Kase-san and Morning Glories(あさがおと加瀬さん。)

花を育てるのが趣味の大人しい女の子・山田は、ある日、陸上部のスターである加瀬さんから声をかけられます。加瀬さんはたまに部活の合間に、花壇の朝顔に水をあげていたようです。これをきっかけに、山田と加瀬さんはちょっと仲良くなります。ですが山田は、加瀬さんをなぜか単なる友達以上の存在として意識してしまい……?

山田「どうか加瀬さんが…… わたしのことを好きでありますように……!」

英語版では、以下のような感じ。

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Yamada: I just want Kase-san... to like me... somehow!

※want 人 to 〜:人に〜してほしい  somehow:なんとか、どうにかして



でも実は加瀬さんの方も、実は山田のことが気になっていたようです。

加瀬さん「私…… 山田と夏休みも会えるといいな……っていうか──」

Kase-san: I guess, I mean, It'd be pretty cool if we could meet over summer break, you know...

※summer break:夏休み



これを聞いた山田は思わずうれし泣き。最後は山田のモノローグで締められます。

「夏休みも 毎日来よう あさがおと加瀬さんに会いに──」

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Even over summer break... I'll come every day. To see Kase-san and morning glories.

※morning glory:あさがお



Kase-san and the Bicycle(自転車と加瀬さん。)

加瀬さんとちょっと仲良くなり、一緒に帰るようになった山田。ですが山田はバス通学で、加瀬さんは自転車。なので一緒なのは途中までです。ある日、山田は思い切って自転車の後ろに乗せてくれるよう頼んでみます。

山田「ちょっとくらいうしろに乗せてくれたって──」

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Yamada: I mean, at least let me ride behind you a little bit...!

※let:〜させてあげる  a little bit:少し



Kase-san and the Love Song(ラブソングと加瀬さん。)

歌にまつわるお話。山田が好きな曲を加瀬さんも聞き、気に入ります。

加瀬さん「なぁにコレ?いい曲!かわいい。山田が歌ってるみたい」

Kase-san: What is this? It's a good song! cute. It's like you're singing, Yamada.


後半ではカラオケのシーンがあり、山田(とたぶん加瀬さんも)かなりの音痴らしいことが判明します。



Kase-san and Sneakers(スニーカーと加瀬さん。)

校内のマラソン大会が近づくある日。加瀬さんの勧めでマラソン用のシューズを買うことになった山田は、一緒に買い物に行くことに。


加瀬さんが山田を意識したきっかけが、ちょっとだけ明らかになったりもします。加瀬さんは、学校の植物の世話を一人でしている山田のことを密かに見ていたようです。

加瀬さん「私たちは部で大会に出て記録が残るけど、あんなのは誰にも見られないし、褒められもしないのに── 山田はすごなと思ったよ私」

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Kase-san: On the track team, we go to tournaments, we leave the records. But what you do... no one's watching... or giving you high-fives, or anything. I really do think you're amazing, Yamada.

※track team:陸上部  high-five:祝福



加瀬さんが選んでくれたシューズを履いて、山田もやる気十分です。

「がんばろうマラソン 絶対がんばろう 加瀬さんが選んでくれた このシューズを履いて──……」

I'm going to try my hardest in the marathon. Definitely. And I'm going to wear these shoes... Kase-san picked out for me.



Kase-san and the Spring Breez(春風と加瀬さん。)


いよいよマラソン大会。あんなにやる気満々だった山田ですが、本番ではアクシデントにより保健室に。山田は、保健室から加瀬さんにエールを送ります。


山田「加瀬さん!がんばってーーーッ!!」

Yamada: Kase-san! You can do it!


山田の応援のおかげで(?)、加瀬さんは無事に1位を取れました。加瀬さんは事前に、もし1位を取れたら山田にお願いを1つ聞いてもらえるという約束をしていました。そしてその内容は……

加瀬さん「つきあって。よかったら、私とつきあってくれる…?」

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Kase-san: Go out with me. If it's OK with you... Will you go out with me...?

※go out with〜:〜とつきあう、交際する


山田は驚きますが、山田が最近加瀬さんに抱いていたモヤモヤした感情もまた、恋に違いないものでした。こうして、2人はお付き合いを始めることになります。


山田のモノローグで、第1巻「あさがおと加瀬さん。」は幕を下ろします。

「初めてのキスは保健室── 春風の吹く3学期の半ば、マラソン大会の日でした──」

My first kiss was in the nurse's office. In the middle of the third semester, with the spring breeze blowing. It was the day of marathon.

※breeze:微風、そよ風



Kase-San and Morning Glories (英語版「あさがおと加瀬さん。」)の内容を簡単に紹介してみました。

全体的に非常に素直な翻訳となっており、日本語版の魅力をしっかり表現できていると思います。思い切った意訳などは控えめの、安心して読める英訳です。憧れ、友情、愛情へとステップアップしていく感情が、わかりやすい英文で表現されています。

百合漫画の王道的な表現が多いので、これを読んでおけば他の作品にも応用が効きそうです。英語の百合漫画の入門書として良い感じの1冊となっています。


posted by trinder at 06:28| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする