2011年10月31日

メガミマガジン リリィ

新創刊の雑誌「メガミマガジン リリィ」を読んでみました。学研が出している美少女アニメ雑誌「メガミマガジン」の百合版といった内容です。

メガミマガジン リリィ 2011年 12月号 [雑誌]

表紙はなんと「ゆるゆり」。百合アニメがいろいろある中で、百合姫出身のこの作品が第1号の表紙を飾ったのはなかなか感慨深いです。

表紙だけでなく、「ゆるゆり」の特集にはかなり力が入っていて、巻頭で30ページほど使って大きく扱われています。

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レギュラーキャラを1人1ページ使ってじっくり紹介したり、カップリングごとのみどころや名シーンも細かく紹介されています。こちらはネタを交えつつもなかなか上手くまとめてあって、読んでいて面白いです。あとアニメの監督の太田雅彦さんや、原作のなもりさん・・・じゃなくてなぜか百合姫の編集長さんのインタビューもあります。


続いて、「咲-Saki-」の特集。6ページほどで「ゆるゆり」よりは少ないですが、こちらもなかなか力が入っています。

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咲と和の馴れ初めの紹介から始まって、アニメ第1期に登場した百合っぽい組み合わせはほぼ網羅されています。ゆみと桃子あたりは基本ですが、美穂子と久の因縁のような細かいところにもちゃんと触れています。


続いて「ストライクウィッチーズ」。こちらも6ページほどの紹介です。

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芳佳とリーネ、エイラとサーニャ、ペリーヌと坂本少佐といった、わかりやすいところは当然紹介。それだけでなく、一瞬だけ百合っぽかった組み合わせや、1回しか出てこなかったキャラなどについても触れており、よく見てるなぁと感心します。

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こんなシーンを持ってくるとはなかなかの上級者ですね。


あとは「たまゆら」「マケン姫っ!」もかなりの数ページを割いて紹介されています。このへんはスタッフさんへのインタビューがある関係でページを割いている感じもしますが。


中盤あたりには「百合ならおまかせユリペディア」という企画があり、やや想像力が必要な作品や、百合っぽい脇役がいる程度の作品はこちらでまとめて紹介されています。「侵略!イカ娘」や「とある科学の超電磁砲」はここでの紹介になります。


後半は「少女達の輝かしき友情」という特集になっています。

「魔法少女まどか☆マギカ」はこちらのコーナーでの紹介です。人気的にこの作品はかなりのページを割いて特集されるのではないかと思っていたのですが、全8ページなので「マケン姫っ!」と同じくらいの扱いですね。

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最初にほむらとまどかが添い寝している良い感じのイラストが入っていますが・・・アニメにこんなシーンはなかった・・・のはいいとしても、そもそもこんなことしている関係に思えないので微妙に違和感も?

記事の内容もストーリーの紹介に終始している感じで、他の作品の紹介とやや雰囲気の異なるものになっています。一応、ほむらとまどか、さやかと杏子といったキャラクターどうしの絆という観点から紹介しようという努力は伺えますが・・・。


あとは、「魔法少女リリカルなのは」「Aチャンネル」「ひだまりスケッチ」等が友情もののカテゴリーで紹介されています。個人的になのはとフェイトは第3期くらいになると恋人どうしにしか見えなかったのですが、そう明言されているわけではないので友情扱いなのでしょうか。ストライクウィッチーズや咲あたりとそこまで違うとも思えないのですが・・・。


最後には、過去の名作を紹介する「百合アニメの殿堂」というコーナーがあります。が、ここで取り上げられているのはなぜか「シムーン」のみ。べつにシムーンがいけないわけではないのですが、こういう百合かどうか議論の分かれる作品よりも、もっとわかりやすい百合でかつ知名度のあるを紹介したほうが良かったような気がします。

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↑というかこの人、男なんですけど・・・。

ちょっと古い作品でも紹介していいのなら、同じ年の「ストロベリー・パニック」とか、もっと遡っていいなら「神無月の巫女」とかいろいろあったと思うのですが。


というわけで、今回が第1号となるこの「メガミマガジン リリィ」。

全体的には、思った以上にちゃんとした出来だったと思います。少なくとも、単に女性キャラが多いだけのアニメを適当に百合と言い張っているようないい加減な内容ではありません。どの作品もちゃんと内容を見て理解したうえで書いているのが伝わってきます。

どこからどこまでが百合かというのは難しいところだとは思いますが、この本ではどの作品についてもどのあたりがどう百合っぽいのか具体的に解説しています。なので、共感するにしてもしないにしても、ちゃんと根拠がわかるので好感が持てます。個人的には、百合姫にときどき載ってる中途半端な百合アニメ特集とかよりはぜんぜん読める内容でした。

残念な点を挙げるとすれば、ごく最近(放送中〜せいぜい1年前くらい)の作品しか扱われていないことでしょうか。とはいえ、百合アニメのすべてをまとめた本とかではなく、あくまで雑誌なので、最近の作品しか載っていないのは仕方ないかもしれません。ちょっと古めの作品で唯一紹介されていたのが「シムーン」だったのはやっぱり謎ですが・・・。

あとちょっと意外な点は「けいおん!」がまったく扱われていないこと。ざっと確認した限り、カードゲームの広告にちょっと載っているくらいです。まあたしかに恋愛要素はないのですが、わざわざ友情のみを扱ったコーナーまであるのにそっちにも載せないのは、この雑誌的には「けいおん!」は友情系百合ですらないという判断なのでしょうか・・・。それとも何らかの権利関係でしょうか。まぁ、「けいおん!」は他の雑誌にいくらでも載っているので別に困りませんが。

それと値段はちょっと高めですね。内容が100ページもなく、付録とかがあるわけでもないのに1260円(税込)というのは雑誌としてはかなり高い部類ではないでしょうか。全ページカラーでちょっと厚めの良い紙を使っているので高くなってしまったのかもしれません。アニメ本編からの画像が非常に多いので、綺麗に見せたいから良い紙を使っているということなら一応理解できる・・・かも?


とはいえ全体的には非常に満足で、百合好きな人なら持っていて損はない内容だと思います。ざっと見る限り次号の予告等は載っていないようですが、これが好評であれば定期的に発行されるかもしれないので、楽しみにしたいです。
 


posted by trinder at 14:28 | Comment(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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