2012年05月26日

百合アンソロジー「dolce」

エンターブレインから発行された百合アンソロジー「dolce(ドルチェ)」を読みました。

参加している作家陣はなかなか豪華で、百合姫やつぼみでよく見る方も何人か入っています。

まず表紙はなもりさん。

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こちらはとらのあなの特典カードのイラストにもなっています。ちなみに裏は小梅けいとさんです。

さらにカバーの下にもなもりさんのイラストが。

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イラストのみで漫画ではないのがちょっと残念です。

巻頭のカラーイラストコーナーはかなり充実していて、他にも、ひびき玲音さん、加茂さん、みずのもとさん、ソウマトウさん、八色さん、しらびさん、からのイラストが寄せられています。

マリみてでおなじみのひびき玲音さんも気になりますが、個人的には「きものなでしこ」の八色さんを百合姫以外で始めて見たのでちょっとびっくりです。

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こちらでも和風テイストのイラストを提供しています。


以下、収録されている漫画のうち特に印象に残ったものを紹介します。

百合星人
(真西まり)

宇宙好きの先輩の気を引くため、自分は宇宙人だという嘘をついてしまう残念な女の子のお話。しかも名乗ったのが「百合星人」。

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先輩はドン引きかと思いきや、実は先輩は本物の百合星人で、仲間を見つけたと喜んでくれるという驚愕の展開に。

百合星人ってあの人以外にもいたんですね・・・。
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最後は誤解も解けて、ちゃんと等身大のお付き合いを始めたようでよかったです。

風邪、その後に(水瀬るるう)

風邪をひいた幼馴染を看病するうちに、これまで隠していた友達以上の気持ちが抑え切れなくなっていく主人公。体を拭くシーンでは胸が普通に露出しており、このアンソロジーの中でもかなりセクシーです。最後は風邪をうつされて今度は自分が寝込んだ主人公が、逆に幼馴染に看病してもらうことになります。しかも幼馴染のほう実は主人公と同じ気持ちらしく、ハッピーエンドのようです。

ヒミツのトビラ
(ぴかち)

一見明るくて人気者のクラスメイトの秘密は、女の子が好きなこと。そんな人から好かれてしまった主人公が、彼女を受け入れるまでのお話。ストーリーは特にヒネリもなく、モノローグに頼りすぎな点なども気になりますが、注目はキスシーン。このアンソロジーの中でもかなりじっくり描いているほうです。

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いずみの選択(水本正)

こちらも幼馴染もので、のどかな田舎が舞台です。「究極の選択」と冗談めかした質問で、相手の気持ちを探ろうとする不器用な親友の姿が描かれています。本人達が自覚していないだけでおそらく両想いですし、基本的には微笑ましい作風なのですが、離れ離れになりつつも気持ちは通じ合ったままというラストはちょっと解釈に困るところ。

ワガママなセカイ(渡まかな)

コンビニで女の子どうしのキスをたまたま見てしまった真面目な主人公が、クラスメイトにその行為に関する疑問をぶつけるというちょっと変わった構成の作品。クラスメイトがなぜかやたら百合に理解があるため、むしろ主人公のほうが浮いています。コロコロ表情の変わったり突然言葉が荒くなったりする主人公が面白いです。最後は主人公もクラスメイトに染められてしまったんでしょうか・・・?

嘘吐きシガレット(やまもとまも)

学校でこっそり喫煙するちょっと不良っぽい女の子と、神出鬼没に彼女を追い回す風紀委員の先輩。喫煙していたかを確かめるためにキスをする先輩がとても積極的。不良のほうもキスの味を意識してしまったのか、喫煙をやめたようで結果的には一件落着?

The pace of two(MATSUDA98)

なんか多い気がする幼馴染もの。友情と恋の境界や、相手とちょっと仲良さげな人への嫉妬、「好き」の意味の違い・・・などなど、百合漫画の基本が手堅く押さえられています。これでもかとばかりに王道ですが、可愛らしい絵もあって微笑ましい作品です。


というわけで、エンターブレインの百合アンソロジー「dolce」です。

新創刊かと思いきや、作家コメントによると改名してのリニューアルだそうです。巻末のほうに「amaro」というのが「原点」として紹介されているので、これが前身でしょうか。

ちなみにこの作家コメント、それぞれ半ページずつ使ってイラストとメッセージを載せているのでなかなか読み応えがあります。他の雑誌だと作家コメントは文章だけだったり、そもそもどこに載っているのかわからなかったりしますが、コメントコーナーがちょっと豪華だとうれしいですね。

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さて内容ですが、dolce(甘い、甘美な)のタイトルどおり女の子のイチャイチャ多めの明るい内容になっています。基本的にどれもハッピーエンドで、暗い話はほとんどありません。特殊な世界観や複雑な設定を持った話も無いので読みやすいです。

多くの作品はストーリーもいたってシンプルで、親友と恋人の境界など百合漫画の定番ともいえるテーマを扱った作品が多いように感じました。とはいえ既存の作品の単なる二番茶煎じというわけではなく、それぞれ独自の味付けができていると思います。王道の展開で安心して読めるけど、それぞれちゃんと個性がある、そんな気持ちよく読める百合アンソロジーだったのではないでしょうか。

百合アンソロジー dolce (マジキューコミックス)



posted by trinder at 21:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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