先月発売の「けいおん! college」が唯たちの大学生活を描いていたのに対し、この「けいおん! highschool」では高校3年生となった梓たちが描かれています。

新部長・梓
現在の軽音部の部長は梓で、ほぼ主人公のような扱いです。これまでは後輩キャラのイメージが強かった梓ですが、今回は3年生にして部長ということで、先輩としての側面が描かれています。
ちなみに、歌が下手だったという衝撃の事実が発覚しています。


憂&純
友達の憂と純もいつの間にか軽音部に入部していたようで、第1話からレギュラーとなっています。
憂はお姉ちゃん大好きなキャラでしたが、今回は唯がほとんど出てこないのでそのへんはちょっと控えめ。ただ、髪型を変えて得意の唯のモノマネをするシーンがあったり。

あと純は・・・強いて言うならおふざけ担当で律ポジションでしょうか。彼氏がいる・・・と思ったら違ったというエピソードがあるのもある意味律っぽい感じ。
梓・憂・純を合わせて3人ですが、実はこれでは部活動として認められる人数に足りないようです。。というわけで、新入部員として2人の新キャラクターが登場します。

右が斉藤菫、左が奥田直。どちらも1年生です。
スミーレ
菫はなんと紬の家に仕えるメイドさんです。軽音部の部室に置きっぱなしだった紬の私物のティーセットを回収しに来たところ、梓たちにつかまってしまいそのまま軽音部に入部することになります。メイドというだけあって軽音部でもお茶を入れたりとみんなのお世話係です。

漫画だと色の問題でわかりづらいですが、オーストリア人とのこと。名前が思いっきり日本人なのは、紬の一族が昔菫の一族を日本に連れてきて改名させたとかなんとか。
菫は紬の家に住みこみで働くメイドであると同時に、小さい頃から紬の遊び相手でもありました。そのため昔から紬のことを「お姉ちゃん」と呼んでいます。現在は人前では「お嬢様」と呼ぶようにしていますが、興奮するとたまに外でも「お姉ちゃん」と言ってしまう模様。
なお菫は庶民の文化に憧れる紬に頼まれてよく漫画を買ってきていたようです。

紬がときどき変な方向の妄想をしているのはこれの影響だったのでしょうか・・・?この頃から女の子どうしの恋愛に興味があったようですね。
奥田さん
もう1人の新入部員の奥田さんは、見た感じ真面目な堅物系キャラ・・・かと思いきや非常にマイペースで不思議な行動が多いです。無表情のままおかしなことをしているシュールな光景が印象に残ります。
ちなみに楽器を弾けないため、軽音部でのポジションは作詞作曲のみという斬新な立ち位置です。

あと機械とか強いみたいなのでその方面でもいろいろ役にたってるっぽい・・・?
わかばガールズ
唯たちの卒業によって主要メンバーがごっそり抜けたため、バンドの構成もほとんど総入れ替えとなっています。それぞれの担当パートを1人ずつ決めていく様子は意外とじっくり描かれており、これまでの「けいおん!」本編と比べてもかなり音楽ものっぽいことをしている気がします。
そのわりに肝心のボーカルを何ヶ月も決めないままにしていたりといい加減なところもありますが、それもまたこの作品らしいところかもしれません。結局ボーカルはどういわけか序盤で音痴と断言されていた梓が担当することになるのですが、特訓の甲斐あって以前よりは上手くなっていた・・・らしいです。
ちなみにバンド名はさわ子先生の思いつきにより「わかばガールズ」に。初心者が多いから・・・?
百合的には・・・
「けいおん!」本編と同じくメインキャラが全員女の子のため、全編を通して軽いイチャイチャ感に溢れています。梓が先輩として後輩2人とコミュニケーションを取ろうとした結果、けっきょく唯のようなスキンシップ過剰なキャラになっていくのが個人的にはちょっと面白かったです。

新キャラに関しては特に注目は菫。紬に仕えるメイドで、しかも2人きりの時にだけ「お姉ちゃん」と呼んでいるという設定は百合的にかなりおいしい感じ。ただ、本当にその設定が語られるのみで終わっており、それ以上の展開がないのはちょっと惜しいところでした。紬本人が全然出てこないのでしょうがない面もありますが、ここはもうちょっと掘り下げてみてほしかったです。
もう1人の新キャラである奥田さんのほうはそれほど百合っぽい描写はありませんが、同じ1年生の菫とちょっとずく仲良くなっていく様子など、微笑ましい友情レベルの描写はいくつか見ることができます。
ちなみに「とっさに手を取る(取られる)」という百合漫画ではある意味定番のシーンが2回ほどあったりします。

ここではべつに恋愛的な意味ではないのですが、相手の手を取って引っ張っていくという行為は相手との距離がいっきに縮まったことを表現する効果的な描写なのかもしれませんね。
というわけで「けいおん! highschool 」でした。
後輩キャラのイメージが強かった梓も3年生となり、部長として・先輩として奮闘する姿が印象的でした。これまでは唯たちに(愛情の裏返し的な)不満を言ったり突っ込んだりしていればよかった梓ですが、自分が責任ある立場になったことで、今まで気づかなかったことに色々と気づかされたようです。部の方針について色々悩んだりもしていますが、初心者ばかりの軽音部を立派に引っ張っていきます。
「けいおん! college」との住み分けなのかこちらでは唯たちが全く登場せず、成長した梓との顔合わせが無いのはちょっと残念ですが、きっと唯たちも梓たちの成長を喜んでくれることでしょう。
クライマックスは学園祭のライブとなっており、放課後ティータイムに負けない良いバンドとさわ子先生に評価されるまでになっています。梓たち3年生はとりあえずこれで引退ということで、最後は1年生の菫と奥田さんが梓たちに感謝の言葉を述べるシーンで締められています。

「けいおん!」本編の後日談にとどまらない梓の成長の物語として、ファンなら楽しめる内容だったのではないでしょうか。
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