2013年02月12日

星川銀座四丁目 第3巻 玄鉄絢

玄鉄絢さんの「星川銀座四丁目」第3巻を読みました。今回が最終巻です。

星川銀座四丁目 (3) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

本屋と日名さん

お話は、湊先生と乙女が本屋の2階の部屋に引っ越すあたりからスタートです。乙女は下の本屋でバイトしている日名さんという女の子と仲良くなるのですが、この日名さんが乙女のことが好きになってしまいます。日名さんはそのうち、乙女の部屋を盗聴したりとちょっと危ない方向に・・・。

やがて本屋の閉店により会う機会もなくなってしまうのですが、最後に日名さんは乙女に思い切って告白。しかし、乙女にはすでに湊先生がいます。これは多分日名さんも承知のうえでしょう。

そこで日名さんは、乙女の1人エッチを目撃したことをネタに乙女を脅迫(?)し、なんと裸の写真を撮ったり体を触ったりします。乙女に自分だけじゃ恥ずかしいからと頼まれて、途中からは日名さんまで裸になったりと、なんだかよくわからない展開に・・・。

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日名さんの失恋を描いた切ないシーン・・・なのかもしれませんが、そこはかとなくシュールな雰囲気も。

やがて湊先生が帰ってきたため、日名さんは慌てて部屋から出ていきました。こんな別れ方でしたが、意外にもお互いにあまり気にしていないようで、この後もけっこういい友達でいたっぽい2人でした。


別れ

後半は乙女の家庭の事情なども絡めたクライマックスに入ります。

乙女の母親が再婚することになり、この機に乙女のことも取り戻すことに。乙女と離れるのが嫌な湊先生は養子など色々な手段を考えますが、やはり乙女が連れ戻されるのは避けられそうにありません。

2人はついに、しばらくお別れすることを決心します。そして別れの前夜、初めて体を重ねる2人。

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乙女は、大人になったら必ずまた一緒になろうと約束して、湊先生の部屋から去って行ったのでした。

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最終話

最終話は「つぼみ」掲載時とは若干構成が変わっており、時系列ごとに「最終話Aパート(雑誌連載分前半)」「描きおろしパート」「最終話Bパート(雑誌連載分後半)」という形になっています。

Aパートは、乙女が去った少し後の湊先生視点。寂しさをこらえながらも、湊先生なりに前向きに生きている姿が描かれています。

そして注目はその後の描きおろし部分。数年後、大学合格を決めた乙女は、これまでまがりなりにも育ててくれた母親に感謝の言葉と別れを告げます。

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そして向かうは湊先生の部屋。2人は久しぶりの再会をともに喜びます。

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これからは一緒に暮らす湊先生と乙女は、ベッドの中でこれまでのこと、そしてこれからのことを語り合うのでした。

そして、最終話Bパート。こちらはさらに数年後で、25歳になった乙女が建築士として独立するシーンから始まり、湊先生と一緒に2人の部屋に帰るまでのお話。部屋には、2人が籍を入れたことを示す表札が掲げられています。

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様々な障害と年月を乗り越えてついに結ばれた2人は、これからもきっと一緒に幸せな毎日を過ごしていくのでしょう。


「つぼみ」掲載作品の中では、初期から末期まで掲載され長期連載となった「星川銀座四丁目」。今回の3巻目でついに完結となります。

この巻で注目なのは、成長した乙女と湊先生の数年ぶりの再会シーンが描き下ろされていることです。雑誌連載分ではなぜか再会シーンが描かれず、最終話では再会からさらに数年後の幸せな2人の姿が描かれるにとどまっていました。このあたりは非常に物足りなかったので、今回最終話の中盤に再会シーンが入ったことでやっとしっくり来た感じがします。時系列的にも、途中の話が入ったことで急に時間が進んだように見えた雑誌掲載時よりわかりやすい作りになっています。

また、今回の巻末には先生の姪っ子が星川にやってくる番外編「マイファースト星川」も収録されています。こちらは本編の連載がいったん終わった後の「つぼみ」に載っていた作品です。


作品全体を振り返って

完結編を読むにあたって最初のほうも軽く読み返してみたのですが、後半で重要になってくる要素がわりと序盤から示唆されていて、(当然ですが)ちゃんと考えて話を作っていたことに気づかされました。湊先生の元カレとの過去とか、湊先生の実家が建築士だとか、湊先生の最終目標は乙女と籍を入れることだとか、序盤から提示されていたそのへんの話はこの最終巻でちゃんと活かされています。

にも関わらず個人的には行き当たりばったりな展開のイメージがあったのですが、そのあたりは掲載誌である「つぼみ」が隔月刊(初期は季刊)なためにストーリーものの長期連載にはやや不向きだったせいもあるかもしれません。単に私の記憶力が悪くて過去の話の細かい点を忘れてしまっているだけとも言えますが。


先生と教え子の年の差恋愛でしかも女同士という一見突き抜けた設定ながらも、要所要所で生活感や現実的な話を入れてリアリティを出している、そんな不思議な雰囲気を持った作品だったと思います。「しまいずむ」とともに「つぼみ」を初期から支え続けた存在だったのではないでしょうか。

星川銀座四丁目 (3) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)星川銀座四丁目 (3) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)
玄鉄 絢

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メロンブックス特典は描きおろしイラストカード。
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posted by trinder at 22:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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