2013年04月26日

「ゆりキャン 〜ゆりかのキャンパスライフ〜」第5巻 (原田重光・瀬口たかひろ)

「ゆりキャン 〜ゆりかのキャンパスライフ〜」第5巻 (原作:原田重光、作画:瀬口たかひろ)を読みました。今回で完結となっています。

内容に入る前に注目は、表紙イラスト。

1巻〜4巻はゆりか1人だけが描かれていたのですが・・・

ゆりキャン 1 (ジェッツコミックス) ゆりキャン 2 (ジェッツコミックス) ゆりキャン 3 (ジェッツコミックス) ゆりキャン 4 (ジェッツコミックス)

完結編である第5巻では・・・

ゆりキャン 5 (ジェッツコミックス)

ゆりかの幼馴染・親友である沙織が一緒に描かれています。これの意味するところは・・・?


ゆりか様事件・解決編

まずは前巻の続きのエピソード。自分の母校である女子高に教育実習生として赴任したゆりかですが、そこではかつての自分が百合の女神「ゆりか様」という伝説として語り継がれていました。しかも、ある生徒が自分を「ゆりか様」の化身だと思い込み、取り巻きの女の子達とともに学校に立てこもってしまい・・・といったところからこの巻はスタートです。

ゆりかは学校に乗り込み、自分こそが真のゆりかであることを明かします。そして本物のオーラで瞬く間に女の子達を虜にし、さらには「ゆりか様」の化身を名乗っていた女の子の心の奥の寂しさを見抜きます。

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その心の隙間を埋めてあげるように、熱いくちづけをするゆりか。

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本物に触れたことで、「ゆりか様」を名乗っていたその子も、ついに呪縛から解き放たれ、ありのままの自分に戻ることができました。こうして一連の「ゆりか様」騒動は解決を見たのでした。


・・・というわけで前巻後半から続いたわりに意外なほどあっさりと解決の「ゆりか様」編(仮)でした。ゆりかが母校で神格化され、像まで作られている設定はぶっとんでいて非常に面白かったです。普段は冴えない先生なゆりかがここぞという時に百合パワーを発動して事件を解決していく展開も面白く、いっそこのまま学園ものにしてしまうのもアリなのでは思ったほどでした。


ゴーストバスター茜

「ゆりか様」編のアフターストーリー的な小話を挟みつつ、続いて女ながらに「女たらし」な少女・茜がメインのエピソード。

茜は好みの女性が心霊現象で悩んでいるのを知り、霊能力者を名乗って取り入ろうとするのですが・・・。そこでなんと本物の幽霊に遭遇。ビビる茜でしたが、その幽霊も自分好みの美女だったのを見て、持ち前のテクニックで「逝かせて」しまうという荒業を披露します。

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結果的にその幽霊は成仏して女性からも感謝されて、一件落着?

実は茜にまとまった出番があるのはこのエピソードが最後です。ゆりかには一歩劣る腕前とはいえ、また違った趣向の「女たらし」の才能を持った面白いキャラだったと思います。


ラスト・ダンス

そしてこの巻の後半はいよいよクライマックスです。

ゆりかの幼馴染・親友・そして自称本妻である沙織ですが、沙織の気も知らずあちこちの女に手を出しまくっているゆりかに対し、我慢の限界が近づきつつありました。ゆりかの気をひくためにイメチェンを図ったりもしますが、前髪がパッツンになって大失敗。しかもゆりかはそれに気づきすらしない始末。

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いい加減に愛想を尽かした沙織は、ゆりかに別れを告げ、両親から勧められていたお見合いパーティーへの参加を決意します。・・・ついでに、ゆりかも玉の輿狙いで勝手についてきます。

パーティー会場で、青年実業家の須藤から見初められる沙織。ゆりかのことをあきらめようとしている沙織としても、悪い気はしません。

しかし須藤には婚約者の楓という女性がいました。この楓もなかなかの曲者なのですが、ゆりかは彼女をコマすことで、須藤が女にだらしない酷い男だということを聞きだします。

ゆりかにとって、沙織はずっとそばにいてくれた親友・・・あるいはそれ以上の存在です。そんな沙織が悪い男の手に落ちるのを、黙って見過ごすわけにはいきません。こうして、沙織をめぐってゆりかの女「スケコマシ」としての最後の戦いが始まります。

金にものを言わせて強引に沙織に迫る須藤でしたが、ゆりかはあくまで愛の力で対抗。沙織に対し、普段のような単なる口説き文句ではない、本当の愛を告白します。

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そして皆の目の前で堂々と沙織の唇を奪うことで、沙織の心を開かせ、そして周囲を百合のオーラで包みます。

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その圧倒的に美しい光景の前に、その場にいたすべての女性、そして須藤までもがゆりかと沙織を心から祝福したのでした。


そして無事にキャンパスの寮に戻ったゆりかと沙織。ゆりかもついにスケコマシを引退し、すっかり沙織一筋。

・・・かと思いきや、パーティーで色々無茶をしたせいでまたしてもかなりの借金ができてしまったようです。それ以前にあちこちの女の子たちから借りたお金もまだ返していない模様。そんなわけで、ゆりかのスケコマシ生活、そして沙織の嫉妬に満ちた日々はまだまだ続くことになりそうです。

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というわけで、ついに完結の「ゆりキャン 〜ゆりかのキャンパスライフ〜」でした。

ゆりかの女「スケコマシ」っぷりは最後まで健在で、意味はよくわからないけど妙な勢いのある口説きテクで笑わせてくれました。最後はいかにもな悪役に愛の力で立ち向かうと言う王道展開で盛り上げてくれます。

自称ノンケでイケメンやお金持ちが大好きという設定なので最後どうなるか少し不安もありましたが、結局女以外には全くモテないままでした。最終的にはついに自分から沙織を愛するまでになり、百合的に完全にハッピーエンドといっていいと思います。

余談ですが、基本的にかなりエッチな作風で女の子の裸が普通に出てくる中、ゆりかと沙織のみ脱がないのは最終回まで取ってあるから・・・と勝手に予想していたのですが、特にそんなことはありませんでした。ゆりかと沙織のそういうシーンは最後までありません。とはいえ、これまで通りの騒がしい日常が続いていくという終わり方も嫌いではないので、これはこれでありかなと思いました。特別な行為のシーンを無理に入れなくても、2人がこれまで通り幸せに暮らせるならそれで十分だと思います。


沙織

個人的にとても絶賛したい点が、幼馴染・親友の沙織がついに報われたこと。

百合作品においては主人公にひそかに想いを寄せる親友というのは定番ですが、報われないことが多い気がします。それがお約束であり、近くにいるのに届かない切なさが親友キャラの魅力、だから結ばれてはいけない・・・という風潮すら感じます。最初から知り合いという関係上、ドラマチックな「出会い」シーンを描けないのでメインヒロインにしづらいという事情もあるかもしれません。

ですが個人的にはどうしても健気な親友キャラに感情移入し、応援したくなってしまいます。好きなキャラにはやっぱり報われてほしいです。嫉妬シーンを過剰にコミカルに描かれることが多くギャグキャラになりがちだった沙織ですが、最後にヒロインとしてゆりかと結ばれたのは非常にうれしいです。

過去の百合作品で散って行った多くの親友キャラの霊たちも草葉の陰から祝福してくれていることでしょう。

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ラベル:ゆりキャン
posted by trinder at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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