2013年05月15日

漫画版「新世界より」(貴志祐介・及川徹)第3巻まで

漫画「新世界より」第3巻(原作:貴志祐介、漫画:及川徹)を読みました。

新世界より(3) (講談社コミックス)

原作が有名小説で、アニメ化もされていますが、私は両方未見なので純粋に1つの漫画作品として楽しめています。


2巻までの百合的あらすじ

舞台は1000年後の日本のどこか、八丁標(はっちょうじめ。しめ縄みたいな物)によって外界から隔離された小さな町。「呪力」という一種の超能力が存在し、これを使えることが大人の証とされています。

主人公・早季たちは、学校の夏季キャンプの最中、大人たちから禁止されている外界へ冒険に出かけ、醜悪な姿をした怪物と遭遇。そこからさまざまな悲劇が始まっていきました。

基本ホラーですが恋愛要素もあり、主人公こそ女の子ですが主要メンバーには男もいます(むしろ男多め?)。そのため普通のボーイミーツガールな展開になっていくのかと思いきや、なんと第1巻の後半で早季が真理亜という女の子と恋愛関係だったことが発覚。

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キスはおろか、肉体関係まであったことが描かれました。

1巻はずっとこんな調子だったので、このまま百合展開になるのかと思いきや、第2巻では早季は瞬という少年と恋に落ちます。瞬が悲劇的な運命を背負ったヒロイン的ポジション(男ですが)なのもあって、第2巻はすっかり早季と瞬のラブストーリーです。

真理亜との関係がどうなったのか気になるところですが、なぜかほとんど触れられず、有耶無耶な扱いを受けていました。振るなら振るで、何かしら描写があればよかったのですが・・・。

この巻の真理亜はこんな扱いなのに、表紙では早季とイチャついていたり・・・

新世界より(2) (講談社コミックス)

巻末には百合っぽいイラストが載っていたりしました。

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これに限らずこの漫画のイメージイラストはその時のストーリーの内容に関係なく百合っぽいのばっかりです。作者の趣味なんでしょうか。


第3巻

2巻がそんな感じだったため、正直あまり期待していなかった第3巻。

早季が夏季キャンプから無事に帰って来たところから始まりますが、大人たちによって都合の悪い記憶を消されています。特に2巻の最後に消滅した瞬のことは最初から存在しなかったことになっています。

違和感を感じつつも以前どおりの平和な日常を送る早季ですが、注目は真理亜との関係が復活していることです。2人で夏祭りに行ったり、しかも途中で我慢できなくなって「秘密の場所」での逢瀬を始めたりします。

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これはこれで幸せな日常のようにも思えたのですが、記憶を改変された違和感は消し去ることができず、ある時早季たちは夏季キャンプでの出来事を思い出してしまいます。そして、今度こそ真相を知るべく、再び外界へと向かいます。

そこで早季たちは「ミノシロモドキ」と呼ばれる生物型の情報端末に接触。この世界の真実を知らされます。それは、2012年頃までは平和だった世界が、超能力の発見によって争いが起こり、最後には能力者同士の戦争によって世界が崩壊に至ったと言うものでした。

早季たちの町は、その争いの果てに生き残った能力者たちが作ったものであり、2度と争いが起きないように裏で様々な社会統制が行われていました。それらは基本的には人間の闘争本能を抑制するための措置で、遺伝子操作なども行われているらしいのですが、百合的に注目なのは同性愛が推奨されていること。

なんでもこれはボノボという動物の生態にヒントを得たシステムで、ボノボは同性で疑似的な性行為を行うことでストレスを緩和し、争いのない社会を作ることに成功しているのだとか。

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それを人間にも応用し、この世界では「精神が不安定な思春期の子供たちに同性間での性行為が推奨」されていたのです。百合的には実にすばらしい環境。個人的にはこの素晴らしい新世界を是非維持してほしいくらいなのですが、残念ながら(?)、大人によって人為的に作られた社会は主人公に否定されるのがフィクションの常。早季はこの歪んだ管理社会に異を唱えます。

また、真理亜は自分の早季に対する愛情が作られたものかもしれないと知り、おおいに動揺します。早季はそれでも真理亜が好きだと言ってくれますが、逆上した真理亜は早季に激しい言葉をぶつけてしまいます。

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町に戻ってからも気まずいままになってしまった早季と真理亜。そして真実を知りすぎた2人には、大人たちによって刺客が放たれ、危険が迫ります。

真理亜は自分がやはり早季を愛していることを自覚し、もう一度会いに行こうとしますが、怪物に襲われ絶体絶命に。クラスの仲間である守に助けられ事なきを得るものの、このままこの町に留まることはできないと判断し、やむなく外界へと逃げることになります。

その後、真理亜の身を案じて駆け付けた早季でしたが、そこには一通の手紙が残されていただけでした。

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「愛する早季へ」から始まるその手紙には、早季と仲直りできないまま別れることになった悲しみと、早季への愛がつづられていました。

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こうして真理亜を失ってしまった早季は悲しみにくれますが、町に残る人間として、自分にできることをしていこうと心に誓うのでした。


早季の少女時代はこれで一区切り。次巻からは十余年後の世界を舞台にした新展開が始まることが予告されています。


というわけで、2巻で大人しかった真理亜が3巻にしてヒロインに返り咲くという素晴らしい百合展開でした。社会全体で百合を応援(?)しているという壮大な舞台設定まで明かされ、かなりのインパクトをもたらしてくれます。

ただ、実は男もちょくちょく登場していて、早季は覚(さとる)、真理亜は守という少年と最終的に行動をともにしています。彼らはストーリー上ははっきり言って空気気味で、百合描写への力の入れようと比べても印象が薄いのですが、結果だけ見ると男とくっついたようにも見える終わり方です。けっきょくこの巻の最後で残った組み合わせのまま恋愛関係に発展したかはこの巻では定かではないので、あとは次巻からの新展開次第でしょうか。

ちなみに真理亜は一応守のことを好きではあるようですが、早季ほどではないとハッキリ言っています。

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2ページいっぱいのすごくいい笑顔。言われた守はどんな気分なのでしょうか。

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及川 徹 貴志 祐介

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posted by trinder at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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