2014年05月01日

百合アンソロジー「メバエ」vol.1

少年画報社から創刊されたビビッド百合アンソロジー「メバエ」を読んでみました。

メバエ 1―ビビッド百合アンソロジー (ヤングキングコミックス)

表紙は鳴子ハナハルさんのちょっと大人っぽいイラスト。巻頭のカラーページにははっとりみつるさんもイラストで参加しています。


この「メバエ」のコンセプトは、事前の告知によると「っちゃ可愛い女の子たちが んばんチュッチュする ろすも有りな、百合アンソロジー」。さらに表紙には「ビビッド百合アンソロジー」、帯には「もよおす百合マンガでました」といったフレーズが踊っています。

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これらの意味は、中身を読んでみればわかるかも・・・?


以下、特に印象に残った作品を紹介します。

ペルソナかれん(玄鉄絢)

屋上から自殺しようとしていたところを見ず知らずの女の子に止められた主人公は、どうせ死ぬのならとばかりに、ホテルに連れ込まれてしまいます。そしてそのままその子とエッチに突入。

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この女の子のおかげかはわかりませんが、主人公は自殺を思いとどまったようなので、結果的には良かったのかも・・・?

そして終盤の展開がすさまじく急ですが、タイトルの意味を含め残された謎は第2話以降で明かされていきそうです。


呪いのあおいちゃん(あらた伊里)

幼なじみの立夏と喧嘩してしまったあおいは、おせっかいな妖精さんによって仲直りの魔法(呪い?)をかけられ、なかば強制的に仲直りしないといけないことになります。

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冒頭部分でファンタジー系のちょっといい話かと思わせておいて、それをぶち壊すかのようなドタバタギャグ漫画です。「総合タワーリシチ」のあらた伊里さんの作品ということで、読者だった人にはちょっと懐かしいノリ。絵的には特にサービスシーンはありませんが、台詞には結構下ネタ気味なものがあったりします。

最後はこの後のオチと真相を予感させつつも、非常に気になるところで終わっています。是非続きが読んでみたい作品です。


プラクティス・プラス(ひげなむち)

「女たらし」として有名な宮ノ木先輩(もちろん女)に告白を決意したはるかは、親友の千秋に練習相手になってもらいます。しかし千秋は役に入り込むタイプだったため、先輩の行動を想定してはるかにかなり過激なことをし始めます。

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丸みを帯びた可愛らしい絵柄とは裏腹に、かなりエッチな内容。それでいて百合漫画としてのツボも押さえている「メバエ」らしい作品だと思います。


ちなみに漫画本編内では名前とイメージカットくらいしか出てこない宮ノ木先輩ですが、とらのあなでもらえる小冊子内の番外編ではなんとメインを張っています。

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女たらしではあるのですが「外面は清楚」らしく、結構可愛いです。この先輩メインのストーリーをもっと読んでみたい感じ。


亜熱帯HOTEL(FLOWERCHILD)

中学では親友だったのに、高校に進学して以降はなぜか仲が悪くなってしまったみすずと橘。冒頭で大きく描かれているこの2人が主人公かと思いきや、そのクラスメイトであるクレアの視点から描かれています。

みすずと橘の間に何かわだかまりがあるのを感じたクレアは、なんと2人を実家のラブホテルに押し込めるという強引な手段で仲直りをさせようとします。クレアは常識人・一般人ポジションかと思ったのですがこの子もこの子でかなりアレです。でも結果的には上手く行ったようなのでよかったのかも・・・?


なお、こちらもとらのあなの小冊子に番外編があり、仲直りした後らしきみすずと橘の微笑ましい日常が4コマで描かれています。みすずのツンデレっぷりが微笑ましいです。

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なんだかどこかで見たことがあるような、微笑ましい関係性のようです。


蒼い炎 薫る土(鳴子ハナハル)

天真爛漫な主人公と、陶芸一筋のクールな女の子の恋を描いています。陶芸という百合漫画としては珍しい素材を扱っていますが、きちんとストーリーに活かされており、爽やかな気持ちになれる作品です。

気づいた人も多いとは思いますが、実はこれは芳文社から発行されていた百合アンソロジー「つぼみ」Vol.16からの再録。

つぼみ VOL.16 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

そのためか、巻末の作者コメントに「創刊早々すみません」と書かれています。「2号目にもうちょっとエロいの載ります」とのことなので、期待大です。


この他、環望さんと小鳩ねねこさんの作品は少年画報社の「ヤングコミック」からの出張・スピンオフとなっています。連載本編のファンの方ならこちらも要チェックかも?



そんな感じの、少年画報社の百合アンソロジー「メバエ」。

事前の告知のとおり全体的にかなりエッチな漫画が多く、実質エッチシーンがメインの作品まであります。ですがどの作品も(ごく一部除いて)柔らかく可愛らしい絵柄で描かれており、ストーリー性もあるため、純粋に百合漫画としても十分に楽しめる出来です。エッチな要素はほぼ無しでストーリーに力を入れた作品もあるので、全体的にバランス良くまとまっているのではないでしょうか。


つぼみとの関係性

少なくない読者が感じたと思われるのが、この「メバエ」がかつて芳文社から発行されていた百合アンソロジー「つぼみ」のエッセンスを受け継いでいること。

「つぼみ」のレギュラー作家陣でいうと「総合タワーリシチ」のあらた伊里さん、「星川銀座四丁目」の玄鉄絢さんが参加しているほか、鳴子ハナハルさんやはっとりみつるさんもイラストや読み切り等でゲスト的に参加したことがありました。鳴子ハナハルさんの「蒼い炎 薫る土」に至ってはまんま「つぼみ」からの再録です。

「つぼみ」を発行していた芳文社は最近になって新しい百合アンソロジー「SAKURA」を発行していましたが、そちらよりも今回の「メバエ」のほうが「つぼみ」テイストを強く受け継いでいるという不思議な状態です。

「SAKURA」が全体的に奇抜な展開を控えた王道的でわかりやすい作風だったのと比べると、「メバエ」はアイデア勝負の一発ネタ的な作品もあり、このあたりも「つぼみ」のノリを彷彿とさせます。さながら、ちょっとエッチになった「つぼみ」といった雰囲気。

そんなわけで、新規ファンはもちろん、「つぼみ」読者だった方にもおすすめなアンソロジーとなっています。


vol.2は7月発売予定。表紙は引き続き鳴子ハナハルさんということで、こちらも期待大です。



◆メバエ公式Twitter
 
ラベル:メバエ
posted by trinder at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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