2014年08月29日

ビビッド百合アンソロジー「メバエ」vol.2

少年画報社のビビッド百合アンソロジー「メバエ」Vol.2を読みました。

「メバエ」は今年の4月末にVol.1が発売されたばかりの新しい百合アンソロジーです。かつて芳文社から出ていた百合アンソロジー「つぼみ」に続いて「ひらり、」も休刊していく中、新しい息吹として期待がかかっています。


表紙は鳴子ハナハルさん。

メバエ vol.2 (ヤングキングコミックス)

巻末コメントによると「人種を超えた百合もいいよね。サイズに差があるとなお良し」とのこと。表紙では片方の顔が隠れていますが、中のカラーページでは全体図を見ることができます。


以下、特に印象に残った掲載作品を紹介します。



ペルソナかれん(玄鉄絢)


第2話。第1話で主人公・よう子の自殺を思いとどまらせた女の子が、記憶を失った状態で現れます。

いろいろ謎はありますが今回はストーリーの進展は特になし。よう子が作った女の子だらけのNPO法人とそのメンバーの紹介が事実上のメインです。この設定とキャラ数を果たして今後どこまで活かせるかに注目。


ぽあんと つま先立ちのキセツ (長月みそか)


こちらも第2話。バレエ少女達の青春ストーリーです。

今のところ恋愛要素は必ずしも前面に出ておらず、バレエを物語の中心として非常に真面目かつシリアスに展開しています。こういうじっくり描く物語も面白いのですが、1話でエッチまで行くスピーディーな展開の作品が多い「メバエ」ではちょっと浮いているような気も?


ケンカするほど(あきのそら)

学校のトイレの個室に閉じ込められてしまった友人2人。口喧嘩して意地を張りあっているうちに、2人ともだんだんモジモジしてきて・・・。

帯にある「メバエ」のキャッチコピー「もよおす百合マンガ」をある意味一番忠実に実践している作品かもしれません。

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呪いのあおいちゃん(あらた伊里)

妖精さんの魔法によって強制的に仲直りさせられることになった、あおいと親友の立夏。前回の最後で立夏があおいに告白してハッピーエンドかと思ったのですが、続く今回は妖精さん達が色々でしゃばったせいで余計に状況が混乱しています。

キャラクター達の漫才というかマシンガントークで大半のシーンが構成されており、非常にやかましい作風です。ギャグとしては面白いものの、話の焦点が立夏とあおいの恋からずれて行かなければ良いのですが・・・。


イブのおくすり(FLOWERCHILD)

保健室の先生と生徒のお話。生徒の女の子のほうはブラをつけ始めたばかりということでかなり幼い感じですが、なんと先生とエッチシーンまであります。第1話となっているので続くようですが、いったいどこまでやる気なのでしょうか・・・?


初色わづらい (山吹ざらめ)

百合作品の王道、親友もの。美少女の涼子と平凡な女の子の結花という組み合わせですが、実は涼子のほうがより激しく結花に好意を持っているというのが少し新鮮かもしれません。「メバエ」らしくエッチなシーンを交えつつも、甘酸っぱく爽やかな物語に落ち着いています。


センパイとわたし (ぐんのうさ)

先輩・後輩もの。雑誌モデルの先輩後輩、ということらしいのですが冒頭部のナレーションは妙に意味深です。

「なんとなく立ち寄った本屋で先輩を『見つけた』。一目惚れって本当の本当にあるんだと思った。しばらくして先輩は『卒業』してしまったけれど私は先輩と同じ『世界』に入った。」

ちなみに、先輩の名前は「莟(つぼみ)」、後輩の名前は「萌(メバエ)」。



というわけで、まさかの「つぼみ × メバエ」もの・・・?

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巻末の作者コメントに「気づいた方はニヤリとしてくださいませ」とあるのはこういうことなのでしょうか。「メバエ」はVol.1の時点からかつての「つぼみ」を意識しているような部分が少なからずみられました。


五十鈴のカウンター(玄鉄絢)

最後のほうに、何の脈絡もなく玄鉄絢さんの過去作品「五十鈴のカウンター」が載っています。今回作品の背景について何の注釈もないようですが、実はこれは玄鉄絢さんの代表作「少女セクト」の後日談です。

少女セクト (メガストアコミックス)

「少女セクト」は2005〜2006年に発行された作品ですが、最近「百合男子」に何度か登場したのでそちらで知った人もいるかと思います。

◆少女セクトとは


そして「五十鈴のカウンター」はそんな「少女セクト」の後日談的なスピンオフ。一応主人公2人は新キャラですが、その他の女の子はどれも「少女セクト」のヒロイン達の数年後の姿です。

「少女セクト」終了後少し経ってから雑誌に掲載されたため単行本に収録されず、ちょっとした幻の作品でした。今回初めて読めた人はラッキーかもしれません。

ただ、たしか雑誌掲載版では全3話だったと思うのですが今回収録されているのは第2話までです。個人的には第3話が一番「少女セクト」らしくて好きだったのですが、「少女セクト」を知らない人にはまったくわからない内容なので今回は掲載を見送ったのでしょうか・・・?



全体の感想

今回も百合作品らしい甘酸っぱさとエッチさを両立したレベルの高い作品が多く、非常に楽しました。親友ものなど、百合漫画のストーリーとしてはきわめて王道な作品も少なくないのですが、エッチなシーンの入れ方で上手く差別化されているのではないかと思います。

エッチシーンを入れる都合上展開がやや急な作品もありますが、個人的にはスピーディーかつシンプルなストーリー展開のおかげでテンポよく楽しむことができました。

なお、鳴子ハナハルさんは今回も表紙イラストのみでの参加となっています。Vol.1の巻末コメントで「創刊早々すみません。2号目にもうちょっとエロいの載ります。」とあり、てっきり今回は漫画もあるのかと思っていたのでちょっと残念。

Vol.3は今冬発売だそうです。こちらも楽しみです。


とらのあな特典 8P小冊子

Vol.1と同様、とらのあなでは8ページの描きおろし小冊子がもらえます。

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内容は、鳴子ハナハルさんのカラーイラスト、FLOWERCHILDさんの「イヴのおくすり」の番外編4コマ、あらた伊里さんの「呪いのあおいちゃん」のメイキング、あきのそらさんのイラストです。

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特典小冊子に漫画の制作過程を載せるのは面白い試みですね。某野崎くんみたいな漫画制作ものが好きな人には興味深いのではないかと思います。

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ラベル:メバエ
posted by trinder at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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