2015年01月19日

コミック百合姫 2015年 03月号

「コミック百合姫」2015年03月号を読みました。

コミック百合姫 2015年 03月号 [雑誌]

前号から引き続き、表紙イラストはかんざきひろさん。

あまり明確に語られないもののバックストーリーが存在しており、オタク女子とリア充JKの関係を描いているようです。今回は初コス記念のプリクラを撮ったという設定。

ご丁寧に綴じ込みでプリクラ風のシートまで付いています。

yrhm201503e1.jpg

ただし残念ながらシールにはなっていない模様。どうしても貼りたければハサミで切って裏面にノリでも塗るとか・・・。


前号に続いて今回も新連載が多く、4つの作品が新たに始まりまっています。多くは以前から百合姫に参加していた作家さん達ですが、これまでの作風とちょっと違う挑戦的な作品が多くなっています。


12分のエチュード(仲原椿)

陸上が得意だった主人公・和奏(わかな)でしたが、高校入学早々に自分の限界を知って落ち込みます。そんな時、見学に行った吹奏楽部でクールな少女・睦美の奏でるトランペットに惹かれた和奏は、吹奏楽部への入部を決意します。

百合姫で音楽ものは必ずしも珍しくはありませんが、これまでの作品と比べてややリアル寄りの作風。吹奏楽部の練習の様子などがそれなりに詳しく描かれています。また、主人公が陸上をいったんやめる際の苦悩など、青春ドラマとしての側面も描写されています。その分百合要素はまだ控えめですが、ここからどう展開していくのかに注目です。個人的には吹奏楽ということで間接キスとか予想しますがどうなるんでしょうか。


少女失格(河合朗)

新連載その2。

扉絵の煽り文にもある通り、「JKだけのデスゲーム」な作品。学園内に閉じ込められて生徒たちで殺しあえというどこかで見たようなあれですが、2人1組のチーム制になっているあたりが百合っぽいところなのでしょうか。モロな殺人や流血の描写が多数登場するので苦手な人はうっかり開いてしまわないよう注意。


ラストワルツ(片倉アコ)

新連載その3。学園内の事件を秘密裡に解決する主人公の活躍を描いています。必殺仕事人的な感じ?あるいはポリーチェ的な何か。

露骨なグロ絵こそ無いものの、前のページのデスゲームものに続き物騒な作風です。(多分)未遂とはいえ、傷害や性的暴行などの犯罪描写がたびたび登場します。作者さんがこれまで百合姫に執筆してきた作品とはだいぶ作風が違う印象です。そのせいかアクションシーンもあまり慣れていない感じ。タイトルにもなっている決め台詞の「最後の晩餐(ラストワルツ)」も正直もイマひとつハマっていないような・・・?

yrhm201503e7.jpg
(注)右下の「うぁぁぁ痛い痛い」はダメージを受けた悪役の悲鳴であり、決して主人公の言動のことを言っているわけではありません。

今のところ悪人退治がメインであまり百合っぽい要素はありませんが、主人公が学園の生徒たちと性的関係を持つことで情報を集めるシーンがあります。


2DK、Gペン、目覚まし時計。(大沢やよい)

新連載その4。前号の予告では「女ふたりで暮らしてみた話。(仮)」となっていた気がしますが、変更になったようです。でも内容はまさに仮タイトルの通り。

仕事のできる有能なOLと、かけだし漫画家の同居生活を描いています。イマドキの働く女性っぽい描写がなかなか細かく描かれており、社会人ものとしては悪くない感じです。主人公には彼氏がいるため、どのへんが百合なのかと思ってしまいますが、後半で別れ話が出るうえにレズビアンだった過去が発覚。次回以降が楽しみです。



立花館To Lieあんぐる(merryhach)


前号から始まった新連載。ボロアパートで美少女な住人達に囲まれ、ちょっとエッチなハプニング満載・・・そんな、ふた昔くらい前の少年漫画のような作風です。

しかし、女性主人公の漫画をせいぜいパンチラレベルのサービスシーンをメインに回していくのは無理があるのではないかと思う今日この頃。好きな相手の体が気になってしまう程度なら百合漫画でもよくありますが、この作品の場合はまだ基本的な人間関係すら確立されていませんし、主人公が女の子好きだという設定も特に語られていません。

おそらくは既存の百合姫読者向けではなく、ライトなお色気を好む新規層の開拓を狙うポジションの作品なのでしょう。それはそれでいいのですが、正直そういうお色気漫画ならよその雑誌にもっと面白いのがいくらでも・・・。


ゆるゆり(なもり)

3本立て。

96★余興はこれからだっ!

ごらく部の新年会のお話。タイミング的にちょっといまさら感がなくもないですが、雑誌が隔月なので仕方ないですね。内容は案の定、かくし芸という名のボケ大会です。でも最後には京子さんによるちょっといい話あり。

97★愛とおっぱいだけが友だちさ

櫻子が描いた漫画を生徒会みんなで読むことに。内容はおっぱいネタばかりで「ゆるゆり」にしてはちょっと下品で、小学生レベル。

yrhm201503e4.jpg

でも櫻子が描いたんじゃしょうがないですね。

98★雪かき募集!(※参加料無料)

結衣とあかりが雪かきをする話。それほど特別な出来事は起こりませんが、微笑ましいやりとりが展開されています。

ところで次回あたり100話目に突入しそうですが、果たしてどんな内容になるのか楽しみです。


捏造トラップ-NTR-(コダマナオコ)


連載2回目。ヒロイン(というか主人公)2人が彼氏持ちの状態から始まった、百合姫としてはかなり挑戦的な作品です。お互いに彼氏がいるのに由真に迫る蛍の妖しい魅力が印象的。男性陣も単なる悪役ではなくそれぞれ見どころがあるキャラクターに思えます。蛍の真意、そしてそれが明らかになった後の人間関係が楽しみです。

キミのそばで、ここはユメのなか(春日沙生)

誰が言いだしたのかわかりませんが、寝てる間に代わりに仕事をしてくれているという噂の例の小人さん。そんな小人さんと主人公の交流を描いた作品です。着眼点はシンプルながらも、2人の微笑ましいやりとりや主人公の成長が綺麗にまとまって描かれており、好きな作品です。



俺と百合 -百合男子第二章-


啓介の妹・みゆきの友達である爽が、啓介に好意を持ってしまった模様。しかも爽は松岡さん(涼)の妹でした。

ある休日に、みゆきと爽が遊びに行く付き添いという名目で連れ出される、啓介と涼。爽が狙い通り啓介と2人きりになる一方で、残されたみゆきは涼はちょっと気まずい雰囲気に。ですが、ある出来事をきっかけにいっきにみゆきと涼の距離は縮まります。


てっきり爽は第一部までのストーリーとは関係ない完全な新キャラかと思っていたのですが、意外にも松岡さん関係のキャラクターでした。しかもその関係で松岡さんがみゆき(啓介の妹)と仲良くなるという意外な展開。松岡さんは第一部では特定の相手との絡みが少なめだったので、今後のみゆきとの関係が楽しみです。

一方で爽は本気で啓介のことが好きだった模様。いまのところ爽自身には百合要素はないですし、啓介とくっついても誰にも迷惑はかからないので好きにすればいいと思うのですが、どうなるんでしょうか。



漫画以外の記事だと、個人的にはみわべさくらさんの「りりくる☆ぱ〜てぃくる」あたりが楽しみです。今回は真優・真衣姉妹の話が語られています。

yrhm201503e5.jpg

キャラクターデザインとイラスト担当の人なので、あくまでビジュアルの観点から「りりくる」を語っているのがちょっと新鮮です。ドラマCDに関する記事なのにイラストメインって考えてみると凄いですね。



前号は新連載が3つでしたが、今号は4つも新連載が開始しました。10周年を前に意識的に内容の刷新を図っていることが伺えます。

ここ最近の号で始まった新連載作品の出来は総じて高く、これまで百合姫になかったタイプの作品を意識的に生み出そうとする姿勢が伺えます。読み切り中心だった作家さん達に連載を描かせる傾向も感じられますが、これによって作家さん達のカラーがよりはっきりとしてきた印象です。

ただ、安易に「わかりやすいエロ」または「わかりやすいグロ」に走っただけに見える作品もいくつかあり、このあたりは以前からの読者からすると複雑なところです。おそらくは新規読者の開拓を狙っているのでしょうが、効果のほどは疑問の余地があります。それらの作品は仮に百合姫の中では斬新な作風に見えたとしても、世間一般から見ればまったく新しくない昔からあるジャンルです。内容自体も、そのジャンルのテンプレそのままと言ってもいいような安直なストーリーのものばかり。そういうのはよその雑誌にもっと面白い作品がいくらでもあるので、ライト層があえて百合姫を手にとる動機になりうるかは疑問です。かつて「百合姫S」が同じような路線を取って失敗したことを思い出してしまいます。

同時期に複数の作家さんがエロまたはグロに走った連載を開始したこと、そして多くの場合作家さんの従来の個性と合っていないことを考えると、おそらくは編集部の意向でこのようになっているのではないかと推測されます。正直現段階では作家さんのカラーにも雑誌のカラーにも合ってないように思われますが、ここから成長して化ける作品が出てくるかもしれませんし、今後に期待という感じでしょうか。思えば「ゆ〇ゆり」も連載開始当初は変態兄貴が妹のパンツを盗む漫画でしたしね(単行本で修正され無かったことにされましたが)…。

次号も新連載が3つもあります。あおと響さん「プリンスプリンス」、春日沙生さん「地獄で愛ましょう(仮)」、そして古河一樹さん「本屋の人(仮)」です。

個人的には、これまで読み切り中心だった春日沙生さん初(多分)の連載作品に注目。

yrhm201503e2.jpg

「地獄」と聞いて一瞬またグロ系かと思ってしまいましたが、あらすじを読む限りは死後の世界を舞台にしたファンタジーになりそうな感じ。期待大です。

コミック百合姫 2015年 03月号 [雑誌]コミック百合姫 2015年 03月号 [雑誌]

一迅社 2015-01-17
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools





posted by trinder at 20:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック