2015年04月21日

「FLOWERS夏篇」 chapter1 かえるの王様

とてもゆっくりなペースですが、「FLOWERS夏篇」を楽しんでプレイしています。



前回の記事で紹介したオープニングシーンの後は、いよいよ本編第1章「かえるの王様」が始まります。


章の冒頭は、「春篇」同様に主人公(今作ではえりか)が童話をモチーフにしたモノローグを語ります。それによると、「これから始まる物語は──去った者を待つ、哀れなかえるのお話」。「春篇」のプレイヤーからすると、去った者はマユリ、待つ者とは蘇芳を連想させますが、果たして・・・。


ある日ダリア先生に呼ばれてしぶしぶ授業に出たえりかは、転校生たちを紹介をされます。その中には、先日寄宿舎の外でえりかと険悪な会話を交わした少女・千鳥の姿が。

しかも、千鳥はダリア先生の指定によりえりかのアミティエとなってしまいます。なんとか抵抗を図るえりかでしたが、すでに決定事項ということで強引に押し切られてしまいました。

なお千鳥は芸能活動をしており、それなりに有名なようです。こんな辺鄙な学院に入学させられたのは本人の意思ではないらしく、複雑な事情がありそうですが・・・。



えりかとアミティエになった千鳥は、自動的に寄宿舎でも同室に。こうして2人の共同生活が始まります。

千鳥は足の不自由なえりかの介助も特に文句も言わずにこなし、思ったほど衝突はないようです。さすがにお風呂の世話まではまだ早いようで、そのあたりは以前どおりダリア先生の担当のようですが・・・。


一緒に食事をする何度か出てくるのは、一緒に住んでいるのを特に実感する場面です。「春篇」でも蘇芳たちアミティエ3人は同室だったはずですが、意外とそのあたりは描かれませんでした。

事前にパンフレットなどでライターさんが語っていた通り、食事シーンの表現にはなかなか力が入っています。なにげない会話の中に、2人のキャラクター性や好みの違いが出ていて面白いです。千鳥がえりかの好物を勝手に食べてしまうなど、なにげにイチャついているようにも見えてきます。

natuhen1o2.jpg

百合ゲーで食事シーンというと、「アオイシロ」を思い出す人もいるかもしれません。

aoishiro_r14.jpg

しかし、あちらは料理の薀蓄を一方的にまくしたてるだけで、「会話」になっていませんでした。

一般的にフィクション内によく食事シーンがあるのは、日常性の表現だったり、キャラクター達の会話を描くためだったりするそうです。言葉で言うと簡単ですが、「アオイシロ」を見る限り意外と難しいことなのかもしれません。その点、「FLOWERS夏篇」の食事シーンはとても上手く描けているように思います。



こうしてえりかとはそれなりに馴染んてきた千鳥でしたが、空気を読まず思ったことをすぐ口に出す性格ゆえに敵を作りやすいようです。ある時、千鳥はみんなが避けていたマユリの話題を口に出し、立花たちから反感を買ってしまいます。

千鳥(と連帯責任でえりか)は、立花との口論で騒ぎを起こした罰として、学院内で買われているウサギの世話を言いつけられることに。最初は戸惑っていた千鳥でしたが、次第にウサギに愛着が沸いてきます。

しかしある日、飼育小屋の赤ちゃんウサギがいなくなってしまう事件が発生。クラスメイトたちは、飼育係をさせられていた千鳥に疑いの目を向けます。それを見かねたえりかは、千鳥が犯人であることを否定し、この事件は自分が引き受けると宣言します。

林檎たちから聞き込みを行い、次第に真相に迫っていくえりか。ここで「春篇」プレイヤーにはおなじみの「Now reasoning...」こと推理シーンが満を持して登場します。

natuhen1o3.jpg

問題は3択×3回となっており、最初の問題としてはかなり難しめです。しかもややこしいことに、実はここでは真相を言い当てることは求められておらず、皆をとりあえず納得させるためのタテマエが求められています。

皆にとりあえずの持論を語り、ひとまず千鳥への誤解を解くことに成功するえりか。そしてえりかは、1人千鳥のもとに本当の真相を確かめに向かいます。

ここでさらにもう一度「Now reasoning...」。今度は3択×2回。ただ、今回はすでに真相がほぼ明らかになりつつあるのでそれほど難しくないはず。


えりかは学院のはずれに佇んでいた千鳥を発見し、彼女の行動の真意を尋ねます。その答えの中に千鳥の優しさを見たえりかは、彼女の内面を少しずつながら理解し始めたようでした。そして2人の間には、確かな連帯感が生まれ始めます。

natuhen1o4.jpg

第一章はここまで。

続いて、第二章の内容を示唆するモノローグが入ります。それによれば、次は「終わった物語を覆そうと心に決める、哀れな娘のお話」になるとのことですが──。




「FLOWERS夏篇」の第一章を紹介してきました。

えりかが千鳥とアミティエを組み、反発しあいながらも絆が芽生えるまでが描かれています。最初の事件の発生から解決までが一つの山場になっており、導入部としてはとても良くできているのではないでしょうか。

主人公が「春篇」の蘇芳から変更になったことで地の文章の雰囲気がかなり変わっているので、その点でも新鮮です。「春篇」でのえりかはひねくれ者で正直共感しづらいキャラクターでしたが、今回は主人公ということで内面が掘り下げられているため、次第に愛着が沸いてきます。

今回えりかは千鳥以外だとダリア先生ともよく絡みます。介助ということで一緒にお風呂に入ってもらっている他、推理シーンではなんと相棒役がダリア先生。「春篇」であまり話に絡まなかったキャラクターなのでこちらも期待です。



システム・演出面


シナリオ以外の面でも色々と細かな強化・改善点があります。

まず、「前の選択肢に戻る」というコマンドが搭載されました。「春篇」では次に飛ぶ選択肢はありましたが戻る選択肢は無かったように思います。推理シーンで総当たりする時とかに地味に便利です。

演出面では、一部のシーンで絵の一部が動くことがあります。今のところアップになったキャラの目がキラキラしたりという程度ですが、今後のストーリーでの活用にも期待です。

また、アイキャッチではジングルが流れるようになりました。場面転換時のアイキャッチ自体は「春篇」にもありましたが、今回はサウンドが付いたことでより「らしく」なったように思います。主題歌のサビの冒頭をアレンジしたメロディですが、耳に心地よく気に入っています。

さらに、作中流れるBGMはかなりの割合・・・というかほとんどが新規の曲になっているように感じます。「春篇」にあった曲も大きくアレンジが施され、「夏」らしい雰囲気作りに一役買っています。シリーズ物ということである程度のBGMの流用も覚悟していたのですが、一作ごとに妥協せずに作り込んでいて驚きです。


シナリオも、それを支える演出や音楽も非常にレベルの高い作品になっていると思います。今回の「夏篇」も続きがとても楽しみです。

FLOWERS -Le volume sur ete-(夏篇) 初回限定版FLOWERS -Le volume sur ete-(夏篇) 初回限定版

InnocentGrey 2015-04-17
売り上げランキング : 26

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

FLOWERS 夏篇 ORIGINAL SOUNDTRACK -ete-(初回限定版)FLOWERS 夏篇 ORIGINAL SOUNDTRACK -ete-(初回限定版)

InnocentGrey 2015-04-17
売り上げランキング : 56

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

満腹百合 (リュウコミックス)満腹百合 (リュウコミックス)
宮部サチ

徳間書店 2015-02-13
売り上げランキング : 27220

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

幸腹グラフィティ (5) (まんがタイムKRコミックス)幸腹グラフィティ (5) (まんがタイムKRコミックス)
川井 マコト

芳文社 2015-03-27
売り上げランキング : 1560

Amazonで詳しく見る
by G-Tools





ラベル:flowers
posted by trinder at 16:36 | Comment(1) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ようやく夏篇が届きプレイ出来ました!
仕事の合間なので亀の進みですが…。レビューにも挙げてましたが食事のシーンが多く、空腹時では難儀しました。えりかさんが食べていた天ぷらに当てられお昼に食しました(笑)
本作で登場する食にも注目し、仕事の昼休憩などに食べたいと思います!
Posted by at 2015年04月22日 19:07
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック