2015年07月19日

コミック百合姫2015年9月号 10周年記念感謝号

百合漫画専門誌の老舗、「コミック百合姫」の2015年9月号を読みました。今回でついに10周年です。

表紙は今回もかんざきひろさん。絵柄は別に10周年っぽくなくいつもの感じ。

コミック百合姫 2015年 09 月号 [雑誌]

・・・と思いきや、実は蛍光塗料で「10周年ありがとう☆」と書いてあります。

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人によっては言われないと気づかないかもしれませんね。


さて、そんな10周年記念号ではどんな企画があるのかというと・・・特に何もありません。だいぶ前から10周年記念号へ向けてカウントダウンしていたので何かあるのではないかと期待していた人も多いと思いますが、びっくりするくらいいつも通りです。強いていうなら編集者さん達のコメントで少し触れている人もいるという程度。

そんないつも通りの感じの中、特に印象に残った作品を紹介します。


月が綺麗ですね(伊藤ハチ)

姉妹百合漫画「小百合さんの妹は天使」で話題の、伊藤ハチさんが百合姫に登場。

ケモノ耳美少女達が住んでいる、純和風の世界が舞台です。かつて百合姫Sで連載されていた「此花亭奇譚」(現在は「このはな綺譚」として他誌に移籍)に少し近い雰囲気かもしれません。



現実の日本でいう大正時代くらいを彷彿とさせる文明レベルですが、注目は同性婚が合法化された世界であること。お嬢様が決められた婚約者に嫁ぐというお約束の展開も、女同士であることによってとても魅力的な筋書きになっています。そしてそこに、お嬢様の身を案じてついていく女中さんが絡んでいきます。

日本(厳密には架空の国のようですが)の古き良き風景を押し出したビジュアルもとても綺麗。キャラクターも可愛らしく、面白くなりそうな作品です。

ところで「小百合さん」の印象が強いせいか、たまにメインキャラクター3人が美琴・小百合さん・男鹿君のコスプレに見えたり・・・するのは多分私だけですね。

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ゆるゆり (なもり)

2本立て。

103★「キライ?それとも…フツー?」

この作品の(百合的な)良心、綾乃がメイン。綾乃はひょんなことから京子のことが嫌いかのような態度を取ってしまい、誤解を解くために奮闘することになります。もちろん京子はそんな勘違いをする子ではないので、ほぼ綾乃の空回り。でもそれがとても微笑ましいエピソードです。

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104★ 「京子と結衣」

部室で同人誌の締め切りに追われる京子と、それを手伝ってくれる結衣。そしてその見返りは・・・?

京子の想像の中の結衣がすごい表情をしています。

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そして最後に、意外な時系列が判明。なんでもない日常かと思ったら、実は結構重要な一幕だったのかもしれなかったり。


ラストワルツ (片倉アコ)

普段は地味を装っているけど、裏では格闘術とかベッドテクとか色々すごい主人公・思信。そんな彼女が生徒会から特命を受けて学園の平和を守るために戦います。狭い学園内ではすぐ顔バレしそうなものですが、眼鏡をかけたり外したりすれば誰も同一人物だと気づかないので問題なし。そんな第3話。

今回の任務はアイドルの護衛。毎度ながら、よく知らない世界の裏を想像だけで描いてみた感がすごいです。バリエーションは豊富だけどほぼ毎回スベっている主人公の決め台詞も健在。これを一切の迷いなく描ききっているハートの強さは尊敬されるべきだと思います。個人的には応援しくたくなる作品です。

アクションシーンもいつも通りの感じ。

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何か刺さってます。相手が驚いて「誰だおま」と言ってしまうのもやむなしですね。一瞬口から血を吐いているように見えましたが、よく見ると「ドンッ」という擬音の「ン」の部分だったり。

そしてフィニッシュ。

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これは蹴り上げているのでしょうか、それともカカト落としなのでしょうか?そもそも黒い部分が足なのかどうかすら定かではありません。

でもこれはこれでアリだと思える不思議な作品です。応援しています。


あやめ14(天野しゅにんた)

前回から続く合唱コンクールのお話。伴奏を担当するあやめは、課題曲「大地讃頌」からエロ妄想をすることで演奏に謎のエロエネルギーを宿らせ、見事クラスを優勝に導きます。

恋をすると演奏が変わるという展開は音楽もののお約束ですが、単なる妄想だけでここまでやっているのがすごいです。


俺と百合 -百合男子第2章- (倉田嘘)

百合オンリーイベント「LLP」が開催。会場へと向かう途中、啓介は次々と見知った顔と出会って驚きます。そういえば、この作品に登場する女性キャラはいつの間にやら全員百合好きになっていますね。

意外な遭遇がいくつかあったものの、みんな上手く打ち解けてイベントを楽しむことができたようです。爽(松岡さんの妹)が沙織の妹(プティ・スール)になるという意外な展開もありました。

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しかし実は爽は啓介に気があります。さらには、啓介に百合趣味を刷り込んだのは沙織だと誤解して敵視しているようです。なんだかややこしいですが面白そうな展開になってきました。


ちなみに、今回イベントのシーンで登場するのは百合姫関係の作品ばかりです。かつては他社の作品を(たいてい批判的な論調で)いろいろ取り上げていましたが、一度それで謝罪騒動にまでなったので今回は自重したのでしょうか。仕方ないのかもしれませんがちょっと寂しいですね。

そしていまだに「姉妹(スールと読む)」とかロザリオネタとかを知っていて当然のように使っているあたりに、最近の若い作品たちとの微妙なジェネレーションギャップを感じたり・・・。



そんな感じで、10周年特別企画とかも特になくいつも通りの百合姫でした。

少し前から始まった作品たちも雑誌のカラーに馴染んできて、誌面のメインを構成するに至っています。オール百合漫画という最低限のコンセプを残しつつ、次の時代へと移行して行こうとしているのでしょう。

なお、編集長コラムでさらっと2016年から月刊するとの告知があったりします。

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百合姫コミックス新刊

新作・旧作の新装版含め新しい本がいろいろ告知されています。

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まず、新たなアンソロジー「キマシ!」。なんとも直球ですね。参加する作家さんには百合姫でおなじみの名前も多めな模様。7月30日発売です。



そして8月18日には、「かわいさ余って好きさ100倍!」(めの)、「きらぼしのはこ」(真昼てく)、「シュガールーム」(鹿嵐)が同時発売。いずれも百合姫連載作品ではないように思いますが、描きおろしなのか、あるいは何かの再録なのか・・・。

  

百合姫本誌で最近始まった「プリンスプリンス」(あおと響)、「少女失格」(河合朗)、「12分のエチュード(仲原椿)、の3作品は9月18日に単行本が出ます。


旧作の新装版としては、8月18日に「ゆるゆり」(なもり)6・7巻、「Sweet Little Devil」(南崎いく)、「極上ドロップス」(三国ハヂメ)」全3巻が発売。

 


新装版は基本的に旧版と同一内容ですが、表紙などが新しくなっていることもあるので比べてみると面白いかもしれません。例えば7月18日発売の「citrus」新装版は表紙が新しくなっており、2巻ずつ繋がった絵になっているという面白い試みがされています。





新作・旧作含めかなりの数のリリースが続いている百合姫コミックス。10周年を越えてまだまだ新しい動きがありそうです。



ラベル:百合姫
posted by trinder at 10:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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