2015年07月23日

セミラミスの天秤 Fated Dolls 美紀・真由編

今回は、「セミラミスの天秤 Fated Dolls」内のシナリオ「美紀・真由編」を紹介しようと思います。

「セミラミスの天秤」本編は2014年6月発売のPCゲーム(18禁)。「セミラミスの天秤 Fated Dolls」は、2015年2月にリリースされたファンディスクです。サブキャラクター達を中心とした短編シナリオ3本で構成されています。

販売形態は、PC向けのDL版がシナリオ3本入りで3000円。Android版では1本あたり1000円×3。


3本あるシナリオのうち、「美紀・真由編」が百合シナリオです。あらすじを公式から引用させていただくと以下のようなストーリー。

残念美少女 美紀と正統派美少女 真由は親友。
友人として仲の良い二人の日常に、さりげなく吹き込まれる愛生の言葉が少しずつ関係を変えてゆく。
ある日一線を越えてしまった二人は…。


物語は主に美紀の視点で進行します。美紀は親友の真由が大好きで、よく過剰なスキンシップやちょっと変態チックな発言をしては周囲を苦笑いさせています。真由はメチャクチャな美紀に時には振り回されつつも、時にはしっかり抑えてくれる良きパートナーという感じ。

2人は周囲からは微笑ましい親友同士だと思われており、美紀自身もそう考えていました。過剰なスキンシップも、ちょっとしたイタズラくらいのつもり。ですが、次第に美紀は自分が真由に対して単なる友情以上の気持ちを抱いていることに気付き始めます。


美紀が自分の気持ちに悩む過程は、王道ながらも非常に丁寧に描かれています。面白いのは、美紀が真由への気持ちを見つめ直すきっかけとして百合漫画が使われていること。

当初、美紀はリアルでの恋愛とは別としてあくまで趣味で百合作品を愛好していたようです。ですが、ある漫画をノンケの友達に貸してその感想を語り合っているうちに、無意識に抱いていた真由への特別な気持ちに気付いていきます。

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ある百合漫画から引用される、『相手のことが好きかどうかわからないときは、その子とキスするところを想像してみれば良い』という言葉。

美紀や友人達はこの部分が特に印象に残ったようで、しばらく百合漫画談義に花が咲きます。

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このフレーズ、ゲーム内では引用元がぼかされていますが、おそらく森永みるくさんの名作「くちびる ためいき さくらいろ」ではないかと思われます。

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昨今もっとライトな百合漫画が世に溢れている中で、もはや古典とも言えるこの作品を持ってくる美紀(あるいはライターさん)のセンスは素晴らしいと思います。


その後しばらく、美紀の頭からこの言葉が離れません。実際に真由とキスするところを想像し、ドキドキしてしまいます。そしてあるときついに気持ちを抑えられなくなり、その想像を行動に移してしまうことに・・・。

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真由は驚きつつも、美紀を受け入れます。このあたりから要所で真由側の視点も入るようになり、真由も美紀に対して単なる友情以上の気持ちを抱いていたことが明らかになります。


この後美紀がちょっと先走りすぎて気まずい雰囲気になる一幕もありますが、それも含めて甘酸っぱいイチャイチャが展開されます。そして、2人きりの保健室でついに一線を越えることに。最終的に2人は恋人になってハッピーエンドです。




展開自体は親友ものとして王道中の王道ですが、この作品なりの切り口で描かれておりとても楽しめるシナリオでした。

百合漫画を重要なストーリー上小道具として持ってくるのも、ありそうでなかった新鮮な手法だと思います。中盤あたりで美紀が百合初心者の友人達と百合談義をするシーンはなかなか面白く、ライターさんが百合をよくわかっていることが伝わります。

特に『相手のことが好きかどうかわからないときは、その子とキスするところを想像してみれば良い』をクライマックスのキーワードとして使っているのは、森永みるくさんの作品へのオマージュ(多分)としてとても秀逸だと思いました。

細かい台詞回しなども、王道を踏まえつつ個性を発揮していて面白いです。特にエッチシーンでの恥ずかしい台詞のやりとりは必見。

個人的には、美紀が真由の胸を愛でながら言う「真由の胸が大きいところに意義があるんじゃん。真由、あたしが真由以外の女の子に欲情するとでも思ってる?」が妙にお気に入り。単なるおっぱい好きと百合を区別する素晴らしい表現だと思います。


ちなみに本作のライターさんは「処女はお姉さまに恋してる(おとボク)」シリーズで有名な嵩夜あやさんです。女装ゲーの印象が強いですが、元々百合がやりたかっただけあって百合をとてもよくわかったシナリオになっていると思います。「おとボク」シリーズにも女装主人公の関わらないところで良質な百合系サドエピソードが複数存在しましたが、そちらのノリが好きだった人にもおすすめです。


個人的には、ストーリーも細かいやりとりも非常に楽しめた作品でした。



ところで実は本編に当たる「セミラミスの天秤」のほうは結構暗くて重い話のようです。ですがこの「美紀・真由編」はサブキャラ同士が本編とは別のところで展開しているストーリーなので、終始甘酸っぱいイチャイチャでいっぱいです。美紀・真由以外のキャラはほとんど話に絡まないので、本編の設定や人物に関する知識も必要ありません(もちろんあったほうが楽しめるのでしょうが)。

Android版ではこのエピソード一本のみの分割販売もしているので、興味がある人は是非プレイしてみてください。

「セミラミスの天秤 Fated Dolls」メーカー公式サイト
「セミラミスの天秤 Fated Dolls」PC用DL版販売サイト
「セミラミスの天秤 Fated Dolls(美紀・真由編)」Android版販売サイト

セミラミスの天秤セミラミスの天秤

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posted by trinder at 12:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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