2015年12月02日

ビビッド百合アンソロジー「メバエ」vol.5

少年画報社から出ている「ビビッド百合アンソロジー」、「メバエ」vol.5を読んでみました。



前号が5月発売だったので、半年以上開いたことになります。元々刊行ペースはやや不規則でしたが、一応連載ものもあるので話を忘れてしまわないかちょっと心配だったり。


以下、特に印象に残った作品を紹介します。


ブーゲンビリア(鳴子ハナハル)

表紙も担当している鳴子ハナハルさんの作品。幼馴染ものです。雨に濡れてしまったから温めてほしい、というところから一線を越えていきます。エッチシーンメインながらきちんと気持ちの交流もある、「メバエ」らしい作品です。


わたし結婚します(甘詰留太)

密かに肉体関係を持つ2人のOLのお話。…と思いきや、そのうち片方が女性に対する愚痴でと意気投合。

mebae4cs2.jpg

そのままこの人とベッドインして即妊娠、結婚、完。

誰得感&場違い感あふれる、今回最大の問題作。ジェンダー論的なテーマに挑戦しているように見えなくもないですが、あとがきを読む限り深い意味はなさそう。悲恋ものとして好意的に見ようにも、メインの女性2人の関係が結局よくわからないため想像による補完にも限界があります。結果、印象に残るのは男と寝て結婚した結末のみ。どのような内容でも作者さんの自由だとは思いますが、あえてこれを百合専門誌で読みたくないというのが正直なところかも…。


花屋敷ハラスメント(東冬)

「魔女」のもとに食材(?)としてお仕えする女の子のお話。魔法で肝臓を抜き出され食べられるけど魔法ですぐ復活するとかなんとか、ちょっと複雑な設定です。

今回2話分掲載されていますが、現在はまだキャラクターと世界観の紹介といった印象。2人の関係も、ようやく少し信頼関係が生まれてきたかなという感じに見えます。さらに続きがあるのかはわかりませんが、ここからどのように関係が進展するのか見てみたい気はします。


イブのおくすり(FLOWERCHILD)

先生の過去話。恋人(もちろん女の子)に人前でイタズラして喜ぶ性癖があったらしく、最後はついに怒られてしまい別れたとか。お馬鹿なノリですが結構悲しい話のような気も?

個人的にはこの2人のカップルは結構好きかもしれません。1回のみの回想話だけでなくもっと見てみたいです。とらのあなの特典小冊子にはこの2人の4コマが載っているので気になる人はチェック。

mebae4cs3.jpg


かわいいおおきい(長田佳奈)

身長が大きいのが悩みな女の子を、その友達の視点から描きます。女の子のコンプレックスをテーマにした微笑ましい青春物語…と思って読み進めていくと途中でとんでもない展開に。良い意味で予想を裏切られる、個人的にお気に入りの作品です。


メアリーと300歳の魔女(綾杉つばき)

魔女狩りの時代を舞台に、魔女と普通の女の子との友情を描きます。後半はきちんと恋愛に発展し、エッチシーンもあり。舞台設定的に暗くなりそうな感じがしましたが、ストーリーはいたって前向きで気持ちのいい作品。ラストシーンでの魔法の使い方が素敵です。


白ヲ染メル(真昼てく)

発育具合に自身のない親友の体を見てあげているうち、エッチな雰囲気になって…的なお話。エッチシーンを通して気持ちの交流があるという点で、これもまた「メバエ」の良さが出ている作品だと思います。

mebae4cs1.jpg

ところでエッチシーンありにも関わらず中学生とか未性徴とか名言されていますが色々大丈夫なのでしょうか。




約半年ぶりの「メバエ」でしたが、普段通りのクオリティーとボリュームで楽しめました。

エッチシーンがメインの作品と、逆にそういうシーンがほとんど無い作品に分かれていますが、今のところ良い具合のバランスになっているのではないかと思います。

男と結婚して終わる(あるはそれが示唆されている)作品が2つほどあり、ここはかなり意見が分かれそうです。一応、いずれも女の子同士の恋愛感情(かもしれないもの)が含まれてはいるものの、もう少し掘り下げて欲しかったような気はします。作中でそのあたりをきちんと描いていれば、最後は男と結婚するにしても悲恋ものとして受け入れられたかもしれません。


次の号はいつになるのかはわかりませんが、続きが気になる連載もあるので楽しみに待ちたいと思います。


タグ:メバエ
posted by trinder at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/430562711
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック