2016年01月09日

道割草物語(上下巻)/ 武川慎

武川慎さんの「道割草物語」(1月8日発売)を読みました。

 

COMICメテオで連載されていた作品で、完結済みのため上下巻という形でいっきに発売です。


あらすじ

舞台は、人間が滅びて二十数年が経った世界。過去に何が起こったのかは、ストーリーの過程で少しずつ語られていきます。

人間がいなくなった後、生き残ったのは吸血鬼たちでした。基本的にほとんどが女性。これには設定上の理由があり、吸血鬼の「宿し直し」という繁殖方法に由来するものです。

人間がいなくなったためか、世界はすっかり静かで平和。人間の遺した文明の後でのんびりと暮らす吸血鬼たちの日常が描かれます。

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争いはなくなったものの、一部の吸血鬼たちが人類滅亡前にした行いについては今でも評価が分かれているようです。それが原因で今でもいがみあっている吸血鬼たちもいます。ストーリー後半では、彼女たちが過去のしがらみを捨てて歩み寄る姿が描かれます。クライマックスではちょっとしたバトル展開(あくまで平和です)に突入したりも…?


百合ポイント

人類の滅びた世界で暮らす吸血鬼たちを描いた作品です。

あとがきによると、この作品は作者さんの大好物を詰め込んだものだそうです。その大好物というのが、「百合」「吸血鬼」「廃墟」。これらの3要素を組み合わせて違和感なく世界観を成立させているのがすごいです。女の子同士で恋愛する必然性や、男性が(ほとんど)いなくなっていることにも、もっともらしい設定上の理由が与えられています。

吸血鬼たちは「食事」としてお互いの血を吸い合う習慣があります。基本的には相手は誰でも構わないのですが、好きな相手の血を吸うことには特別な意味があるようです。このため、事実上求愛行動のように描かれています。キスしたり舌から血を吸ったりするのは、基本的に好きな相手とだけ。

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メインキャラのうち、璃奈とみさお、葵と久美子は明確に恋人同士として描かれています。さらに後半では、葵の師匠にしてライバルである蘭、みさおと対立する静などの関係もクローズアップされます。クライマックスの戦い(?)は、本来のパートナーとの関係にも変化をもたらします。


緻密に描かれたキャラクターや風景もあって、この世界に惹きこまれました。吸血鬼どうしのちょっと新しい百合漫画として、とても楽しめる作品だったと思います。

 


購入特典

いくつかのアニメ・漫画専門店では購入特典が付きます。以下は、とらのあなで上下巻を同時購入するともらえる小冊子(画像で一番右)。

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キャラクター達の日常がフルカラーで描かれているイラスト集です。この作品の世界が気に入った人なら必見。

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posted by trinder at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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