2016年09月23日

「あの娘にキスと白百合を」第5巻(缶乃)

缶乃さんの「あの娘にキスと白百合を」第5巻を読みました。



女子校である清蘭学園を舞台に、女の子同士の恋をオムニバス形式で描くこの作品。前巻では既存キャラの掘り下げがメインになっていましたが、今回は表紙の通り新キャラクターのエピソードになります。


あらすじ

今回の主役は、広報委員会の2人。2年生の伊東紗和と1年生の西河いつきです。広報誌の記事を担当することになった2人は、優等生として有名な白峰あやかを取り上げようと考えます。そんなとき耳にした、あやかがかつて1日だけ学校をサボったことがあるという噂。2人は調査を開始するのですが……。

紗和は、なぜだかいつきに嫌われているような気がしてなりません。実際ときどき睨まれているようです。かと思えば急に親しげになったりも。いつきにそのような態度を取られる覚えのない紗和は困惑します。

しかしあるとき、いつきは真相を明かします。実は紗和といつきは小さい頃(幼稚園〜小1くらい?)頃の親友だったのです。しかもキスをしたり、将来の夢を誓い合ったりした仲だったとか。

いつきは当時を思い出すように、紗和にキスをします。

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いつきが幼い日の思い出にこだわる一方、紗和は当時のことは詳細には覚えていないようです。でも紗和なりに、現在のいつきとの関係をもう一度築いて行こうと考えます。


感想

先輩と後輩もの、それか委員会ものという印象で始まる今回のエピソード。あやかの秘密を探ろうとするシーンは探偵もののような感じも。やがては実は幼馴染ものであったことが明らかになり、幼い日の記憶が重要要素に。そして後半ではモデルや写真の話まで出てきて……。ジャンルがめまぐるしく変わっていく、新たなタイプのストーリー構成。それでいて紗和といつきの恋愛物語として一本筋が通っていて、きれいにまとまっています。個人的には、これまでの巻の中でも特にわくわくしながら読めたエピソードでした。


あやか&ゆりね

エピソードごと(おおむね1巻ごと)に主人公を変える群像劇スタイルの作品ですが、あやかとゆりねは常にストーリーに絡んできます。今回の場合は、紗和たち広報部に過去のサボリ疑惑を捜査されるという立ち位置での登場でした。

疑惑の真相は、第1話の内容にも通ずる意外と重いもの。常に完璧であろうとするあやかの強迫観念に踏み込んだストーリーとなっています。といってもただネガティブなだけの話ではなく、未来に向けた希望も描かれます。その中で、ゆりねの存在があやかの中でより大きくなっていることがうかがえます。

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キスシーンはあやかの迷いが絵のみで表現された面白いものになっています。

ストーリー面でも演出面でも新しい挑戦がいろいろ見られる巻でした。




【電子版】

posted by trinder at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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