2017年01月09日

Bloom into You (英語版「やがて君になる」)

Bloom into You(英語版「やがて君になる」)が1月3日に発売されました。



アメリカ向けですが、Amazonなどの通販サイトで日本からも購入可能です。というわけで、さっそく手に入れてみました。

表紙はこんな感じ。

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表紙イラストは日本版と同様。でもタイトルが独自のデザインになったことで、少し印象が変わったかも?



裏にはあらすじが。

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I THINK I MIGHT BE FALLING LOVE WITH YOU...
(だって、私、君のこと好きになりそう)

Yuu has always adored shoujo manga and yearns for the day when someone might give her a love confession that would send her heart aflutter.
(侑は少女漫画に憧れ、誰かに告白されてドキドキを感じる日を夢見ていた)

Yet when a junior high school classmate confess his feelings to her──she feels nothing.
(しかし中学の同級生に告白されたとき、侑は何も感じなかった)

Disappointed and confused, Yuu enters high school, where she sees the confident and beautiful student council member Nanami.
(失望と困惑の中、侑は高校に入学。そこで侑は、美しくて自信に溢れた生徒会メンバー、七海と出会う)

When next person to confess to Yuu is Nanami herself, has her romantic dream finally come true?
(七海が侑に告白したとき、侑のロマンティックな夢がついに現実になる?)


日本語版の単行本や公式サイトの紹介文とは別の、独自の文章になっています。第1話冒頭のモノローグで少女漫画や恋愛への憧れが言及されているので、そのあたりをあらすじ紹介に盛り込んだ感じですね。



では、さっそく中身を読んでいきます。


1. I Cannot Reach the Stars(第1話 私は星に届かない)


高校生になった侑は、誰のことも「特別」と感じられないという悩みを抱えていました。作品の第一声は、そんな侑のモノローグ。

「少女漫画やラブソングの言葉は キラキラしてて 眩しくて 意味なら辞書を引かなくてもわかるけど わたしのものになってはくれない」

英語版では、以下のように訳されています。

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The words in shoujo manga and love songs... They're always sparkling brightly.
(少女漫画やラブソングの言葉は キラキラしてて 眩しくて)

I don't need a dictionary to understand the meaning... But I've never felt them for myself
(意味なら辞書を引かなくてもわかるけど 自分自身で感じたことはない)

おおむね日本語版に忠実な英訳ですが、最後の「わたしのものになってはくれない」が"I've never felt them for myself"(自分自身で感じたことはない)となっています。

日本語版のやや抽象的で詩的な言い回しを、わかりやすく具体化した印象です。このような傾向は今回の英語版全般に渡って見られます。このあたりは翻訳者さんの解釈も入ってくるので、読んでいて楽しい部分です。


student council

ある日、先生から生徒会の手伝いを頼まれた侑。生徒会室へ向かう途中、侑は美しい上級生と出会います。誰かから告白されていたようです。彼女は、侑を生徒会室まで連れてきてくれました。

「私は生徒会の七海燈子。よろしくね」

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"I'm Nanami Touko, a student council member. Nice to meet you."

student councilは生徒会。

「よろしくね」はnice to meet you(はじめまして)になっています。英語には「よろしくね」に相当する言葉がないため、翻訳には初対面時の挨拶であるnice to meet youが当てられるのが定番です。

このように汎用の挨拶言葉で代用される似たような例として、他に「お疲れ様」「いただきます」「ごちそうさま」などがあります。



heart pounds

しばらくの間、侑は生徒会に手伝いに通うことになりました。そこで侑は、燈子がこれまでに何人からも告白されているけど全て断っていることを知ります。

「だって今まで好きって言われて どきどきしたことないもの」

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Although they all say they like me... None of their confessions have made my heart pound.
(みんな私を好きって言ってくれたけど どの告白にもどきどきしなかった)

ほぼ日本語版通りですが、やや具体的な言い回しになっている感じがしますね。

英語的に注目なのは、「どきどき」がheart(心臓、心)の動きで表現されていること。今回の場合、heart(心臓)がpound(高鳴る)という表現になっています。

他によく見る「どきどき」の言い換えとしては、my heart throbs(心臓が鼓動する)、my heart beats fast(心臓の鼓動が速くなる)などがあります。この本のあらすじではheart aflutter(心臓が動悸する)という表現が使われていましたね。

英語では日本語ほど擬音が多くない(というか日本語が多すぎる)ため、英訳の際にはこのようにさまざまな言い換えがされます。英語版を楽しむ際に注目したいポイントの1つです。



special

ひょっとして燈子も、自分と同じ悩みを抱えているのかもしれない──。そう考えた侑は、思い切って燈子に相談をします。中学の同級生に告白されたけど、どう答えるべきか迷っていること。そして、そもそも誰のことも「特別」と思えないこと。

「でも私には 特別って気持ちがわからないんです」

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But I... I don't understand. I've met anyone who's felt "special" to me.
(でも私… わからないんです。『特別』と感じられる人と出会えたことがないんです)

ここも日本語版よりちょっと具体化されている感じです。「特別」は作品全体を通してキーワードになっているので、最初のうちに具体的なイメージを読者に持たせようという意図があるのかもしれません。



falling in love with you

燈子は、侑のそんな葛藤を否定しませんでした。燈子自身にも覚えがある感情のようです。燈子は、ありのままの侑を肯定します。

「君はそのままでいいんだよ」

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There's nothing wrong with the way how you feel.
(君がそう感じるのは、おかしいことなんかじゃないよ)

nothing wrong with〜は、「〜には問題がない」という意味。the way how you feel(君の感じ方)は何の問題もない、だからそのままで良いということですね。意図することは日本語版と同じですが、視点がちょっと変わって新鮮な印象になっています。「君」全体の中から「感じ方」に絞って言及しているという点では、これも具体化の一種でしょうか。




侑の言葉で勇気づけられた侑は、少し自信が持てました。例の同級生からの告白もはっきりと断ります。

安心した侑でしたが、その手を燈子が突然握りしめます。驚く侑に、燈子は思わぬ言葉を告げます。


「だって私 君のこと好きになりそう」

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I think I might be falling in love with you.

fall in love with〜は、「〜に恋をする」という意味。

英文法的には現在進行形になっているのがポイントです。現在進行形を使うことで、今まさにその過程の途中だということ、あるいはごく近い将来にそうなるだろうという予想が表現できます。



「この人が何を言っているのか わからない」
I don't understand... What is she saying?

そんな侑の困惑とともに、第1話は終わっています。



というわけで、とりあえず第1話を英語的な視点から紹介しました。

基本的に日本語版に忠実な翻訳です。元々の意味を大切にしつつ、英語として不自然にならないような配慮がされています。「やがて君になる」の魅力を十分に表現できている翻訳だと面ます。

意味は同じだけど言い回しが少し変わっている部分もときどきあって、新鮮な印象を与えてくれます。日本語版でやや抽象的・象徴的だった表現が、英語化にあたって具体的なイメージを与えられているあたりに注目です。特に日本語版のPVで使われていた台詞たちは、英語版と比べてみると楽しいポイントだと思います。



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洋書扱いですがAmazonで日本からも買えるので、英語に興味がある人であれば是非おすすめです。



なお、英語の学習目的であれば日本語版と並行して読むのをおすすめします。「英語→日本語」あるいは「日本語→英語」と交互に比べることで、2つの言語を瞬時に変換する能力が身に付くためです。英語だけ読むと正しい意味がわからなくても放置されがちだというのもあります。

英語版と並行して読む場合は、閲覧しやすい電子書籍版がおすすめです。

  
  
posted by trinder at 08:05| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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