海外の作品ということで、全編英語。公式の紹介文によると、ゲーム概要は以下のような感じ。
"Love Ribbon" is a yuri (girl x girl) visual novel about forbidden love between two sisters.
(「Love Ribbon」は、姉妹の禁じられた恋を描く百合(女の子×女の子)ADVです)
これは期待できそうですね。
上記のとおり全編英語ですが、舞台は日本。ストーリーも姉妹百合の王道的なものなので英語に抵抗がなければ楽しめると思います。日本からも問題なく購入可能で、980円とお手頃です。
英語に関してもそこまで難しくはないかと思います。参考用によく出る単語を以下の記事にまとめています。
【参考記事】
出る順? Love Ribbon 英単語帳
今回は、ゲーム序盤のストーリーを簡単に紹介してみます。なお引用した英文には日本語訳をつけますが、私が雰囲気で適当に付けたものなのであしからず。
ストーリー
主人公のアイリス(Iris)は、お嬢様女子校への編入が決まったばかりの女の子。外国人みたいな名前ですが、作中で名前や容姿について特に触れられないので、この世界では普通なのかもしれません。他の登場人物もだいたい外国人風の名前です。でもあくまで舞台は日本。
ちなみに学校の名前は"Lilium High Shool"。文字通りには「百合高校」という感じでしょうか。一応、アイリスは成績優秀により奨学金がもらえる特待生らしいです。
学校の下見に向かったアイリスは、1人の女の子とすれ違います。いつの間にか、アイリスの目はその子に吸い寄せられていました。

Even from behind, her long black hair and pure white skin catch my eye.
(後ろ姿からでも、彼女の長い黒髪と白い肌は私の目を惹いた)
She exudes an unmistakable air of maturity despite appearing to be around my age.
(私と同じくらいの年なのに、彼女はとても大人っぽく見える)
A cool beauty with a appeal I find my eyes immediately drawn to.
(その冷たい美しさに、私の目は吸い寄せられた)
その女の子には、アイリスを強く惹きつける何かがあるようです。
The mere sight of this girl causes my body to mulfunction.
(その女の子をひと目見ただけで、私は体が動かなくなった)
My throat is paralyzed, my face is hot, and my heart is beating so quicky ly I fear it may burst.
(のどが渇き、顔が熱くなり、鼓動が早くなって心臓が破裂しそうなほどだった)
その女の子は、じっと見ているアイリスを不思議がりながらも、そのまま立ち去っていきました。しかしアイリスの心には、名前も知らないその女の子の姿が強く焼き付きます。
そして夕方。アイリスはこれから自分の住むことになるアパートに到着します。学校は基本的に全寮制なのですが、寮に空きがなかったため父親の借りたアパートに住むことになったのです。
ただしここに来て、アイリスは父親からの電話で思わぬことを告げられます。実は一人暮らしではなく、ルームメイトがいるのです。しかもそのルームメイトとは、自分の妹。名前はゾーイ(Zoey)というようです。
アイリスの家庭には複雑な事情があるようで、父親と母親は長い間離れて暮らしていました。ずっと父親側についていたアイリスは、母親のことはほとんど覚えていません。対して妹のゾーイは母親側についており、アイリスはその存在すら知りませんでした。当然、会った記憶もありません。
突然決まった、まだ見ぬ妹との同居生活。アイリスは不安を覚えつつも、それ以上に期待に胸を膨らませます。そして玄関に誰かの気配を感じて、かけつけると……

Iris: Z... Zoey?
アイリス「ゾーイ…だよね?」
Zoey: That's my name.
ゾーイ「そうだけど」
Zoey: You're Iris, right?
ゾーイ「そっちはアイリスだよね?」
それは、アイリスが昼間に思わず見とれた女の子でした。思わぬ形での再会に、アイリスは驚きます。ですが、ゾーイはそっけない反応。必要なことだけ確認すると、さっさと自分の部屋に行こうとします。アイリスは少しでも親睦を深めようと声をかけますが……
Zoey: Look, I don't know what our fathr told you, but I'm just here to eat and sleep, got it?
ゾーイ「父さんが何て説明したかは知らないけど、あたしここではご飯食べて寝るだけだから」
Zoey: So make yourself useful and unpack, or something. I'll find the bedroom myself.
ゾーイ「自分の荷ほどきでもしてたら?あたしも自分の部屋に行く」
結局、その夜はまともな会話もないままでした。
次の日、学校。アイリスは数学(厳密には微分積分:calculs)の授業にてゾーイと意外な再会を果たします。どうやら、数学が得意なゾーイはこの授業だけは1つ上の学年のものを受けるよう指示されたようです。変わったシステムの学校ですね……。
ゾーイは学校でも相変わらずアイリスに冷たい態度です。もはやほとんど無視に近い状態。最初はゾーイと一緒なのを喜んだアイリスでしたが、だんだん胃が重くなります。
家に帰っても、ゾーイの態度は相変わらず。しかも、夜間にどこかに出かけようとします。夜の外出は危ない(あと校則でも禁止されている)からと、アイリスは止めようとしますが……。

Zoey grabs me by the shoulders and pushes me against the wall.
(ゾーイは私の肩をつかみ、壁に押し付けた)
Zoey: Shut up. What I choose to do is my business, and nobody eles's.
ゾーイ「黙っててよ。私が何をしようが私の勝手。他人には関係ない」
Zoey: You have no right to tell me what to do.
ゾーイ「私に命令する権利なんてあんたには無い」
それでも、アイリスはなんとかしてゾーイを止めようとします。
Iris:B-But I'm your sister! I don't want to see you get hurt or anything...
アイリス「でも、私はお姉ちゃんなんだよ!もしあなたが何か危ない目に遭ったりしたら…」
Zoey: Don't give me that shit.
ゾーイ「うるさい!」
Zoey: You think a day of knowing one onether and some vague blood relation makes us sisters? Don't make me laugh.
ゾーイ「知り合って1日だけで、ちょっと血が繋がってるだけで、もう姉妹のつもりなの?笑わせないで」
Zoey: You're just a nosy little do-gooder who can't keep out of other people's business.
ゾーイ「あんたなんか、おせっかいなだけの偽善者よ」
結局、ゾーイはアイリスの制止も聞かずに出かけてしまいました。翌日は学校までサボったようで、実家に連絡が行くほどの事態に。
これ以上放っておけないと感じたアイリスは、ゾーイが何をしているのか調べ始めます。まず手始めに、ゾーイの部屋を物色。そこでアイリスが見つけたのは、クラブやバーのチラシでした。学生に行くような場所ではありません。
いよいよゾーイのことが心配になったアイリスは、ゾーイの後をつける決意をします。放課後、アイリスはどこかに出かけるゾーイをこっそりと尾行。ゾーイを追ううち、アイリスはクラブやバーの立ち並ぶ一角へと辿り着きます。学生には場違いな雰囲気に、アイリスはいよいよ不安に。
ゾーイが入っていったのは、とあるバーでした。アイリスはそこで、ゾーイの意外な姿を目にします。

"Is that... Zoey?"
(あれは…ゾーイ?)
My eyes go wide as I see her up on the stage, guitar in hand.
(ギターを手にステージに上がっている彼女を見て、私は目を見開いた)
She's softly singing int the microphone and playing while doing so.
(彼女はギターを弾きながら、マイクに向かって優しく歌う)
I can't believe this beautiful song is coming from the same girl who seems to have a permanent scowl on her face.
(いつもしかめっ面をしている彼女から、こんな綺麗な歌声が出てくるなんて信じられないほどだった)
ステージ上のゾーイに見とれるアイリス。しかしその時、酔っぱらいがアイリスに声をかけてきました。アイリスが嫌がっても、その酔っぱらいはしつこく絡んできます。ついにはアイリスの手をつかんだり、かなり危ない雰囲気です。そのとき……
"Get the hell away from her!"
ゾーイ「その子から離れろ!」
アイリスに気づいたゾーイが、ステージから叫んでいました。
バーは騒然とした雰囲気になり、注目を集めてしまった酔っ払いはさすがに手を引きました。しかし、当然ステージは台無しに。ゾーイは、アイリスを連れて店から抜け出します。

Zoey: Are you okay?
ゾーイ「大丈夫だった?」
Iris: I-I'm fine. I'm just... not used to that.
アイリス「だ、大丈夫。ああいうのって慣れてなくて……」
Zoey: I't probably a good thing that you're not.
ゾーイ「慣れてないなら、そのほうがいいよ」
当然ながら、ゾーイはそもそもなぜアイリスがあの場にいたのか訝しみます。アイリスは、ゾーイが心配で後をつけていたことを正直に告白。
Iris: I'm really sorry.
アイリス「ごめんね」
Zoey: ...I'm sorry I worried you.
ゾーイ「あたしも、心配かけて悪かったよ」
2人は、帰り道の公園のベンチで話をします。今日のゾーイは、これまでよりちょっとだけ素直です。

Iris: Can we... stay like this a little while longer?
アイリス「もうちょっとだけ、ここにいたいね」
Iris: If we go back to the apartment, you're not going to hate me again, are you?
アイリス「家に帰っても、もう私のこと嫌わないでね」
Zoey: Look, I... I don't... hate you...
ゾーイ「あのさ、あたし……あんたのこと嫌いなわけじゃないんだ」
ゾーイはアイリスを誤解していたと言い、これまでの態度を謝ります。そして、夜に外出していた理由を語ります。
ゾーイは音楽をやっており、ギターなどを買うためのお金が必要だったのです。そのための手段が、(年齢を誤魔化しつつ)バーやクラブに出演して演奏すること。ただし、期待したほどの稼ぎにはなっていなかったようです。
ゾーイが悪いことをしているわけではないと知ったアイリスは、まずは一安心。バーでの演奏を聞いて感動したこともあり、アイリスは自分なりの方法でゾーイに協力することを申し出ます。
Iris: Zoey, I'll help you!
アイリス「ゾーイ、私、協力するよ!」
Zoey: You will?
ゾーイ「本当?」
Iris: Of course! What are sisters for , after all?
アイリス「もちろん!だって姉妹だもん!」
こうして2人は無事に家に戻り、とりあえず一見落着?ちょっとだけ姉妹らしくなってきた2人がこの先どうなるのか、目が離せません。
ゲーム序盤(と思われる)のストーリーを簡単に紹介してみました。
突然姉妹ができたことに対して戸惑いながらも、少しずつお互いを知っていく主人公達の姿が描かれています。姉妹百合の王道ともいえるストーリーです。ティーン向けのTVドラマのような、青春っぽい雰囲気も強く感じます。
テキストは非常に丁寧に書かれており、綺麗な英文となっています。ときおり難しめな単語は登場しますが、故意に難しくしている感じはなく、あくまで必要十分なレベル。英会話の勉強にも良さそうです。
ビジュアル面の美しさも注目です。日本の美少女ゲームに目の慣れたプレイヤーから見ても違和感のない、綺麗なイラストが使われています。解像度も低価格作品としては高めで、美しい画面となっています。(なお、この記事で引用した画像はテキスト部分を読みやすくするために左右をカットしていますのであしからず。ゲーム本編はちゃんとフルサイズです。)
また、一部の重要シーンではイベントCGがアニメーションします。今回紹介した場面だと、アイリスとゾーイの初対面のシーン、ゾーイのギターのシーンなどがちょっと動きます。
このようにテキスト面、ビジュアル面でとても魅せてくれる作品です。英語で百合ゲーをプレイしてみたい人、特に姉妹百合好きな人におすすめです。
Love Ribbon(Steam)
ちなみに、公式で18禁化パッチも配布中です。
パッチ配布ページ(制作者さんの公式サイト)
Steamは性的表現に規制があるようで、エッチシーンを別サイトで追加配信するという形式はたまに見られます。これもその一例ですね。
その後のストーリー
その後のストーリーから、印象的なシーンをいくつか紹介しておきます。ゲームの雰囲気を感じ取ってもらえたら幸いです。

Zoey: What's wrong? Aren't you going go make us even?
ゾーイ「どうしたの?おあいこにするんでしょ?」
Iris: That was... my intention.
アイリス「そのつもり…だったんだけど…」
It dawns on me that Zoey has been drinking from this. If I went through with my plan, we would be sharing an indirect kiss.
(でもこれ、ゾーイが飲んでたんだよね。これって、間接キスになるんじゃ…)

Iris: Zoey... You're a bit... close...
アイリス「ゾーイ…ちょっと近すぎない?」
Zoey: Does it bother you?
ゾーイ「嫌だった?」
Iris: No... I wouldn't say that.
アイリス「そうじゃないけど…」
Zoey: Then there's no proble.
ゾーイ「ならいいじゃない」

Maybe this is what having a sister is like?
(姉妹がいるって、こういうことなのかもね)

Before I can finish speaking, Zoey covers my lips with her own.
(私が話し終わる前に、ゾーイの唇が私の口を塞ぐ)
She moves one hand from my shoulder to my face, gently running her fingers across my skin as her entire body overlaps mine.
(ゾーイは手を私の肩から顔に回す。全身で私に覆いかぶさりながら、指は私の肌の上をやさしく走った)

Whatever angst or lust you feel, just come to me. I'll take it all in.
アイリス「どんな苦悩も欲望も、全部私にぶつけて。受け入れるから」
Did you play any other yuri OELVN? Like Starlight Vega (by Love Ribbon's author), Highway Blossoms, A little Lily Princess, Lady Killer in a Bind (the first uncensored sex game on steam) or The Sad Story of Emmeline Burns? All of them are on steam.