2017年05月19日

通訳案内士試験に役立つ百合漫画 地理・英語編

現在、平成29年度の通訳案内士試験が願書受付中です。

通訳案内士試験概要 - Japan National Tourism Organization


通訳案内士というのは、外国人観光客に日本を外国語で案内するのに必要な国家資格。近年の外国人観光客の急増にともない、さらに注目度を上げています。

私は昨年この試験を受験し、なんとか合格することができました。

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今回の記事では、通訳案内士の勉強に役立った(あるいは、もし読んでいたら役に立っていた)百合漫画を紹介しようと思います。冗談だと思われるかもしれませんが、勉強に使える百合漫画が意外とあるんです。


まず通訳案内士試験の内容を簡単に紹介すると、科目は大きく分けて以下の4つです(外国語で英語を選択した場合)。

・英語(1次試験の筆記・2次試験の口述)
・日本地理(1次試験の筆記)
・日本歴史(1次試験の筆記)
・一般常識(1次試験の筆記)

このうち百合漫画でカバーできそうなのは、英語と地理。まずは地理から紹介していきます。


地理編


北陸とらいあんぐる(ちさこ)



石川・富山・福井出身の3人の女の子が、ご当地ネタを語りまくる漫画です。

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金沢のある石川県は外国人観光客に人気があるため、通訳案内士試験では頻出です。最近だと平成27年度試験で出題。

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富山も意外に油断できません。上の画像のコマでも言及されている「立山黒部アルペンルート」は実際に出題されたことがあります。

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福井も…… そのうち出ないとも言い切れないかも?


ところで、作者のちさこさんは百合姫コミックスもいくつか出している漫画家さんです。本作でもちらほら百合ネタが見られます。今のところあくまでネタですが、今後の展開に期待。

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参考記事:「北陸とらいあんぐる」第1巻(ちさこ)



ヤマノススメ



登山に熱中する女の子たちを描いた漫画。アニメ化もされている人気作です。

作中で取り上げられるのは、関東周辺の山々が中心です。高校生である主人公たちの行動範囲の限界もあり、必ずしも有名な山ばかりではありません。でもそのへんのやりくりもみどころだったりします。

外国人観光客に人気がありそうな山だと、高尾山が取り上げられたことがあります。人気キャラであるここねの初登場エピソードです。

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通訳案内士では、高尾山は平成27年度試験で出題実績あり。この漫画の読者なら答えられたはず。

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富士山をフィーチャーしたエピソードがあるのも注目です。主人公の初めての本格的な挫折を描き、物語の転機となりました。現在は、富士山への再挑戦が主人公の大きな目標となっています。富士山は通訳案内士試験の超頻出事項なので、富士山の回は念入りに読んでおいて損はありません。


個人的には、この作品の最大の魅力は山への興味を持たせてくれることだと思います。山をテーマにしつつも同時に女の子たちの友情や成長を描いているため、山を身近な存在に感じることができます。山の標高とか位置関係がどうしても覚えられない!という人はぜひ読んでみてください。


参考記事:山の日なので「ヤマノススメ」を読もう(11巻まで&アンソロジー)



ゆりてつ(松山せいじ)



合ヶ咲女子高校鉄道部、略して「ゆりてつ」。4人の女の子たちが、鉄道で全国を旅しながら百合百合します。鉄道そのものに限らず、周辺の観光情報も豊富。文字情報が多いので、まさに勉強用としてもうってつけです。

「ヤマノススメ」が山に興味を持たせてくれる漫画だとすれば、「ゆりてつ」は鉄道に興味を持たせてくれる漫画です。山も鉄道も、通訳案内士試験では頻出事項。

ただし、やや古い作品(2011〜2013年リリース)のため情報の鮮度には注意が必要です。最初のエピソードでフィーチャーされている寝台列車「北斗星」からしてすでに走っていません。この漫画で地理の勉強をする際は、現在の状況の確認を忘れずに。


参考記事:
「ゆりてつ 〜私立百合ヶ咲女子高鉄道部〜」第1巻
「ゆりてつ 〜私立百合ヶ咲女子高鉄道部〜」第2巻
「ゆりてつ 〜私立百合ヶ咲女子高鉄道部〜」第3巻
「ゆりてつ 〜私立百合ヶ咲女子高鉄道部〜」第4巻


鉄娘な3姉妹 (松山せいじ)



上記の「ゆりてつ」と同じく松山せいじさん作。やはり女の子たちが各地の鉄道を旅するお話です。

実は事実上「ゆりてつ」の前作に当たります。「ゆりてつ」でメインキャラの1人だった能登まみこは、もともとは「鉄娘な3姉妹 」のゲストキャラでした。

百合メインというわけではありませんが、一部のエピソードは百合要素があります。1回きりのゲストキャラ相手ですがキスシーンもあり。

主人公の3姉妹はのちに「ゆりてつ」にも登場し、まみこと再会を果たします。その際は「ゆりてつ」の主人公であるはつねにちょっと嫉妬され、百合っぽい雰囲気に。

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「ゆりてつ」の前日譚としても読んでみる価値はあると思います。ただし「ゆりてつ」よりもさらに古い作品のため、情報の鮮度には注意が以下略。



お前はまだグンマを知らない (井田ヒロト)



関東の北のあたりにあるらしい未開の地「グンマ県」を舞台にしたご当地ギャグ漫画。富岡製糸場や草津温泉といった有名観光地から、マニアックなローカルなネタまで幅広くカバーしています。

タイトル通りグンマネタが中心ですが、近隣のトチギ県やイバラキ県、ニイガタ県などとの醜い抗争もたびたび描かれています。結果、北関東全般のネタに詳しくなれるスグレモノ。最近は愛知出身の新キャラなども登場しました。

徹頭徹尾おバカなギャグ漫画ですが、私にわかる限り嘘は書かれていません。客観的事実とギャグとして誇張された部分が容易に判別可能なので、実は結構勉強に使いやすいです。


なお、主人公はグンマに転校してきた男子高校生です。ではどのへんが百合なのかというと、主人公たちのクラスに1人百合キャラがいます。家城瑛南(いえき てるな)という女の子(愛称イエティー)で、親友の篠岡京(愛称篠っち)に恋しています。1巻の最後にある公式キャラ紹介によると「ガチレズ。篠岡のためなら死ねる」。

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一見脇役なのですが活躍の機会は意外と多いです。イエティーが主人公で篠っちがヒロイン、といった構成のエピソードが描かれたことも何度かあります。第4巻ではイエティーが表紙に抜擢。

公式でガチレズ認定されているだけあって、イエティー関連の百合描写はかなり本格的です。篠っちに対する同性愛的感情で悩む姿が、ギャグ漫画としては若干浮いているレベルでシリアスに描かれます。

ただし篠っちのほうは、どうやら主人公(男性です)に気があるようです。そのため最近のイエティーは、篠っちと主人公の接近を阻止するために行動することが多くなっています。


イエティー関係意外だと、イメージ映像で何度か登場する富岡製糸場の工女たちがなぜか百合な感じに描かれています。

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世界遺産の実態は、女学校のような百合百合空間だったのかも……?


みかはな週末とりっぷ(アザミユウコ)



3人の社会人女性が、週末を利用してあちこちおでかけ。

行先は近場から有名観光地まで様々。ただし観光地の紹介よりも3人のかけあい重視の作風です。旅先の地名や施設名があまり具体的に紹介されないこともあります。旅行のワクワク感や、各観光地のおおまかな雰囲気をつかむのにはよさそうです。



英語編

今年になってから、百合漫画の英語訳版が多数出版されています。

 

参考記事:
Bloom into You (英語版「やがて君になる」) 英単語帳
Kindred Spirits on the Roof(漫画「屋上の百合霊さん」)英単語帳
Kiss and White Lily for My Dearest Girl(英語版「あの娘にキスと白百合を」)Vol.1
Kase-San and Morning Glories (英語版「あさがおと加瀬さん。」)


そんな中でも通訳案内士試験対策として圧倒的実用性を誇るのが、英語版「きんいろモザイク」です。


きんいろモザイク(英語版)



イギリスから日本に留学してきた女の子・アリスと、忍をはじめとする友人たちの交流を描いた作品です。アニメ化もされている有名作なので説明の必要もないかもしれませんね。

作中、まだ日本に慣れていないアリスに忍たちがいろいろ教えてあげるシーンがよく登場します。「日本を外国人に紹介する」というのは、まさに通訳案内士の専門分野。英語の口述試験(いわゆる二次試験で、面接形式)で非常に参考になります。


巻末の解説ページが非常に充実しているのも大きな魅力です。ここでは漫画本編に登場した日本文化について、外国人の読者に向けた解説が書かれています。

例えば、漫画の中に「こけし」が登場すると……

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巻末で「こけし」とは何かが解説されます。

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The kokeshi doll is a traditional wooden doll with no arms or legs.
(こけしは伝統的な木製の人形で、手足がないのが特徴です)


どの解説も、簡潔ながらも正確でわかりやすいです。そのまま覚えておいて損はないレベル。

伝統文化に限らず、日本人以外には伝わりづらいネタには徹底的に補足が入っています。アニメや漫画のパロディの元ネタも解説してくれる親切ぶり。

さらには、翻訳の都合で内容が変更された箇所はこの解説コーナーで本来の内容を紹介しています。翻訳にあたっての試行錯誤がうかがえるという意味でも興味深いです。

もはやもう一つの本編といっても過言ではない充実ぶりの、巻末の解説コーナー。ぜひ飛ばさずに読んでみてください。


参考記事:Kiniro Mosaic(英語版「きんいろモザイク」)Vol.1



通訳案内士の試験に使えそうな百合漫画を、思いつく限りに挙げてみました。他にもよさそうな作品があったらぜひ教えてください。

   

  
 
posted by trinder at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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