2017年10月27日

ハロウィン記念!百合吸血鬼特集

10月31日はハロウィンです。日本でもすっかりメジャーな行事になりつつあり、街はイベントやセールで賑わっていることと思います。

ハロウィンでは様々な仮装がされますが、代表的なものの1つが吸血鬼。実は吸血鬼はここ数年の百合界隈でたいへん盛り上がっているジャンルです。

そこで今回の記事では、百合漫画に登場する吸血鬼を思いつく限りで紹介します。


「吸血鬼ちゃん×後輩ちゃん」嵩乃朔



あらすじ

人見知りの女の子・沙羅は、生徒会長のアイリスが吸血鬼だったことを知ってしまいます。そして自身も、アイリスの「花贄(はなよめ)」として血を吸われることに。傲慢なアイリスに最初は戸惑っていた沙羅ですが、ときおり見せる優しさや儚さに次第に惹かれていき……?


みどころ

今回取り上げる中でも一番新しい作品。今年9月に単行本第1巻が出たばかりです。成人向けの百合漫画も出している嵩乃朔さんの作品ということで、官能的な吸血シーンが魅力です。

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吸血箇所や吸い方にもこだわりが見られ、フェティシズムを感じます。

吸血鬼(作中では「蝶鬼」とも)の謎と、それをめぐる世界のあり方も注目ポイント。今後の展開が楽しみな作品です。

【参考記事】
「吸血鬼ちゃん×後輩ちゃん」第1巻(嵩乃朔)



「かみつき学園」第1巻(キダニエル)



あらすじ

吸血種族「エピキュリアン」が、人間を支配・管理している世界。エピキュアンの少女・雫は、吸血用として人間の女の子を1人与えられました。自らを「家畜一号」と名乗るそのニンゲンは、名前とは裏腹に凛とした佇まい。遠慮もあって普段は抑えている雫ですが、おいしそうな血の香りにときどき我慢できなくなり……。

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みどころ

吸血鬼側が人間を支配しているという世界観が特徴的です。といっても(作中を見る限り)人間を力で押し付けているわけではなく、お互いに必要なパートナーとして共存している模様。ある種の主従もののような要素も感じさせます。

エピキュアンがニンゲンから摂取する血液は、互いが感じる「ときめき」によって効果が上昇するという設定です。いわばエピキュアン×ニンゲンの恋が合法的に推奨されているようなもの。エピキュアンとニンゲンの、様々な形の絆が楽しめそうです。

【参考記事】
「かみつき学園」第1巻(キダニエル)



「遠藤靖子は夜迷町に隠れてる」第1巻(FLOWERCHILD)



あらすじ

薪岡しずえは、ある日クラスメイトの遠藤靖子に襲われ血を吸われてしまいます。靖子はしずえの血が気に入ったと言い、継続的な血の提供を要求。

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当然ながら警戒するしずえでしたが、靖子の「メシをおごる」という交換条件にまんまと釣られてしまいます。ついには、靖子はしずえの家に住み着くまでに。

その頃、町では若い女性の連続失踪事件が話題になっていました。ある者はミステリアスな靖子に疑いを抱き始め……。


みどころ

「メバエ」などにも参加していたFLOWERCHILDさんの作品。吸血鬼っぽいけど正体不明な、不思議な女の子をめぐるコメディです。

靖子はどうみても吸血鬼としか思えない特徴を備えていますが、靖子本人やしずえは(不自然なほどに)認めていません。周囲からいくら疑われても意に介さず。そんな雰囲気の中でシュールな日常が繰り広げられます。

1巻後半で突然男性キャラが活躍を始めたり、いろいろな意味で先が読めない作品です。


【参考記事】
「遠藤靖子は夜迷町に隠れてる」第1巻(FLOWERCHILD)



「制服のヴァンピレスロード」(松本トモキ)



あらすじ

夕凪(通称ユウ)は、吸血鬼のリンに血を吸われたことで自身も吸血鬼になってしまいます。他言を禁じられたユウでしたが、親友の七夕(通称ナナ)にだけは事情を告白。秘密を共有するパートナーとなりました。

ユウは吸血鬼となったことで、人間離れした身体能力を得ていました。さらには、同性を強く惹きつける魅力も。ユウは学校でこれまで以上に目立つ存在となり、秘密を守るのはなおさら困難に……?


みどころ


吸血鬼ものであると同時に、百合ハーレムもの。最初こそ男性吸血鬼に噛まれるところから始まりますが、彼はあくまで先輩吸血鬼としてのアドバイザー的な役割に落ち着きます。主な舞台は女子校であり、そこでのユウの活躍(?)がメイン。なお、女性を好むのは吸血鬼としての特性というよりユウの趣味である可能性がほのめかされています。

ユウの親友のナナが正妻的なポジションですが、他の女の子たちも次々にユウとの吸血関係を結びます。ナナのちょっとした嫉妬もみどころです。

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なお、吸血はされるほうも「気持ちいい」という設定。吸われる側のリアクションにも注目です。


【参考記事】
「制服のヴァンピレスロード」第1巻(松本トモキ)
「制服のヴァンピレスロード」第2巻(松本トモキ)



「となりの吸血鬼さん」(甘党)



あらすじ

人間の女の子・灯(あかり)は、ひょんなことから吸血鬼の女の子・ソフィと友達になります。かわいいものが大好きな灯はソフィーをとても気に入り、ついにはソフィーの家に一緒に住まわせてもらうことになりました。でも吸血鬼であるソフィーは夜行性で、普通の学生生活を送る灯とは生活がすれ違いがちだったり……。


みどころ

吸血鬼と人間の同居コメディです。百合漫画満載の4コマ誌「コミックキューン」の百合吸血鬼枠。基本的には日常もので、吸血鬼なりに現代社会に適応しているソフィーの言動が笑いを誘います。

シリアスな要素はまったく無く、灯とソフィーはとても仲良しです。灯は喜怒哀楽をはっきり表す娘で、ソフィーとの関係を「相思相愛」「結婚したも同然」と表現するなどかなり飛ばしています。

灯が吸血鬼であるソフィーをまったく怖がらないどころか、むしろ血を吸われたがっているのも面白いところ。しかし、ソフィーはいくら血に飢えても灯からは吸わないようにしています。

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その理由は第2巻で明かされています。灯が友人だからこそ、血を吸うのが癖になって危険にさらすのを避けたい。そんな独特の友情と共存意識が描かれていました。


ちなみに吸血鬼関係以外でも百合要素が豊富で、特に灯の親友のひなたは明らかに灯に恋しています。

【参考記事】
となりの吸血鬼さん 第1巻 / 甘党
「となりの吸血鬼さん」第2巻(甘党)



「道割草物語」(武川慎)



あらすじ

人間が滅びてしばらく経った世界。生き残ったのは、ほぼ女性のみで構成される吸血鬼たちでした。お互いの血を吸いあえば、食べるものにも困りません。彼女たちは、人間文明の遺産を活用しながら平和な生活を送っていきます。


みどころ

最近は「ゆりひめ@ピクシブ」にも参加している武川慎さんの作品。人間はすでに滅び、吸血鬼しか存在しないというSF的世界観を含む作品。

吸血鬼同士で血を吸い合う行為が、食事として日常的に行われているのが特徴的です。ある種の求愛行動も兼ねており、吸い方や相手によって様々なやり方が見られます。

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なお吸血鬼に女性しか登場しないのは漫画にはよくあることですが、この作品ではその点にも設定上の理由付けが与えられています。

【参考記事】
道割草物語(上下巻)/ 武川慎



「天秤は花と遊ぶ」(卯花つかさ)



あらすじ

名門女子校・ロータス女学院の転校生である謡子は、皆のあこがれのクラスメイト・愁の秘密を知ってしまいます。愁は「吸血症」と呼ばれる特殊体質で、定期的に人の血を吸わなければなかったのです。さらには、18歳になるまでに男女どちらの血を多く飲んだかによって、自らの性別が決まるといいます。

謡子は愁の秘密を守ることを約束し、さらには血の提供を含むサポートを申し出ます。

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最初は遠慮していた愁も、謡子の明るく積極的な人柄、そして血の味に少しずつ惹かれていきます。


みどころ

最近は「アニマエール!」などにもちょっとだけ百合要素を入れていた、卯花つかささんの作品。明るく元気な主人公と、(吸血含め)いろいろ二面性のあるヒロインの交流を描いています。

吸血衝動に苦しむヒロインに主人公が血を差し出すのは、吸血百合の王道的な展開。ですがこの作品の場合、特定の性別の血を飲むことが将来の性別選択につながるという設定が特徴的です。

愁は謡子に惹かれていき、躊躇しつつも謡子の血を飲むことが増えていきます。謡子の血を特別おいしいと感じているようですが、これは「好きな人の血はおいしく感じる」という設定によるものだとか。

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愁は自分が謡子に抱き始めた特別な気持ちに戸惑いつつも、やがてはっきりと好意を自覚するに至ります。ですが、ここで性別選択の問題が。女性である謡子とずっと一緒にいるために男女どちらが適しているかは、一概には言えません。

最後に愁が謡子を「好きだから」こそ下した決断には賛否両論がありそう。ですが、個人的にはそこも含めて1つの考え方としてとても面白い作品だと思います。


ちなみに、謡子×愁以外にもいくつか女の子同士の恋(に近い関係)が描かれています。愁が生徒たちの憧れの的である他、謡子にも次第にファンが付きます。中にはラブレターを送ってくる子も。

また、サブキャラクターの愛華とリコは幼馴染で親友。愛華が「男と女だったら付きあってたかも」とまで語る仲です。この台詞は、愁が終盤にする決断にも影響を与えているものと思われます。


「いいなり!! 吸血姫」(草壁レイ)



あらすじ

ルクレツィアは、人間界に「至高の血」を求めてやってきた吸血鬼。しかし、退魔師の血を引く少女・依紀(いのり)に返り討ちにされ、子供の姿にされてしまいます。ルクレツィアは依紀の家に居候しながら、依紀の血を吸うチャンスを探ったり、元の姿に戻る方法を考えたりすることに……。


みどころ

子供になってしまった吸血鬼と、ドケチな退魔師美少女の同居生活を描くコメディ。

普段はくだらないことで喧嘩しているルクレツィアと依紀ですが、ここぞというときは友情を伺わせます。ルクレツィアが依紀の血を飲むことで大人の姿に戻ってパワーアップする、という王道ながら熱い展開も。

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ちなみに、依紀の幼馴染のゆいは依紀に特別な感情を抱いているようです。ただしかなりチョロく、依紀からは適当にあしらわれることが多いです。

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ハロウィンを記念して、吸血鬼が登場する百合漫画を思いつく限りで紹介しました。

吸血鬼の扱いや、吸血をどのように百合に絡めるかという点にそれぞれの個性が強く表れていると思います。ハロウィンの夜には、これらの作品を読み比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。





追記


この記事を書いた2017年秋以降にも新しい吸血鬼百合漫画が次々と誕生しています(一方で完結した作品も多いですが)。

詳細は、以下の感想記事で。

「ヴァンパイアちゃんが狙ってる。」
「吸血鬼はじめました。」第1巻(雨宮結生)
「キリング・ミー!」(あきやま)
 


posted by trinder at 00:20 | Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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