2017年12月29日

「FLOWERS冬篇」の感想

今年9月発売のPC版に続き、2018年3月にはPS Vitaへの移植も発表されている「FLOWERS冬篇」。



今回は、PC版をプレイしてのその感想を書きたいと思います。未プレイの人、Vita版でプレイするという人もいると思うのでできる限りネタバレは避けます。

物語


「ニカイアの会」の会長となった蘇芳が、多忙な業務に追われながらも、マユリの行方を探す姿が描かれます。その中で蘇芳は、アングレカム学院の知られざる歴史をも知ることに。主人公である蘇芳の恋物語を通して、世界観全体を総括する壮大な物語となっています。

キャラクター


物語の中では、これまでのシリーズで登場したキャラすべてが魅力的に掘り下げられています。「春篇」として「冬篇」シリーズ全体の主人公である蘇芳は、「ニカイアの会」の会長として振舞う成長した姿が描かれました。一方で、いまだ過去のトラウマにさいなまれる弱さも見受けられます。

立花は、悩む蘇芳を支える立場での活躍が描かれました。分岐によっては個別のエンディングもあり、「春篇」に続いて彼女もまたヒロインであることを印象付けています。


「夏篇」の主人公であるえりかも、蘇芳とはまた違った切り口で物語に関わります。人間嫌いだったえりかが、蘇芳のために惜しまず手を貸し、ときには本気で怒ったりもする。そんな姿にたしかな成長が感じられます。

「秋篇」のメインキャラクターたちも、それぞれの形で活躍しました。ときに蘇芳たちの敵として立ち塞がるという衝撃的な展開もありますが、彼女たちならではのやり方で物語を盛り上げてくれたと思います。


過去のシリーズで名前だけ出ていたキャラクター達も、グラフィックと声付きで登場。それぞれの立場から蘇芳たちに関わります。


そして、「春篇」のエンディングを最後に姿を消していたマユリもついに再登場。アングレカムの歴史にも関わる意外な設定とも関連し、物語のキーとなっています。つらい展開もありますが、待ち続けた蘇芳にとって(そしてプレイヤーにとっても)救いのある結末を迎えます。

感想


「春篇」から四作にわたる壮大な物語の中で、少女たちの恋と、それによって紡がれる物語が描かれました。どの作品も百合として、そして物語として想像以上に楽しいものでした。

百合をテーマにした作品が非常に少ない時代において、4部構成という長期的なプロジェクトを発表し、最後までやり遂げてくれたのはすごいことだと思います。

四部作もただ続きものだというだけではなく、主人公を分けることで各作品が明確な個性を持っていました。始まりの物語であり、一定の区切りを付けつつも後のシリーズへの布石を打った「春篇」。春の物語を承けつつも、主人公2人の恋愛物語として描かれた「夏篇」。真相の多くを知るはずの人物を主人公に据えつつも、あくまで個人としての苦悩を掘り下げ、さらに完結編への橋渡しでもあるという複雑な立ち位置の「秋篇」。そして、それらすべてを総括する「冬篇」。

内気な少女の成長物語として始まり、壮大な群像劇として最後まで描ききってくれました。私はシリーズが好きすぎて終わりを見たくなくてしまい、「秋篇」後半くらいからはときどきプレイに謎の拒否反応を覚えることすらあったのですが、今は最後まで見届けられたことをうれしく思っています。


後日、これまでのシリーズ全体を改めて振り返っての感想を書いてみたいと思います。
 




ラベル:flowers
posted by trinder at 21:23 | Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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