2018年07月21日

百合姫セールから短編集を特集 「キミイロ少女」「ときめく、はじめての。」他

先日の記事でお伝えした通り、現在Kindleストアで百合姫関連の大規模なセールが行われています。百合姫本誌のバックナンバーがポイント85%還元、百合姫コミックスの単行本が50%還元です。

【参考記事】
Kindleで百合姫セール 本誌85%還元&単行本50%還元 4月発売作品まで

今回はセール対象になっている百合姫コミックスの中から、短編集を紹介しようと思います。

短編集の魅力の1つは、続きものではないので事前情報などを気にせず気軽に読めること。電子版なら空いた時間に少しずつ読みやすいのもポイントです。

以下ではセール中の作品から、印象に残ったものを紹介していきます。おおむね、新しい順です。最後のほうはリアルタイムで読んでいた人のほうが希少なほど懐かしい作品もあるかも。

キミイロ少女 完全版(未幡)




「私の百合はお仕事です!」が人気の未幡さんのデビュー短編集。こちらはその完全版です。2018年4月発売。

「私の百合は〜」はやや特殊な状況下での百合を描いていますが、こちらは王道的で素直な作品が多くなっています。何を描きたかったのかを読者に伝えるのが、とても上手い感じ。読んだ後爽やかな気持ちになれる作品が多いです。

そんな中、「この街に人魚はいない」はちょっと変わったシチュエーションの作品。ハッピーとはいえない結末も含めて異彩を放っています。

ちなみに収録作の多くは他社の百合専門誌「ひらり、」が初出のようです。「ひらり、」との切ない別れ、そして百合姫との出会いを百合漫画風に綴ったあとがきはある意味必見。

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ときめく、はじめての。(野中友)




現在は「みらいのふうふですけど?」を連載中の、野中友さんの作品。自覚のない両想い〜付き合い始めくらいの、もどかしくも甘酸っぱい距離感を描いた作品が多いです。

表題作「ときめく、はじめての。」は、初めてのお泊りを描いた作品です。直接的な描写はないものの、かなりドキドキさせる表現も。

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恋に煩い(後藤悠希)




過去には「放課後にじげんめ!」などを出していた後藤悠希さんの作品。ややお色気多めです。

基本的には、おバカなノリのコミカルな作品が中心です。登場人物たちのいちいち大げさなリアクションが笑いを誘います。

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ただし一部にはかなりギスギスした重い話もあるので油断できません。でもそんな話でも大げさなリアクションは健在なので、シリアスなのか笑わせたいのかよくわからないことも。独特のシュールさをまとった作品です。

パルフェ おねロリ百合アンソロジー




短編集……とはちょっと違う気もしますが、セール対象なので紹介。タイトルの通り、お姉さん×ロリなお話を集めたアンソロジーです。

注目はおねロリといえばこの人、な伊藤ハチさん。今回も獣っ娘+おねロリなお話を描いています。毎回ほぼ共通したテーマでここまで色々な話を作れるのはもはや天才的とすらいえるかも。

おねロリのイメージがそれほど強くない作家さんもかなり参加しており、新鮮に楽しめます。「ゆるゆり」のなもりさんの作品は、友達の妹との接し方に戸惑う女の子を描いています。

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サイダーと泣き虫。(缶乃)




「あの娘にキスと白百合を」で人気の、缶乃さんの短編集。同人誌で発表した作品を(手直ししつつ)まとめたもののようです。KADOKAWA系以外で缶乃さんの作品を見るのはまだまだ珍しい気がするので、貴重かもしれません。

どのエピソードも女の子同士の恋を描いていることには違いないものの、どこか屈折した感情を含みます。

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このあたりは後の「あのキス」と共通するエッセンスを感じるかも……?

ちなみにボリューム的には表紙の女の子のお話より、中盤あたりのオカルト研究会のお話が多くなっています。部活ということでキャラクター数も多く、しかも全員女の子同士で恋愛します。一部4コマパートもあり、賑やかで楽しいお話となっています。

ちなみに一部作品は(百合漫画には違いないものの)男性キャラが絡みます。好みが分かれそうですが、ここもまた新鮮かも。

ダークチェリーと少女A(ちさこ)




現在はKADOKAWA系の「北陸とらいあんぐる」で人気のちさこさんですが、一時期百合姫にも参加していました。そのころの作品を集めた短編集です。

「北陸とらいあんぐる」では百合要素をあえてエッセンス程度に抑えられている印象ですが、こちらは百合姫掲載ということで思いっきりイチャイチャしています。

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可愛い絵柄と女の子っぽさを強調したエピソードの中で、ちょっとだけ毒がある作風が持ち味。

ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ(大沢やよい)




「2DK、Gペン、目覚まし時計。」が人気の、大沢やよいさんの初短編集。

表題作「ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ」は、動画配信(ぶっちゃけニ〇生)を舞台にした百合作品。主人公の奇抜な格好も含め当時の百合姫読者に多大なインパクトを与えました。

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「ブラックヤギー」以外にも、どこか変な子の登場するお話が多めです。個性派百合漫画を求める人におすすめ。

一方で、素直で王道的なお話や、ちょっと切ないお話もあり。作風の広さを感じさせます。

ちなみに後年発売された「完全版」があるはずなのですが、こちらは電子化されていないようです。つまりセール対象外。



水色エーテル(黒霧操)




普通の女の子たちの何気ない日常の中に、繊細かつ不安定な心を丁寧に描写しています。ふわふわした(過剰なほどに)女の子チックで可愛いらしい絵柄ですが、どこか闇を感じます。ショッキングな展開になることは決してないものの、必ずしもハッピーとは言えない結末も多いです。百合姫(百合姉妹)創刊当初からときおり見受けられる、切ない痛みを感じさせる作風。

黒霧 操さんはこれを含めて百合姫コミックスで短編集を4冊ほど出しているので、気に入った人はぜひ。

【参考記事】
水色エーテル(黒霧操)

かわいいあなた(乙ひより )




10年ほど前の百合姫にて、当時としてもどこか懐かしい作風で人気を集めた作品。

当時の百合姫は現在とはまた違う形で一般受け(というか男性受け)路線を取っており、賛否が分かれていました。乙ひよりさんはそんな中で、百合姫(百合姉妹)創刊当初を思わせる繊細な作風で静かな人気を呼んだ作家さんです。女の子同士の心の交流を丁寧に描いています。

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【参考記事】
「かわいいあなた」(乙ひより)

熱帯少女(吉富昭仁)




どこか懐かしい夏の田舎町を舞台に、女の子達の恋を描くオムニバスです。雰囲気的には、吉富さんの代表作「BLUE DROP」にかなり近いものを感じます。暑い夏に読みたくなる、ノスタルジックな作品です。当時の百合姫(というかその姉妹誌であった百合姫S)の、有名作家を積極的に起用する方針が良い方向に作用した短編集だと思います。

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【参考記事】
熱帯少女(吉富昭仁)

 


posted by trinder at 10:31 | Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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