2018年09月21日

「あの娘にキスと白百合を」第9巻(缶乃)

缶乃さんの「あの娘にキスと白百合を」第9巻を読みました。



少女たちの恋をオムニバスで描くこの作品。作品全体を通しての主人公であるあやかとゆりねの物語、そして各巻のメインとなるカップルのエピソードが並行して展開されています。第8巻では、生徒会を舞台に個性的なライバル百合が描かれました。

【参考記事】
「あの娘にキスと白百合を」第8巻(缶乃)

あらすじ


今回の第9巻の主人公は、3年生の桜田明日花(さくらだ あすか)と、2年生の萩本美風(はぎもと みかぜ)。

明日花はかつての怪我が原因で留年しており、それ以来人間嫌いでクールな性格になっています。ですがその一方でコスプレを趣味としており、その世界では結構人気のよう。

同じくコスプレを趣味とする美風はイベントで明日花と出会い、のちに同じ学校の生徒だったことに気付きます。明日花に憧れを抱く美風は、あるとき勇気を出して告白。

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明日花のほうも美風を気に入っていたようで、2人はつきあうことになりました。


ですが美風は、次第に明日花との間に距離を感じ始めます。明日花はいちいち他人に自分の気持ちを語ったり、理解を求めようとしません。春からの進路さえも一言も相談せずに決めていました。明日花は春から都会の専門学校に通うということで、美風に別れ話を持ち掛けます。

こうして、一度は別れる2人。しかし明日花もやがて、美風にきちんと自分の気持ちを伝えてこなかった過ちに気付くことになります。果たして、明日花は自身の卒業までの間に美風と再び心を通わせることができるのでしょうか……?

感想


明日花の複雑なキャラクター造詣が印象的なエピソードです。留年、クール、でもなぜかコスプレ好き。あと方言。イメージ的に必ずしもすんなりつながらない側面をいくつも併せ持った設定となっています。おそらく本人なりの理屈はあるのでしょうが、そのあたりを上手く表現しきれていないあたりが明日花らしいといえばらしいのかも。明日花が自分の本当の気持ちや意図を上手く伝えられないことは、シナリオの山場にも深く関係してきています。

対する美風のほうはきわめて素直な性格。ですが明日花に対しては意外と積極的なアプローチを見せることもあり、ただ大人しいだけではありません。明日花の複雑な性格と、美風の比較的シンプルな行動原理が、うまくかみ合い魅力的なラブストーリーになっていると思います。


ちなみに「女児向けアニメのコスプレから始まる百合」というシチュエーションは最近紹介した某PCゲーム(発売自体は10年以上前ですが…)にも見られたシチュエーションです。おそらく探せば他の作品にもありそう。オタクネタを絡めた百合としてはある意味王道パターンなのかもしれませんね。

あやか&ゆりね


今回はあやかとゆりねのエピソードは中盤あたりに挿入されます(おかげで上記の明日花と美風の話が一旦途切れて心配になったりもしますが)。

なにげに重要な動きがあり、「成績でゆりねに勝つ」という作品初期からのあやかの目標に1つの区切りが付けられます。勝負という名目がなくなったとき、2人の関係は新しい局面に入っていきます。

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作中時系列もそろそろ3年目に突入しますし、いろいろな面であやか達にも変化が訪れそうです。


(kindle版あり)
 


posted by trinder at 22:19 | Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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