2018年10月21日

「ユリトラジャンプ〜ウルトラジャンプ百合アンソロジー〜」

「ユリトラジャンプ〜ウルトラジャンプ百合アンソロジー〜」を読みました。



「ユリトラジャンプ」は、集英社の雑誌「ウルトラジャンプ」で2017〜20018年に掲載された百合漫画を集めたものです。電子書籍限定でのリリースで、10月19日発売。

日本を代表する漫画雑誌である「ジャンプ」(の姉妹誌)までもが百合をフィーチャーするようになるとは、近頃の百合人気の拡大は目覚ましいものがありますね。

以下では、掲載作品のうち印象に残った作品をいくつか紹介します。

近くて遠い(2C=がろあ)


家が隣同士で、何をするにも一緒に育った桃花と咲彩(さくら)。今ではキスまでするほどの仲です。

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桃花が抱いている気持ちはもはやほとんど恋愛感情。しかし、咲彩のほうは恋愛というものがまだよくわからないようで……?


幼馴染との距離感を描いた作品です。幼馴染として、家族として、そして恋人として。「近さ」の違いを描いた王道的な作品となっています。

痩せたいさんと失恋ちゃん(安田剛助/文尾文)


ダイエットのためにランニングをしていた主人公は、かつて家庭教師をしてくれていた女性と久しぶりに再会します。それから2人は、一緒に走ってダイエットをすることに。ですが、今は結婚して幸せなはずの先生はどこか様子がおかしくて……?


原作は安田剛助さん(「私と彼女のお泊まり映画」「草薙先生は試されている。」)、漫画は文尾文さん(「私は君を泣かせたい」、漫画版「屋上の百合霊さん」)という百合的豪華タッグによる作品。

歳の差ものだったり、ダイエットものだったり、料理ものだったり、漫画としても色々なジャンルが共演している感があります。それが上手くかみ合って独自の世界を築いている感じ。

ちなみに、好評につき連載化が決定したことが巻末で告知されています。

読了までどのくらい(たいぼく)


楽しみにしていた小説の新刊を買うため、本屋を訪れた主人公。しかし、その本はよりによって店員によって先に買われていました。その店員は新刊こそ譲ってくれなかったものの、かわりに別のお気に入りの本を教えてくれました。それから、本を通して主人公と店員さんの奇妙な交流が始まります。


……というあらすじだけ聞くと、心温まるほのぼのしたお話のようにも見えます。ですが、作中はではなぜか張り詰めた雰囲気が終始漂っています。自分の好きな分野の話題では負けたくないという意味では、この2人の関係はある意味勝負なのでしょう。ちょっとひねくれた過程を経て描かれる、一風変わった百合漫画となっています。

金曜の夜は(佐喜ハジメ)


社会人の主人公のもとには、幼馴染の女子高生姉妹がよく遊びに来ます。この姉妹はいつも主人公をめぐって張り合っており……。


年の離れた幼馴染ものです。年下の側が双子の姉妹であることが作品としての1つの個性。年下側から年上への憧れを描くのではなく、終始年上側の視点になっているのも意外と珍しいかもしれません。

やりすぎスキンシップ(秋月伊槻)


まほは、最近クラスメイトのさやかからのスキンシップが妙に激しい気がしてなりません。まほはさやかに触られてドキドキすると同時に、そんな自分に激しい戸惑いも感じ……。

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好意をスキンシップで表現した、非常にわかりやすい作品です。凝ったシチュエーションの作品が少なくない「ユリトラジャンプ」では、このシンプルさがかえって魅力的な個性となっているように思います。



個人的に印象に残った作品をいくつか紹介してみました。

他にも様々な百合漫画が収録されています。作品数にして13、ページ数にして約350という十分すぎるボリューム。

作家陣もバランスよく配置されています。百合好きにはお馴染みの作家さんと、百合では比較的珍しい作家さんが共演しています。このあたりは普段はあまり百合の印象がないジャンプ系雑誌ならではのメンバーといえるのかもしれません。

500円という価格もアンソロジーとしては破格です。電子書籍版のみのリリースですが、読める環境の方はぜひ読んでみてください。





posted by trinder at 01:41 | Comment(2) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

紙媒体から電子書籍に移行しようと思うのですが、管理人さんは何の端末で電子書籍を読まれていますか?
お勧めがあれば教えて欲しいです。
Posted by astraea at 2018年10月21日 12:15
最近忙しくて返信が遅くなってすみません。

私は電子書籍を読むのにスマホとタブレットを併用しています。

文字だけの本(小説、一般書籍など)はスマホで十分です。

漫画や雑誌はある程度画面の大きいタブレット(8インチか10インチくらい)のほうが良いと思います。

タブレットが古くなってきたので、最近はAmazon公式のタブレットであるKindle Fireの購入を検討しています。ちょくちょくセールがあって安いときは10インチ版でも11000円前後で買えるようです。
Posted by trinder(管理人) at 2018年11月02日 08:14
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