あらすじ
藤白七姫(ななき)は、おしゃれでかわいいクラスの人気者。一方、黒川奏(みなと)は、BLが趣味の目立たないオタク女子。同じクラスということ以外にまったく接点がなかった2人。しかし、ある日七姫が男にフラれて泣いているところを、奏は目撃してしまいます。
七姫に共感し、思わずハンカチ差し出していた奏。それ以来、七姫は奏をとてもいい人だと認識してよく声をかけてくるようになりました。

いつもキラキラしている七姫を別世界の人のように考えていた奏は、グイグイ来る七姫にちょっと戸惑い気味です。でも、美人の七姫に迫られるとなぜか拒否できません。七姫に勧められるまま、眉毛を整えたり、服を買ったり、髪型を変えたり。いつしか、奏も変わっていく自分を楽しめるようになります。その可愛さは、手配りをした七姫さえも驚くほどだったり。

しかし一方で、奏は元々属していた地味グループの子たちから敬遠されるようになっていきます。そして七姫のほうも、奏にばかり構っているせいかギャルグループとギクシャクしているようです。
正反対のはずがいつしか仲良くなっていた2人ですが、果たしてこのまま親友(あるいはそれ以上)になれるのでしょうか。
感想
人気者のギャルと地味なオタクという、王道といえば王道、でも思ったほど見かけない組み合わせの2人が主人公。奏が(しぶしぶ)おしゃれに興味を持ち、変わっていく様子が活き活きと描かれています。かの名作「GIRL FRIENDS」にも通じるものがあるかも?
一方、七姫も奏も自分が元々属していたグループから孤立していっている感があります。まったく違うタイプの2人が急に仲良くなってしまったゆえの、ちょっとしたトラブルと言えるかもしれません。このややシリアスな面を今後どこまで掘り下げるのかにも注目です。
ちなみに、あとがきで構想時の苦労が語られています。構想時点で「陽キャと地味子が苗字で呼び合ってる百合」がコンセプトだったことが語られているので、続きのストーリーも安心して読むことができそうです。
(kindle版あり)
ラベル:できそこないの姫君たち