2019年07月28日

「カヌレ スール百合アンソロジー」 / 50%還元セール中!

Kindleストアで一迅社セールが開催中。

【参考記事】
Kindleで一迅社50%還元セール 6月発売作品まで 百合姫・REX・百合写真集など

今回はセール対象から、「カヌレ スール百合アンソロジー」を取り上げます。



ちなみに表紙は未幡さん。
 

姉妹(スール)


上級生が下級生と姉妹の契りを結ぶ「姉妹(スール)」制度をテーマにしたアンソロジーです。個性的なテーマのアンソロジーが続々と出ている中、こちらは王道で安心して読める作品たちとなっています。


「サイレント・マニフィカート」(ヨルモさん作)は、「妹」候補として人気の美少女が主人公。スールもので主人公がモテモテってなにげに新鮮ですね。でも主人公が本当に姉になってほしい人は決まっていて……。ちょっと切ないお話かもしれません。


「私の白い薔薇」(樫風邪さん作)は、皆の憧れのお姉さまの妹となった主人公のお話。学校では凛としているお姉さまですが、妹の前では可愛い一面も見せてくれます。お姉さまと普通に仲良くしているお話は意外と珍しく、今回の収録作の中でも特に王道の作品だと思います。

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「さくらアンニュイ」(めのさん作)は、なし崩し的に姉妹になり、あまり会話がない2人のお話。主人公は、本当に自分が妹でよかったのか不安になっていきます。ちょっとシリアスな雰囲気はあるものの、こちらもハッピーエンドです。


「私の大切な姉妹の話」(ねがさん作)は、主人公の実の姉の妹だったという上級生がヒロイン。その人は今でも主人公の姉のことが好きなようで……。姉妹(スールでなくリアル)間のちょっと複雑な感情は同じくねがさん作の「カワイイとサヨナラ、」とも通ずるところがあるかも。


「地獄で会おうぜ、ベイビー」(タカハシマコさん作)は、姉妹心中が流行っているという学園が舞台。

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その裏には、卒業してしまったら姉妹の関係もなくなってしまうという不安があるようです。というわけで主人公とお姉さまも、美しくかつ他の姉妹とかぶらない心中を思案しますが……。死を扱った作品ということで、このアンソロジーでは珍しくシリアス……と思ったら以外にも明るくライトなノリです。一方で姉妹(スール)制度の本質を突いた物語にもなっています。


「花の命は短くても」(缶乃さん作)は、なんと姉妹ともに卒業後の物語。このような話になった理由はあとがきで語られています。代表作「あの娘にキスと白百合を」で学園を舞台に様々なカップルを描いてきた作家さんなので、そちらとはまた違ったものを描こうという試行錯誤が感じられます。

感想


学園百合の王道である「姉妹(スール)」を扱った、ありそうでなかったアンソロジーです。

収録作のいずれも「姉妹(スール)」という用語は共通して使っています。言うまでもなく「マリア様がみてる」の世界観をイメージしたものと思われます。用語までそのままなのは意外と珍しい例です。



ちなみに百合姫(その前身の百合姉妹も)は創刊当初から「マリみて」とは縁が深く、当初は「マリみて」のイラスト担当のひびき玲音さんを表紙に起用していました。


(2003/6発売の百合姉妹Vol.1)


「百合姉妹」の「姉妹」も実姉妹ではなくスール的な意味と思われ、やはり当時流行の「マリみて」を意識していたものと思われます。


そんなわけで、今回の「カヌレ スール百合アンソロジー」 は百合姫にとっては原点回帰的な意味があるように思います。

収録作の多くが「この学校には〜姉妹(スール)という制度がある」という説明から始まるのはご愛敬。数えてみたら収録作の約半数が(多少の違いこそあれ)この説明から始まります。このへんもちょっと懐かしい感じです。

王道な世界観の中、各作家さんがいかに個性を発揮しているかもみどころです。想い人と姉妹になれなかったすれ違いを描く作品もいくつか見られます。主人公・ヒロインともにすでに学校を卒業している設定の作品まであったり。それでも、多くの作品は爽やかな結び方になっているので安心して読めます。

百合姉妹Vol.1に参加していたタカハシマコさんが今回のアンソロジーでもなんかちょっと他と違う漫画を描いているのもある意味原点回帰っぽいところ、かも?


百合漫画の原点回帰を感じさせる、王道のアンソロジーです。


 


posted by trinder at 10:55 | Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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