2020年04月18日

つぼみ連載「花と星」(鈴菌カリオ)が初の電子版をリリース。紙版には未収録の短編も

「当て馬カノジョ」で知られる鈴菌カリオさん作の過去作「花と星」の電子版がリリースされました。1巻・2巻ともに4月18日に同時発売です。



「つぼみ」について


この作品の掲載誌は、かつて芳文社が発行していた百合アンソロジー「つぼみ」です。アンソロジーを名乗っていましたが、後期には隔月出版となり連載物が中心でした。定期的に百合漫画が読める媒体として、当時としては百合姫と並んで貴重な存在でした。

【参考記事】
つぼみ vol.1(創刊号)
つぼみ VOL.21 (最終号)

良作も多かったのですが、雑誌が発行されていたのが2009年〜2012年ということで今では読むのが難しい作品も存在します。今回紹介する「花と星」もその1つ。「つぼみ」のVol.8からVol.20まで連載されていました。紙版の単行本しか出ていなかったので本屋などで見つけるのは難しい状態だったと思います。

ですが今回、「当て馬カノジョ」の完結記念(?)なのか作者の鈴菌カリオさん自らの手で電子書籍版がリリースされることになりました。紙版と同様に全2巻です。

内容は基本的には紙版の1・2巻と同じのようですが、オマケとして紙版当時の販促漫画や、店舗特典ペーパーなどが掲載されています。紙版のあとがきに加え、電子版用の新規のあとがきも追加されています。紙版の読者だった方でも、懐かしい気持ちもあって新鮮に読めるのではないかと思います。

なおKindle Unlimitedの対象になっているので、加入している人は追加料金無しで読めます。ちなみにUnlimitedで読んでもちゃんと作者さんにお金は入るのでご安心を(Unlimitedの場合は既読にしたページ数で作者さんへの報酬額が算定される仕組みのようです)。

Kindle Unlimitedについては以下の記事も参照。

【参考記事】
Kindle Unlimitedで読める百合作品2020春「NEW GAME!!」「恋する小惑星」「推しが武道館いってくれたら死ぬ」など

花と星


せっかくなので、作品のストーリーも簡単に紹介します。

主人公の花井さんは、小さいころから卓球に熱中してきた女の子。中学での敗北をきっかけに卓球はやめようと決心していた花井さんでしたが、高校の入学式でよりによってかつてのライバル・星野さんと再会してしまいます。クールで何を考えているのかよくわからない星野さんですが、なぜか花井さんにちょっかいを出してきます。花井さんは意図がつかめずイライラするものの、根は素直な星野さんを無碍にはできず……。そんな2人の関係がストーリーの基本となっています。

もともとが百合アンソロジー掲載ということで、予想通りというか期待通りというか、星野さんは花井さんが好き。ですが花井さんが超短気&超鈍感なのでなかなか想いは伝わりません。星野さんの不器用な感情表現に、ムカムカした花井さんがブチギレて暴れるのがなかばお約束の展開となっています。ちょっといい雰囲気からのブチ壊しぶりが楽しいラブコメです。このあたりは「当て馬カノジョ」にも通じるものがあるかも。

ちなみに卓球要素があるものの基本はラブコメメインです。卓球は主人公たちの背景設定としては重要ですが、実際に卓球をするシーンが出てくるのは百合展開のために必要な場面のみ。個人的にはスポーツより百合を見たいので、このへんのバランスも非常に好みです。

星野さんのことが好きな幼馴染・千果もよい味を出しています。後半では三角関係的なシリアスな展開になる場面も。ですが主人公である花井さんのキャラもあってか重くなりすぎず、最後まで楽しく読める作品です。最後も、百合的な区切りをきちんと付けたハッピーエンドとなっています。

以前からのファンにも、新規の読者にもおすすめできる作品です。電子版リリースをきっかけに、興味があればぜひ読んでみてください。




なお、作者さんの最新作「当て馬カノジョ」の第2巻は4月20日にリリースです。第1巻と違い、今回は電子版のみとのこと。


 


posted by trinder at 14:17 | Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。