2020年04月26日

GWセール中の二次元ドリーム文庫より、あらおし悠の百合小説を全作品レビュー「百合ラブスレイブ」「百合エルフ」「百合嫁バトル」「百合風の香る島 」「百合グラドル」他

Kindleストアで開催中のGWセール。KADOKAWA芳文社RYU COMICSなど、かなりの数の百合作品が対象です。

【セール公式ページ】
【最大50%OFF】Kindle本GWキャンペーン  小説、ビジネス書、マンガほか


今回は、キルタイムコミュニケーションから「二次元ドリーム文庫」の百合小説を紹介します。




「二次元ドリーム文庫」は、キルタイムコミュニケーションからリリースされている成人向け小説レーベルです。イラストがかわいらしく、ストーリーも読みやすいものが多くなっています。エッチシーンのあるライトノベルという感じ。

これまでに何人かの作者さんがこのレーベルで百合小説を出しています。今回は、特に人気の高いあらおし悠さんの作品を特集します。GWセールで半額になっているものを全部紹介します。

百合ラブスレイブ わたしだけの委員長




あらすじ

クラス委員長の怜那(れいな)は、真面目すぎる性格が災いしてか周囲と壁を作る傾向がありました。同じクラスのギャル・真桜(まお)は、あるとき怜那が百合漫画(しかもちょっとエッチな内容)を買っているところに遭遇します。やけに焦る怜那を見た真桜は、イタズラ心を刺激され、その漫画のような行為を自分にしてみてと要求してみますが……?


みどころ

ギャルに脅迫されてエッチな関係を強要される委員長、という関係を描く作品。ただし脅迫のネタが百合漫画とユニーク(?)なのであまりシリアスで暗い感じではありません。脅迫から始まった関係ですが、次第に2人の仲は好転していきます。最後は健全なハッピーエンド。きっかけは特殊ですが、正反対な性格の2人がお互いを少しずつ知りながら恋人になるお話ともいえるかも。


百合ラブスレイブ凛 好きへの間合い




あらすじ

柑奈(かんな)は剣道部に所属する2年生。ですが現在、部は人数不足により廃部の危機です。このままでは、3年生の先輩たちが大会に出ることすらできなくなりそう。そんなとき柑奈は、1年生に全国レベルの実力者でありながら剣道をやめている美紅(みく)という子がいることを知ります。柑奈は美紅に剣道部への入部をお願いしますが、その見返りとして美紅の「奴隷」になることを求められます。

みどころ

「百合ラブスレイブ」まさかの2作目です。世界観は共有しているようですが、キャラクターは新規になっています。

1作目と比べると、百合奴隷になる流れはだいぶ自然になりました。人数も実力も不足する剣道部にとって、美紅は願ってもない逸材です。彼女を引き入れることは、柑奈のためだけでなく、今年が最後の大会となる先輩たちのためでもあります。美紅を加入させるために一生懸命になる(そのために奴隷にでもなる)のは、柑奈の優しさの表れにもなっていて好印象。

美紅は剣道に関してはストイックですが決して悪い娘ではなく、けっこう純粋に柑奈のことを好きなよう。一応柑奈のほうが先輩なのですが、剣道の実力的には美紅のほうが遥かに上。外見的にも柑奈のほうが子供っぽく、美紅にいいように可愛がられている感じです。奴隷扱いも2人きりのときだけなので、単にそういうプレイのようにも見えてきます。でも柑奈にもいざという時は年上らしい見せ場があり、なかなかいい関係性を築いています。作中後半では周囲からもすっかり恋人だと思われており、暖かく見守られているようです。


百合エルフと呪われた姫




あらすじ

故郷に退屈し、人間の世界へ飛び出したハーフエルフの少女・レム。森の中の館で、レムは美しい人間の少女・アルフェレスと出会います。アルフェレスは王国の姫ながらも、ある「呪い」のために幽閉同然の暮らしを送っていました。なぜか発情していたアルフェレスに誘われるまま関係を持ってしまったレムは、彼女の呪いを解いてあげようと決意します。

みどころ

中世ファンタジーもの。人間とエルフ族の関係など、なかなか雰囲気のある舞台設定があり百合物語を盛り上げます。

ハーフエルフ×人間ということで、人外百合の要素があるのがみどころです。人間とされるアルフェレスも一時期ながら半ネコ化したり、シチュエーションは結構バリエーション豊富。さらに終盤ではある事情により、姉妹百合の要素も……?


百合舞うオアシス ルルと美姫と宝石の魔女




あらすじ

下働きをしていた娼館から逃げ出してきた少女・ルル。しかし砂漠で行き倒れてしまい、王国のお姫様であるファルイーズに助けられます。ルルは美しく心優しいファルイーズに心惹かれますが、あまりに身分違いです。

そんなとき、ルルが密かに持っていた宝石に封印されていた魔女・アーシャが姿を現します。アーシャは人間の願いをかなえてくれるといいますが、これによってルルの「姫様と仲良くなりたい」という願望がちょっと行きすぎた形で実現されてしまい……。

みどころ

こちらもファンタジーものですが、アラビアンナイト風の世界観です(リリース順としては百合エルフよりこっちが先)。ルルとファイ姫様、そして魔女が砂漠での大冒険を繰り広げます。ほとんどルルと姫様の愛の逃避行といった内容ですが、なんだかんだで協力してくれる魔女の本心もみどころ。

ちなみに冒頭でルルが逃げてきたとされる娼館ですが、女性同士専用であったことが終盤で判明します。ルルとも和解しますし実はいい人たち?



百合嫁バトルっ! 〜許嫁と親友と時々メイド〜




あらすじ

舞台は、法改正により女性同士の結婚が認められた日本。

透は、困っている人を放っておけない性格の女子校生です。ある日、詩乃は自分に「許嫁」がいたことを知ります。しかも女の子で、名前は詩乃。突然のことに驚いた透は、親友の玲奈に事情を相談します。ですが、今度は玲奈が透に迫ってきて……。

みどころ

同性婚が可能な架空の(未来の?)日本を舞台にした百合ラブコメ。大和撫子(でも透には積極的)な許嫁の詩乃と、クール(でも透には積極的)な同級生の玲奈のダブルヒロインとなっています。あらおし悠さん作品の中でもコメディ色が顕著で、深く考えずに楽しめる作品です。というか深く考えたら負けのドタバタ劇。後半ではいつの間にか詩乃つきのメイドさんまで混ざってきたり、唐突に法律論みたいな話が始まったり、わりとカオス。



百合風の香る島 由佳先生と巫女少女




あらすじ

由佳は、住人が女性だけだという島に新任教師としてやってきました。赴任初日の夜、寮の見回り中をしていた由佳は、なんと女生徒同士のエッチを目撃。注意しようとしたものの、由佳まで強引に仲間に入れられてしまいます。

女の子どうしの恋愛がこうも積極的に行われているのには、ミステリアスな美少女・美沙希が関係しているようです。当初は美沙希を問題生徒と認識していた由佳ですが、美沙希には「巫女」としての重い責務がありました。少しずつ美沙希に惹かれていく由佳。しかし、教え子のちひろも美沙希に好意を抱いており……。

みどころ

ありそうでなかった教師×生徒もの。もっとも由佳は新人ということで先生らしさはあまりなく、生徒からも友達感覚で慕われているように見えます。エッチに関してはむしろ生徒たちのほうが遥かに経験豊富で、由佳は一方的にされてしまう場面が多め。それでいいのかと思ってしまいますが、この島では普通のことです(多分)。島の歴史や習俗も百合的な理由付けがされており、クライマックスを盛り上げるエッセンスとなっています。

本筋としては「巫女」である美沙希がメインヒロイン。そこに美沙希に好意を持つ(しかも由佳に対しても興味がある)ちひろが絡んで、人間関係を複雑にしていきます。


百合色学園寮 恋人はルームメイト




あらすじ

親の都合で転校することになった鈴(りん)は、親友の香佳(きょうか)に想いを告白します。しかし、香佳から返ってきたのは冷たい答えでした。

傷心のまま、全寮制の名門女子校で新たな生活を始める鈴。ここで鈴は、皆の憧れの先輩・紗彩とルームメイトになります。紗彩は純粋でかわいらしい鈴を気に入り、いつしか2人は恋人になっていました。そんなとき、香佳がなぜか同じ学園に転校してきて……。

みどころ

あらおし悠さん作品としては意外と希少な、正統派女子校もの。逢引の場として使われる秘密の花園、学園を代表する2人の「華姫」など、心をくすぐる要素がちりばめられています。

そんな王道な世界観の中、鈴の転校前の片思いの相手・香佳の存在がアクセントになっています。ストーリー冒頭がいきなり香佳への告白シーンから始まる構成も新鮮です。後半で香佳が再登場してからは、少しだけドロドロめの三角関係が展開していきます。それでも最後はだれもが幸せになれる明るい結末。あらおし悠さんらしい作風です。


百合色コーディネート ふたりのキス模様




あらすじ

夏希は、ファッションデザイナーを夢見ながらも一歩を踏み出せない女子校生。夏希は、同級生の美少女・茉友がファッションモデルをしていることを知ります。服飾業界に少しでも近づきたい夏希は積極的にアプローチをかけますが、茉友は冷たい態度。ですが、夏希がモデルとしてではない茉友自身をきちんと見ていることを知り、茉友も心を開いていきます。友達になり、そして初めてのキスを経て、やがてそれ以上の関係に……。

みどころ

同級生と友達になり、少しずつ距離を縮め、恋人となる過程が丁寧に描かれています。受け身ではなく、悩みながらも能動的に動く夏希も好印象。普通に青春百合小説しており微笑ましいです。夏希と茉友にはファッションという共通の話題があり、要所でほどよく出てきて良いエッセンスとなっています。

二次元ドリーム文庫であることを忘れそうになるほど爽やかで微笑ましい作品。たまにはこういうのも良いと思います。



百合グラドル・優衣 禁断ガールズラブ




あらすじ

新人グラビアアイドルである優衣は、厳しくも優しいマネージャーの絢を尊敬していました。しかしある日、優衣は絢に突然キスされ、さらにはエッチなことまでされてしまいます。かと思ったら次の日にはいつもの厳しい絢に戻ったり。絢の気持ちをつかめず、戸惑う優衣。そんな中、優衣はカメラマンの遊希や後輩アイドルの愛莉からも関係を迫られ……。

みどころ

二次元ドリーム文庫の百合シリーズ、記念すべき1作目です。

本筋としては、グラビアアイドルと女性マネージャーの恋を描いています。主人公の優衣は純真でおとなしい性格で、恋愛に関しても基本的に受け身。ですが同性から人気があり、女の子に迫られると抵抗できず、されるがままになってしまいます。主人公のこういった性格設定は、あらおし悠さんの後の作品でもよく見られる王道パターンですね。やがて優衣も本当の恋について考えるようになり、クライマックスでは自らの意思で行動します。そのあたりの成長もみどころです。



百合グラドル優衣&詩歩 密着ラブショット




あらすじ

詩歩は、人気上昇中のグラビアアイドル・優衣に一目惚れして自分もアイドルになりました。優衣と会う機会、仲良くチャンスを求めて今日もお仕事を頑張る詩歩。ですが優衣と親しい女の子達(前作ヒロイン勢)は、あまりに優衣にこだわる詩歩を他事務所のスパイではないかと疑い始め……。

みどころ

「百合グラドル・優衣 禁断ガールズラブ」の続編。新キャラクターである詩歩を主人公とし、先輩アイドルである優衣への憧れを描いています。しかし詩歩の想いはなかなか伝わらず空回りしがち。遊希・愛莉といった前作ヒロイン達にあらぬ疑いをかけられたりしますが、暗い内容ではなくむしろコミカルなシーンとなっています。

前作から作中時間はそれほど経っていないようですが、優衣の成長もみどころです。前作ではほぼ完全に受けだった優衣ですが、詩歩を優しくリードするお姉さんぶりを見せています。

なお前作からそうでしたが、優衣は恋人を特定の1人に絞ることなく、好きな娘のことは全員平等に愛しているようです。女の子に関しては来るものは拒まず状態なのでしょうか。結果として終盤のヒロイン勢ぞろいなエッチシーンがすごいことになっていたり。とはいえ誰も不幸にならないことで明るい作風になっており、安心して読めます。このあたりも、あらおし悠さんの百合作品全般に共通する傾向ですね。



百合ドルミッション! ライバル解散ハニートラップ




あらすじ

人気アイドルグループ「エンブレイス」に所属していた歩は、事務所の方針で新進気鋭のグループである「ピュアリーリップ」に移籍することになりました。歩の恋人でもある「エンブレイス」のメンバー・瑠歌は、歩に秘密の指令を与えます。それは、今後ライバルになる可能性のある「ピュアリーリップ」を内部から崩壊させろというものでした。

ピュアリーリップに潜入した歩は、あるとき既存メンバーである夜々と紗雪がエッチしているところを目撃。指令実行のためには恰好のスキャンダルですが、お人よしな歩は2人を傷付けるような真似はできません。気が付くと歩も夜々・紗雪からそれぞれ誘われて関係を持ってしまい……。


みどころ

優衣シリーズから少し間を開けてリリースされた、久しぶりのアイドルもの。ストーリー的なつながりはありません。

今度はグラビアアイドルではなく、歌って踊るアイドルグループとなっているのがポイントです。主人公の歩が移籍したピュアリーリップの夜々と紗雪がメインヒロインとなっています。もともと恋人関係だったこの2人ですが、歩も流されるままにエッチなことをしてしまい、三角関係に突入します。このグループを崩壊させたい歩としては好都合なはずですが、お人よしゆえに酷いことはできません。以前のグループでの恋人(瑠歌)を取るのか、それとも今のグループをあえて守るのか?そんな葛藤がみどころです。


 


以上、二次元ドリーム文庫から、あらおし悠さんの百合小説を紹介しました。現在、上で紹介した作品はすべて50%OFFセールになっています。

また、紹介したうちかなりの作品がKindle Unlimitedの読み放題対象にもなっています。読み放題が活用できるシリーズの1つですね。



Kindle Unlimitedについては以下の記事も参照。

【参考記事】
Kindle Unlimitedで読める百合作品2020春「NEW GAME!!」「恋する小惑星」「推しが武道館いってくれたら死ぬ」など




posted by trinder at 23:44 | Comment(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あらおし悠先生は、二次ドリ文庫が百合に参入した際の作家さんですが、ハーレムものであれ、ファンタジーものであれ、ちゃんと女性同士の関係性を重視し、男絡みやHシーンでの道具などは一切なしで一貫していて(あとハッピーエンド)、百合ファンとして安心して読めるのがすごくいいのですが、編集部にも百合に理解が深い方がおられるのでしょうね。
ともかく、ライトH百合でこれだけコンスタントに百合を出してくれるところは本当に貴重なので、これからも頑張ってほしいですね。
Posted by おーらんどー at 2020年05月03日 09:02
あらおし悠先生はコンスタントに安定した品質の作品を出し続けていますね。成人向けという関係上制約もあるのではと想像しますが、百合好きが安心して読める内容で一貫していて、本当にすごいと思います。


>おーらんどーさん
>
>あらおし悠先生は、二次ドリ文庫が百合に参入した際の作家さんですが、ハーレムものであれ、ファンタジーものであれ、ちゃんと女性同士の関係性を重視し、男絡みやHシーンでの道具などは一切なしで一貫していて(あとハッピーエンド)、百合ファンとして安心して読めるのがすごくいいのですが、編集部にも百合に理解が深い方がおられるのでしょうね。
>ともかく、ライトH百合でこれだけコンスタントに百合を出してくれるところは本当に貴重なので、これからも頑張ってほしいですね。
Posted by trinder at 2020年05月03日 16:01
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。