2021年04月27日

Bloom into You (英語版「やがて君になる」)で英語学習 その2

4/27は「やがて君になる」の連載開始から6周年だそうです。

というわけで今回は、「やがて君になる」の英語版(アニメ・漫画・小説)を簡単に紹介していきます。


アニメ版


やが君で英語を勉強するなら、個人的におすすめなのがアニメ版。英語吹き替えがあるので、ヒアリングの練習にもなります。英語版のキャストもおおむねハマり役。

翻訳の出来もかなり良いです。基本的には原語に忠実ですが、英会話としての自然さを重視して多少アレンジしている部分も見られます。特に英語吹き替えだと顕著。一方、英語字幕は元々の台詞に忠実な内容となっています。吹き替えと字幕の違いを楽しむのもあり。

このブログでは、前半部分を紹介したことがあります。

【参考記事】
Bloom Into You(アニメ「やがて君になる」北米版)で英会話学習その1


今回は、後半(7話〜)のみどころを簡単に紹介します。

英語的に特に面白いのが第7話。沙弥香がメインのエピソードとなっており、かつて同性の先輩とお付き合いしていたことが語られます。また、同性との恋について都(喫茶店の店長さん)に相談する場面も。

百合ものの王道ともいえる台詞が多く、汎用性の高い優秀なフレーズが多く登場します。侑と燈子とのやりとりに、この作品以外では見ないような個性的なものが多いのとは対照的。


たとえば、沙弥香の先輩の台詞「一時の気の迷いのようなものだったのよ」。

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英語では"We were just going through a phase." phaseは変化の途中の一時的な状態のことです。


沙弥香が中心のエピソードですが、中盤の侑と燈子のやりとりも英語ならでは。言語版では燈子が侑を名前で読んだり、呼ばれたりしていました。2人の距離が縮まったことを表現した場面です。英語字幕ではほぼ忠実に翻訳されています。

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一方、英語吹き替え版ではわりと当初からお互いを名前で呼んでいたため、上記のやりとりは愛称(nickname)で呼び合うという内容にアレンジされています。燈子は侑をHoneyと呼び、侑は燈子をDear、Darlingなどと呼びます。燈子が恥ずかしがったのも納得の内容です。


百合関係以外にも、英語らしさを感じる部分がちょくちょくあって面白いです。

例えば生徒会劇の合宿のシーンでは、発声練習の台詞が変わっています。「あいうえお…」だったところはDo Re Mi Fa So... と音階になっています。また、「アメンボ赤いなあいうえお」は"Awaiting the sensation of a short, sharp, shock, from a cheap and chippy chopper on a big black block!"という英語の早口言葉になっています。

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結構大胆な意訳をしている箇所もあります。

劇中劇「君しか知らない」は、"One of You"になりました。

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このYouは「あなた達」ですが、劇中劇の主人公に複数の人物像が存在することを意識したものと思われます。これは翻訳というよりは、内容を理解したうえで変更したというべきかもしれません。個人的にはかなり好きです。


このように非常によくできているアニメ版の英語版。いつかアニメの第2期が制作され、そちらも英語化されることを望んでやみません。

漫画版




原作漫画の英語版。このブログでも何度か紹介しています。

【参考記事】
Bloom into You (英語版「やがて君になる」)
Bloom into You(英語版「やがて君になる」)Episode2: First Blush
Bloom into You 2(英語版「やがて君になる」)Vol.2
Bloom into You(英語版「やがて君になる」)Vol.3 / 電子書籍版も配信開始


当初は英語版はこれしかなかったので悪くないと思っていたのですが、後にリリースされたアニメ版と比較するとやや翻訳の粗さが目立つ印象です。同一シーンを比較すると顕著。

細かい部分ですが例を挙げると、駅のホームの電子掲示板の文字「普通」「終点まで先着します」。これは(快速でないという意味での)普通列車が(快速よりも)早く終点に着くという意味。アニメ版の英語字幕は正しく翻訳しており、local trainがexpress trainより早く着くという内容になっていました。

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対して漫画版の英語版は、「普通」をon schedule(スケジュール通り)と訳しています。普段の予定通り、つまり普通だという解釈なのかも。「先着」もなぜかTime until arrival(到着までの時間)となっています。

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このような表示はストーリーに特に関係ないのでまだいいのですが、「よくわからない日本語があったら、当たり障りのない英文に差し換えてしまおう」という姿勢は漫画版の英語版全般に見られる傾向です。


あと登場人物の名前の間違いが何度かあります。Vol.1での「Nanako Senpai」「Sanae Senpai」から続く伝統ですね。

一応言っておくとこういうミスはごく稀に出てくるだけです。全体的には決して悪くはないのですが、時折あるうっかりミスが気になる人には気になる翻訳となっています。

とはいえ、原作5巻後半〜完結までを英語で読めるのは全体のところ漫画版だけです。侑と燈子の物語を最後まで英語で楽しみたい人には漫画の英語版も十分おすすめできます。


「侑じゃなきゃやだ。侑が好きだよ!」
You're the only one for me. I love you, Yuu!

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小説版




小説版は「佐伯沙弥香について」というサブタイトル通り、沙弥香が主人公となっています。全3巻構成です。

小説だけあって地の文があるため、沙弥香の考えや心情が丁寧に描かれています。文章自体は易しいので英語の長文を読む練習には最適です。

沙弥香の中学生時代を描く1巻後半は、同性の先輩との恋とその顛末が丁寧に描写されています。漫画・アニメにもあったエピソードですが、回想シーンゆえのダイジェストだったあちらとは違い、かなり膨らまされています。原作で結末は示されていたとはいえ、そこに至る経緯はほぼ小説独自のもの。展開が先読みしやすいけど新鮮味もあるという、読んでいて楽しいバランスとなっています。英語学習にはとても使いやすいです。

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2巻目は沙弥香の高校1年生時代。漫画本編の1年前という関係上、本編へ直接つながる描写が多いです。展開もおおむね想像できる部分が多いので、英語を勉強しながら読み易い巻といえます。とはいえ大きな波乱がないため、読み進めるモチベーションが維持しづらい可能性も……?


3巻目は大学生編。漫画・アニメと重複するエピソードがほとんどないという意味でほぼオリジナルの内容です。大学生らしい会話(20歳になったり、初めての飲酒をしたり)が多いのも特徴。大学生百合で学ぶ英会話教材としてもなかなかレベルが高いです。

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2巻までを踏まえてはいるものの、新キャラのヒロインなど独自色も強め。英語の小説を読んだという達成感を一番感じられるのはこの第3巻かと思います。



ちなみに日本語版は現在全8巻が50%OFFセール中です。

【参考記事】
Kindleで多数のKADOKAWA作品が50%OFFセール「やがて君になる」「安達としまむら」「あやかしこ」等


 




posted by trinder at 22:17 | Comment(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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