2021年04月16日

Netflixオリジナル実写映画「彼女」

Netflixでオリジナルの実写作品「彼女」が4/15に公開されました。



さっそく見てみたので、ネタバレはできるだけ避けつつ感想を書いてみたいと思います。

あらすじ


2021-04-15 (6)aaf.jpg

【公式サイト】
彼女 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト


レズビアンの女性・レイ(演:水原希子)は、高校時代に片思いしていた七恵(演:さとうほなみ)と久しぶりに再会します。レイは、七恵が夫から酷いDVを受けていると知り、七恵のために彼を殺害。レイはそのまま自首するつもりでしたが、七恵も自分のために殺人を犯したレイを見捨てられません。2人はそのまま、行く当てもない逃避行をすることに……。

みどころ・感想


原作は中村珍さんの漫画「羣青(ぐんじょう」です。原作は10年以上前の作品のようですが、今になって映像化されたのは、LGBTQ+というテーマがより身近なものとして感じられる時代となったからでしょうか。


主人公の1人であるレイは明確にレズビアンとして描かれており、高校生の頃から七恵のことが好きでした。七恵のために彼女の夫を殺害し、しかもすべての罪をかぶろうとするなど、献身的といってもいい愛情を見せます。

ただし七海と付き合ったことがあるわけではなく、七海に未練がありつつも別の女性と交際しています。レズビアンとして、良い体験も嫌な体験もいろいろ積み重ねているため、ところどころで生々しい話を聞かせてくれます。


もう一人の主人公である七恵は、どちらかというとおとなしい性格。それゆえか身近な人間から暴行を受けるなどの被害に遭うことが多かったようです。ただし我慢が限界に達すると、平気で第三者に責任転嫁したりと、身勝手ともいえる面も持ちます(状況も状況なので必ずしも責められませんが)。

ストーリー開始時点で、七海がレイに恋愛感情のようなものを持っているのかは不明。少なくとも親友として信頼しているような描写はあるものの、いかにも裏切りそうなそぶりもあったり。


本作は、そんな微妙な信頼関係の逃避行を描くロードムービーとなっています。レイが犯した罪は(当初自首するつもりだったこともあって)誤魔化しようがないものです。現代の日本でいつまでも逃げていられるはずがありません。どう考えても最後には絶望しかないのですが、なぜか明るい2人の姿が印象に残ります。子供のようにはしゃぎ、まるで童心に帰っているかのよう。いずれ終わりが来ることがわかっているからこそ、そのようにふるまっているようにも思えます。

七海の真意も、回想シーンなども交えて徐々に明かされていきます。2人の高校生時代の回想(別の役者さんが演じています)が何度か挟まれますが、この場面だけでも学園百合ストーリーとしてなかなか良くできていたり。


逃避行の果てに2人が行きつく答えが何だったのかは、実際に映画を見て確かめてみてください。



なお注意点として、かなり過激な描写があります。ストーリー上暴力関係がちょくちょくあり、七恵の全身にあるアザもそれを伺わせるもになっています。一部シーンでは流血描写もあります(あまりに盛大すぎて逆に怖くないかもしれませんが……)。苦手な方は注意。また、性的描写もかなり露骨です。女性同士のシーンは良いのですが、レイが目的のために男性と関係を持つシーンがあり、そちらもかなりはっきりと描かれます。そういった理由もあってか、Neflixでは18歳以上「推奨」となっているようです。家族の前で見たり、気軽に人に勧めたりしづらい部分があります。


また、Netflix作品だけあって対応言語はかなり豊富です。日本語のほか、英語やポルトガル語の吹き替えもあります。字幕の種類はさらに多いです。語学学習にも良さそうです。ちなみに、日本語副音声もあります。上記の過激なシーンで副音声をオンにするときちんと状況を解説(?)してくれます。



最後に原作について補足ですが、上・中・下の3巻構成です。電子書籍化もされています。




なお現在kindleで上巻が無料お試し版を配信中です。





posted by trinder at 00:15 | Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。