2021年04月17日

「サガ フロンティア リマスター」アセルス編の追加・変更点と感想

「サガ フロンティア リマスター」が4/15(Steam版は4/16)にリリースされました。ハードはSwitch、PS4、Steamなど様々。



追加主人公1人を含む8人分のシナリオがありますが、百合的な目玉はアセルス編。もともと百合要素の強いシナリオでしたが、構想段階の膨大な設定をオリジナル版では再現しきれず、多くの要素がカットされていました。当時出版されていた攻略本(という体裁の資料集)である「裏解体真書」でその一端を知ることができました。

リマスター化にあたり、それらの幻の設定が追加イベントの形でついに実装されました。追加主人公であるヒューズとともに、リマスターの目玉の1つと言ってよいと思います。

Steam版のアセルス編をエンディングまで一通りプレイしてみたので、追加要素の紹介や感想を書きたいと思います。

リマスター版の仕様


まず最初に、リマスター版のゲームとしての特徴を紹介。


グラフィック

基本的にはオリジナル版に忠実に高解像度化したものになっています。もともと背景やキャラには綺麗な原画が存在しており、それを当時のハードに合わせた解像度に落とし込んだような形でした(裏解体真書で確認できます)。リマスター版では本来の姿であろう美麗な画質となっています。当時のイメージそのままに、純粋に綺麗になった感じ。


システム

また、システム面もかなり便利になりました。まず高速モードの実装。マップ上および戦闘中のスピードを任意の早さ(2倍〜)に変更可能です。ボタン1つでいつでも切り替え可能で、かなり便利。

戦闘で逃げられるようになったのも大きいです。このゲームはシンポルエンカウト形式なのですが、オリジナル版では敵と接触したら戦うしかありませんでした。リマスター版では逃走コマンドが追加されています。この逃走が異様に高性能で、100%成功するうえ、勝利した場合同様に敵シンボルがマップから消えます。よって、逃走だけでマップ上すべての敵を消すことも可能。また、このゲームは戦闘回数に応じて敵が強くなっていくのですが、逃走であればこの戦闘回数にカウントされません。

非常に便利ですが、ほとんど雑魚と戦わないままボス戦に到達できてしまうのは諸刃の剣。オリジナル版ではプレイヤーが雑魚と一通り戦って成長している前提でボスの強さが設定されていました。リマスター版でもそのあたりを意識して計画的な育成は必要かと思われます。

他にも大小さまざまな追加要素が入り、遊びやすくなっています。なお追加システムや追加イベントは個別にON/OFF切り替え可能です。お好みでどうぞ。


ギャラリー、言語

オマケとしてイラストギャラリーやサウンドモードも付いています。サウンドモードでは本編未使用の没音源「アセルスのテーマ」もあるので必聴。

ちなみに、言語は日本語のほかに英語にも対応しています。サガシリーズ特有のシュールな台詞回しを英語で楽しむのもアリかも。

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アセルス編の概要


妖魔の血を受け「半妖」となってしまった少女・アセルスを主人公とするシナリオです。当初は妖魔の城に軟禁状態だったアセルスですが、力を貸してくれる「白薔薇姫」とともに脱出。追っ手を退けながら逃避行を続けるストーリーとなっています。


アセルス自身の魅力なのか、あるいは外的要因か、作中アセルスは女の子を惹きつける傾向があります。特に長い間をともにする白薔薇は、姉のような、あるいはそれ以上の存在としてアセルスを支えます。

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「白薔薇、どこにも行かないで。私のことを本当にわかってくれるのは、あなたしかいないんだから。」


もう1人のヒロインといえるのが、平凡な人間の少女であるジーナ。シナリオ冒頭はジーナのモノローグで始まっており、アセルスへの憧れが語られています。

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エンディングが3種類あるという点でも異質なシナリオです。王道なもの、無難なものから、闇堕ちテイストのものまで。そのうち1つはアセルスが妖魔の城を乗っ取り、女の子を集めてハーレムを作るというとんでもない内容となっています。


オリジナル版の時点で非常に魅力的なシナリオなのですが、サガシリーズの伝統として作中に説明は少なめです。複数いる主人公の1人にすぎないということもあり、やや想像力を要する部分も多かったです。リマスター版では、そのあたりを補完すべく複数のイベントが追加されています。多くは裏解体真書に記載されていた当初の構想を形にしたものです。



アセルス編の追加要素



ファシナトゥールからの脱出

まずは序盤。妖魔の世界であるファシナトゥールからの脱出方法が3つに増えています。


親切(?)な2人組

オリジナル版ではシップ(エリア間を行き来する飛行機のようなもの)を使う方法のみでした。

追加の脱出方法の1つ目は、親切(?)な2人組にお願いするというもの。オリジナル版同様に町の酒場に行き、シップの話を聞くと、近くにいた2人組が協力を申し出てきます。タダで乗せてくれるという彼らの誘いに乗ると、らくらく脱出成功。ただしこれには裏があって……。

これはオリジナル版にあったエミリア編のイベントを元にしています。アセルスは他主人公のストーリーにほとんど登場しないのですが、エミリア編はアセルスと会えるうえに仲間にできる希少なシナリオとなっていました。今回の追加イベントは、なぜアセルスがそこにいたのかを描くものとなっています。

ちなみにこの展開の場合もちゃんと白薔薇はついてくるので安心です。

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あまりに唐突かつ都合の良い登場に、アセルスをストーキングしているのではないかと思いたくなりますが、本人いわく教育係だからだそうです。

また、この展開の際エミリアが仲間に加入しますが、そのイベントが終わると離脱します。アセルス達のストーリーも、従来通りの展開に戻っていきます。


焼却炉

追加されたもう1つの脱出経路は、町のはずれにある焼却炉。ここに飛び込むことで、一度は燃え尽きるものの外の世界に転生できるというとんでもない方法です。オリジナル版でも焼却炉自体は存在し、「紅」という妖魔が宿っていました。固有のマップと凝った設定のわりには何もイベントはなし。没イベントの名残であることは裏解体真書で明かされていました。

今回のリマスター版でめでたく実装の焼却炉イベントですが、発生条件は見落としがちなので注意。通常なら脱出方法を探して酒場に向かうはずのタイミングで、城の自室に一人で戻るとゾズマが現れます。焼却炉のことを教えてくれるので、そのまま焼却炉に向かうとイベント発生。この間、従来通りに酒場でシップのイベントを進めてしまうとフラグが消えてしまうようなので注意。

イベントの発生条件はアセルス1人で焼却炉に行くことですが、ここでもやはり白薔薇がついてきてくれます。まだ序盤のイベントですが、死ぬかもしれない危険なことにも迷わずついてくるあたりは百合を感じなくもないかも……?

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その後無事に(?)転生できますが、2人も服が焼けてしまい半裸になっています。裏解体真書の没グラフィックでは全裸だったので、実はこれでもマシなほうです。

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極寒の大地に半裸で立ち尽くすアセルスと白薔薇……。新たな百合の可能性を感じましたが、その後通常通りのストーリーに復帰します。

妖魔訪問イベント


オリジナル版同様、ストーリー後半で白薔薇は強制離脱します。白薔薇が離脱した後のアセルスとゾズマの会話からは、アセルスが白薔薇に特別な感情を抱いていたことが伺えます。白薔薇不在ではあるものの、オリジナル版では特に百合要素を強く感じるシーンの1つでした。

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このあとアセルスが世界中の妖魔達のもとを訪れ、妖魔とは何かを考えるのが「妖魔訪問イベント」です。もともとは裏解体真書に記載されていた没イベントで、リマスター版にて念願の実装となりました。


ヌサカーン

クーロンの裏通りにいる医者。オリジナル版では、妖魔としては珍しくアセルスとの絡みがありませんでした。

リマスター版では会いに行くことができ、仲間にすることも可能。職業柄、病気や妖魔の性質に詳しいようです。ヌサカーンによると、アセルスが女性を惹きつける理由は「魅惑の君」であるオルロワージュの血を受け継いだから。今のアセルスは「女殺し」であり、普通の人間の女の子なら「いちころ」だとか。

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アセルスが同性からモテる設定がまさかの公式化です。あくまでヌサカーンの私見の可能性もありますが、裏解体真書に記載されていた裏設定を意識したものと思われます。アセルス編の百合設定の考察としては興味深い部分です。


生命科学研究所

シュライクのはずれにある大きな研究施設。オリジナル版では凝ったマップのわりに特にストーリーに関係なく、実質稼ぎ用のダンジョンでした。リマスター版では、妖魔の研究をしている施設であることが明かされます。実験のためにはかなり非道なこともしているようです。アセルスは所長(女性)を止めるために戦うことになります。


フルドの工房

マジックキングダムにある巨大な建物。フルドという下級妖魔が、上級妖魔を倒す研究をしています。「魅惑の君」の血を受け継ぐアセルスは上級妖魔同様の力を持ちますが、それゆえにフルドに興味を持たれてしまいます。

こちらも生命科学研究所同様、オリジナル版では意味深だけど特に何も起こらない場所でした。今回短いながらもイベントがあり、上級妖魔・下級妖魔という概念、ひいては妖魔の世界観を補足するものとなっています。


なおこれらの妖魔訪問イベントですが、それぞれの施設の付近(内部)に立っているゾズマに話しかけるとスタートするようです。ゾズマはまるで新規イベントの案内役で、ある意味おいしいポジションです。そして新規台詞内でもどこか百合を推奨しているかのような言動を見せてくれます。

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おまけ


その他にも微妙に追加・修正されている場面がいくつかあるようです。


ラスタバンの最期?

男性妖魔の中では珍しく、アセルスに協力的だったラスタバン。オリジナル版では、ルートによってはいつの間にか殺されておりそのまま退場、というあんまりな扱いでした。リマスター版では、最後(?)の雄姿(?)がイベントで挿入されるようになりました。金獅子姫戦の後です。どちらかというと百合方面の追加が目立つリマスター版ですが、ラスタバンのファン(?)も安心(?)ですね。



ここまで、アセルス編の追加・変更部分をざっと紹介してみました。

もともとシナリオ関係があっさりしているサガシリーズとしては、一主人公のシナリオにここまで手を加えてくれるのはかなり異例なのではないでしょうか。追加イベントの多くは開発当初の構想(多くは裏解体真書に記載)に由来するものなので、ファンであれば特に違和感なく受け入れられるものになっていると思います。

システムも便利になり、遊びやすくなりました。(オリジナル版と比べれば)かなり快適なので、偏ったプレイやこだわりのパーティーでもクリア可能。アセルス編なら女性キャラ限定プレイなどはいかがでしょうか。クリアできることは確認済。

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(渾身の5連携 幻魔ダーク神速跳弾ノヴァ)

アセルスは追加主人公であるヒューズのシナリオにも登場するようなので、次はそちらをプレイしてみたいと思います。
  





posted by trinder at 09:48 | Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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