2021年10月03日

「できそこないの姫君たち」第6巻(完結)・未収録作品集 / アジイチ

アジイチさんの「できそこないの姫君たち」第6巻を読みました。今回でついに完結となっています。


できそこないの姫君たち


地味でオタクな黒川奏(かなで)は、クラスの人気者である藤白七姫(ななき)がフラれているところを偶然目撃。それを思わず慰めたのをきっかけに、2人は仲良くなりました。



おしゃれな七姫の手ほどきで、少しずつ可愛くなっていく奏。奏の予想以上の変身ぶりを見た七姫は、自分でもわからない不思議な気持ちを抱くようになります。

急速に親しくなっていく奏と七姫でしたが、それぞれが以前属していた友人グループからは距離を置かれるようになります。奏はのちにオタクグループとの関係が修復されたものの、七姫は以前の友人達とまだ距離ができたまま。

第4巻では、友人のうち唯一七姫のもとに残っていた泉が、七姫に秘めた気持ちを告白するというシーンもありました。

第5巻では、奏が男子に好かれるエピソードが描かれました。奏はその男子を嫌いではないようですが、七姫といるほうが楽しいというのが正直な気持ちのようです。その様子を見ていた七姫は、奏が他の誰かのものになるのを恐れている自分に気づきます。そしてついに、奏にはっきりと好意を伝えることに。

【参考記事】
「できそこないの姫君たち」第1巻
「できそこないの姫君たち」第2巻他
「できそこないの姫君たち」第3巻
「できそこないの姫君たち」第4・5巻

第6巻




あらすじ

奏に告白し、キスをする七姫。自分の気持ちが単なる友情ではないことをはっきりと伝えます。

しかし奏の反応は、驚きと困惑でした。七姫に感じていたのは憧れであり、自分などが七姫と対等になるべきではない。奏はそんな屈折した思いを吐露し、七姫を拒絶してしまいます。

ここに来て距離ができてしまう七姫と奏。見かねた泉は、七姫とちゃんと向き合ってほしいと奏を諭します。さらには、七姫のかつての友人で現在は険悪な仲である美樹までもが、七姫を擁護。彼女たちの強い気持ちに背中を押される形で、奏は本当の意味で七姫と向き合うことになります。


感想

ついにクライマックスです。

奏は基本的に七姫に好意的なので、あとは七姫のほうがいつ恋愛感情を自覚するかが鍵。七姫のほうから告白してそのままハッピーエンド。……かと思いきや急展開となっています。これまで抑えられていた奏の負の面がついに爆発している印象。

これまで奏は、七姫と仲良くなれたことを喜びつつも、七姫のほうから過度に歩み寄って来ると不自然なほどに遠慮するという場面がありました。その意味するところが掘り下げられています。

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奏にとって七姫は、もともとは住む世界の違う人間であり、あくまで憧れの対象。交流の中ですでにそれだけではない関係にすでになっているのに、憧れの対象という意識にとらわれ続ける奏の姿が描かれています。そして、奏のそのような人格が形成された理由にも言及があります。自分自身と向き合うこと、そして相手の変化を受け入れることが大切だということなのでしょう。地味な主人公×ギャルという王道の中で、ある種普遍的なテーマを描いているようにも思えます。


最終的にはもちろんハッピーエンド。奏のほうからのキスシーンもあります。

そして描き下しのエピローグでは、奏と七姫がようやく名前で呼び合おうと頑張ります。実際にはいちゃつくための口実のようになっており、キスシーンが複数回あります。

未収録作品集




完結編である第6巻と同時に、未収録作品集が発売となっています。こちらはKindleなどの電子版限定。

内容は、単行本未収録の短編を集めたものです。ストーリー序盤〜中盤の合間を描いた番外編(全4本)と、描き下しのエピローグ(全2本)で構成されています。数ページ程度ながらイラスト集もあり。全部で約50ページ弱のボリュームです。


描き下し1本目「その後のふたり〜泉といろは〜」は、泉といろはが主役となっています。本編後半でもいろはが泉に好意を抱いていることをうかがわせる描写がありましたが、その点を掘り下げた内容となっています。本編では七姫への片思いが強調されていた泉も、やがていろはの存在を意識するようになります。

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これ含めて泉×いろはのエピソードは多めなので、この2人が好きな人にはおすすめの短編集となっています。


描き下し2本目「その後のふたり〜卒業後編〜」は、本編より少し後(おそらく2年後くらい)のお話。大学生となった奏たちの姿が描かれています。もちろん奏と七姫はすっかり恋人同士で、さらなる一線を越えようとしていることも示唆されています。

本編最終回やエピローグよりも後のお話となるので、奏と七姫のその後が気になる方は必見です。




なお現在、電子版の1〜3巻が109円という大胆なセールが行われています。4・5巻は50%OFF。未読の方はぜひこの機会に。





【参考記事】
Kindleで竹書房・芳文社等がセール「できそこないの姫君たち」「ラーメン大好き小泉さん」の1〜3巻が109円、「NEW GAME」1〜8巻75%還元など





posted by trinder at 07:30 | Comment(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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